Facebookでも話題になっていましたし、最近は講演会でも耳にするので書きましょう。

ガン検診で早期発見され、全摘出できました。手術中の肉眼的観察では転移はありませんし、検査でも見つかっていません。おめでとうございます、完治です!

完治と言われた患者さんは喜び勇んで帰宅します。

そして、の生活に戻ります。。。


早期癌は切除で完治 これは表現に誤りがあります。「見た目に全て取り去ることが出来ましたが、ガンを起こす原因は残ったままですので注意が必要ですよ。」が正解です。

ガンの発生を許す生活をし続けてきたのではありませんか? です。

元の生活に戻ったら、また何処かがガンになりますよ! です。


言われてみれば当たり前でございましょ?

実は、私の父がそうでした。当時の私には今のような考えはありませんでしたので残念ですが、上咽頭癌を患いました。手術できないので放射線を行いました。飲み込みが困難となり、日常生活に若干の支障はありましたが普通に生活は出来ていました。そして「完治」と言われました。その8年後です。突然の腸閉塞で緊急搬送され、呼ばれて病院へ行って目にした事実は衝撃的でした。もの凄い数の転移巣が映っている胸部X線写真が掲げてありました。医師の私はその1枚で全てを悟りました。大腸癌の末期の末期・・・苦闘の末に亡くなりました。そして、この様な事例は珍しくないことでございます。

ですから、ガンの発生を許したの生活に戻ってはいけないのです。


以前のブログでも色々書きましたが、ガンを治す術は医学にありません。方法論そのものが存在しません(今のところ東大の藤堂先生が研究中のG47Δを除きましょう)。それは医師免許を持つ者であれば全員が周知の事実でございます。治す方法を持たない医学に治してくれと言う事に意味はありません。そんな医学を全面的に信頼して傾倒すると危険でございますので心して受診をしてほしいものです。

手術で全摘できた時に「完治」という言葉を勘違いして使ってしまう医者は少なくはありませんが、そうで無い場合に主治医へ聞くと分かります。「私のガンは治りますか? 元の身体に戻り元の生活ができますか?」と。嘘つきで無ければ「いいえ」や「残念ですが・・・」という解答を得られるはずです。何とか必死に誤魔化そうとする医者もいますので、Yes or No ? の二択にしてもいいですね。

そんなこと恐くて聞けないという方もおられます。知る事と知らないことのどちらが幸せなのだろうかとも思います。よく考えて欲しいです。

ここに色々ございますので参考まで:癌(ガン)