私のアバターはジャージを愛用しています。
で、気に入ってるお店がMETABIRDS SIMに本店を構える「Back and Forth」 です。


このブランド、何気に見ていると商品のクオリティはもちろん、POP画像そして建物まで
めちゃくちゃ凝っていて、オーナーの技術の高さが伺えます。
また海外有名ファッションBlog等でも紹介されてる有名店でもあります。



http://slurl.com/secondlife/Metabirds/204/70/25

更に、お店のオーナーはムービー製作までやってしまうという多才っぷり。
本日はその「Back and Forth」のオーナーDonmai Frederickさんにお話をお伺いしました。
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emo8889 Xeno: 最初にSL始めたキッカケをお願いします。


Donmai Frederick: まず、自分はMacユーザーなんです。
今までMMOなど対応している物が少なく、やったことがほとんどなかったんですが、
たまたまSecond LifeがMacにも対応していたのが始めたキッカケです。
選択肢は非常に少なかったので、Second Lifeを知ったのはラッキーでしたね。


emo8889 Xeno: プレイしてみてどうでしたか?


Donmai Frederick: 気分転換に、なにかゲームしたいな、、、というノリだったのですが
物を作る事をユーザー自身が出来ると知って、「なにこれ? 凄くない?」
と、ちょっと興奮気味になった記憶があります。
もうだいたいの事が出来ちゃいますから、好奇心だけどんどん膨れていきましたよ。


emo8889 Xeno: その時期から現在までの活動をご説明お願いします。


Donmai Frederick: まず、今から一年くらい前にアカウントを作成しました。
その頃は、日本人街がなかったので、桃源郷という所でフラフラして、
いきなり4000sqmくらいの土地を買って色々遊んでましたねー。
土地を買えば自由だという認識が強かったですが、近隣の人も同じ人間ですし、
「重くなる!」とか、色々クレームなど言われたりして苦戦したりもしました。


emo8889 Xeno: 一度ログイン出来なくなったと伺いましたが。


Donmai Frederick: それで去年の9月かな、Linden Labのデータベースがハッキングされたとかで、
アカウントのパスワードが全員無効になり、秘密の質問などで再入力が必要になったんですね。
その時、ミスしてアカウントがロックされ、ログインできなくなりました。
サポートにメールを送っても返答がなく、英語で電話することも不可能でったので
その間ALT(サブアカウント)を作って、そっちで遊んでいました。


で、メインアカウントが戻ったら、すぐに移行できるようにテクスチャの作業しかしてなくて。
でも実はそれが服を作る、キッカケになったんです。


emo8889 Xeno: テクスチャは服用を作ってたんですね。


Donmai Frederick: そうです。
アップロードし直せば良いだけなので、あどでこっちのアカウントに戻すのが楽だなと。
こっちのアカウントに愛着があったので、ヘタにALTで物を作ると戻る時、
面倒になりそうだったので、服だけやってました。


emo8889 Xeno: なぜ服を作ろうと思ったんですか?


Donmai Frederick: スクリプトはできないし、テクスチャの作業となると
服しか思いつかなかったからですねー。
他は特に、やった事もなかったし得意でもなかったので、
半分ノリでやってました。今考えると、その気楽さが良かったのかも。


「お店の雰囲気は表参道あたりを意識しました」
emo8889 Xeno: それが今のショップ開始のキッカケですね。


Donmai Frederick: で、そのあとですね。今の本店の土地を借りました。
最初は服を作っても、自信がなかったのですが
海外のファッションブログの「Men's Second Style」「SL Men」 にいくつか載りまして
それで、いきなり売れ出したりしました。


emo8889 Xeno: メンズファッションの有名ブログですよね。


Donmai Frederick: はい、そのブログは結構有名なところでその効果が凄かったんです。
ちなみに「SL Men」に関しては、実は掲載第一号です。
ライターと話してて「今度ブログ作るから是非使わせてよ」みたいな会話があったんですが
ブログがここまで有名になるとは、、、w


あと、「Men's Second Style」のオフィシャルのWeb Kiosk作ったりもしました。




この黒いオブジェクトです。クリックされるとwebに飛ぶというだけなんですがw
機会があって作らせて貰いました。
結構気に入ってくれたみたいで、お互い面識あって今でもたまに話します。


emo8889 Xeno: では改めてお店の紹介と商品のコンセプトをお願いします。




Donmai Frederick: コンセプトは、リアルな日本のカジュアルで、
お店の雰囲気は表参道あたりを意識しました。
何故リアルなカジュアルファッションにしたかというと、
実際に自分が着ているような服とか作りたかったんですね。
SLだからこそRLで着れないような服を着るのも良いと思いますが、
なんだか自分としては、分身のような感覚があったので、
なるべく身近なものを着せたいって気持ちがありました。


あと日本特有の和っていう方向はやっている人も多かったので
リアル日本の現代カジュアルに落ち着いたってのもあります。


emo8889 Xeno: お店の名前は「Back and Forth」ですよね。


Donmai Frederick: 行ったり来たりって意味合いもあります。人の目を止めたいという想い。
それから、自分自身やってることが前に進んでいたと思えば、後退したり。
・・・なんていうんでしょうか、3歩進んで2歩下がるような、地道な活動したかったので
そう言う名前にしました。


emo8889 Xeno: 自作で一番気に入ってる服ってどれでしょうか?


Donmai Frederick: このジャージで、これはこだわった部分あるんですよー。




まず今となっては多いですが、女性は胸が強調されるようになど、
男女それぞれのテクスチャで陰影を変えてるんです。

あとは、襟はプリムで作ってあるんですが、
このように、上手く組み合わせる為に少し苦労しました。
側面にジッパーのテクスチャを貼って、お客さんが合わせやすいように、というのも意識しました。


emo8889 Xeno: なるほど。


Donmai Frederick: あとは、袖ですかね。袖が膨らむようにしてあるんです。
インナーを着ると、袖シェイプが膨らむ仕組みなのですが、
その辺は、試行錯誤しながらどこまでやれるか試した感じです。


emo8889 Xeno: それで商品に専用のインナーが付いてたんですね!


Donmai Frederick: そうです。
実はシャツにあって、ジャケットにないパラメータがあるんです。
重ねて着ることで、インナーのパラメーターも反映される仕組みなんですね。
見えない部分なのでそのインナーは手を抜いてますがw


「店の雰囲気の演出でブランドのイメージとしても印象に残ります」
emo8889 Xeno: お店自体にも沢山のコダワリがありそうですね。


Donmai Frederick: 服にも商品POPの看板にも同じ比率の作業を当てることですかね。
良い商品というのは、おそらく知られていない物も含めたら
物凄く沢山あると思います。しかし、人を立ち止まらせる広告がないと、
買う以前の問題で目に止まらないんです。
RLと一緒で商品の顔ですから重要だと思っています。




emo8889 Xeno: 確かにそうですよね。


Donmai Frederick: こちら側で組み合わせやシチュエーションの演出も出来ますし。
勿論それで中身がしょぼいと、ダメだとも思いますけど、同じだけ気合い入れますね。


emo8889 Xeno: この本店もめちゃくちゃ良い作りですよね。


Donmai Frederick: ありがとうございます。
そうですね、やっぱり買い物する気分っていうのは、お店の雰囲気にも左右されると思います。
なにかしら、雰囲気を演出してあげれば、ブランドのイメージとしても印象に残りますからね。
お店の出来でブランドの方向性が分かると思います。


emo8889 Xeno: お店のライティングの演出が素晴らしい。

Donmai Frederick: 自分の場合はリアルの建築スキルがないので
建物に関してこだわってるのはライティングだけなんです。
テクスチャに影を書き込んだりとか、ライティングをしっかりすることで、見栄えが全然違います。


そこの窓から光が落ちてるとか、ライト使いすぎると重くなるというのもありますので、
どこまで擬似的にライティングを詰められるかといった感じでしょうか。
あと、昼も夜もユーザーが変更できますので、どの時間でも綺麗に見えるように工夫してます。




emo8889 Xeno: ところで「Cocololo Island Resort」のPVも製作されたとか。

「ムービーはこちら」


Donmai Frederick: はい、Cocololoのオーナーrocky sassoonさんと話していて、
CocololoのPV撮ろうかとう話になり、そこで初めてマシネマ作りました。
それ自体昔からやっていたわけではないんですが、
SL始めてからU2のライブを再現したビデオや、Linden Labの公式PVのコンテストなんかを見たりして、
おっ、これは、映像としても面白い事出来そうだなぁと、思っていました。


emo8889 Xeno: どういった経緯でCocololo PVの製作依頼を?


Donmai Frederick: rockyさんと話していて、
自分がRLでも映像の仕事をしているという話をしたのがキッカケなんです。


SL内でも今後作りたいって思ってはいましたが、
他のこともやってましたので、なかなかキッカケがなかったんですね。
そのうち、やれればいいなーくらいに思っていたんです。
だからcocololoの話があったとき、ラッキーだと思いました、
非常に良くできたSIMなので、こちらからお願いしたいくらいでした。


emo8889 Xeno: なるほど。実際SLで作ってみて技術面ではどうでした?


Donmai Frederick: RLの映像制作と一緒で非常に奥が深い。
RLと違いと言えば撮影で外に出ないことですかね。
SL内ではロケハンやTPしますが、僕はPCの前で画面をキャプチャして撮ってますからね。
”撮る”というより”録る”というようなw


ただ、あえて撮影という言い方をしてるんですよ。
やはりインワールド視点では必要な撮影場所に移動したり、良いアングル探したりと
アバターにとっては撮影ですしそう言った方が、しっくりくるんです。


emo8889 Xeno: その他の活動としてメタバーズの仕事のお手伝いとかもされてたとか?


Donmai Frederick: そうですねー。
メタバーズのもっとも古い住人なので、非常に仲良くさせて貰っていて
プレゼントアイテム作らせて貰ったりあと、マシネマ作ったり。
ちなみに建築は素晴らしいクリエイターが、メタバーズにはいますので僕の出番ないですw


emo8889 Xeno: あとRandy KamabokoさんのFORCEも所属されてますよね。


Donmai Frederick: FORCEは今の所、それほどお手伝いできてない状況なんですが、
これから一緒になにかやっていくと思います。
私がなかなか時間が取れなくって・・・。


「存在価値が色んな側面を持ち始めていますが、とにかく面白い」

emo8889 Xeno: 今までそうやって色々な活動をされてきて
改めてSLってどんな存在でしょうか?


Donmai Frederick: 改めて考えると、仕事としてやることも多くなったので、
存在価値が色んな側面を持ち始めてはいますが、とにかく面白いですよね。
仕事のツールでもあり、遊び場所でもあり。生活の一部になりつつありますね。


emo8889 Xeno: ではこれを見ている読者の方にメッセージをおねがいします。


Donmai Frederick: 映像に興味ある方は一声かけてください!
そういう人と一緒に何かやりたいですね。


emo8889 Xeno: ありがとうございました!
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印象は物凄くレベルの高いオールマイティーなクリエイターさんです。
服飾のこだわりは物凄く、他にもベルトや帽子なども販売されていますし、
店内には光の演出を上手に利用したプロジェクター投影などの仕掛けもあり
Donmaiさんのアイデアセンスを垣間見る事ができます。


またあの有名なCocololoのムービーも手がける等、日本人のSLムービー製作に関しては
第一人者といっても過言ではありません。


これから何か作ろうとされている方、トップクリエイターの技術を見に
是非この「Back and Forth」に足を運んでみてはいかがでしょうか!