以前のブログの中でも登場していますが、独立させて少し拡張します。

免疫とひと言で言っても色々あるのですが、ここでは獲得免疫と言われる免疫細胞のお話しです。
具体的なイメージを持って頂こうかと。


皆さんが血液検査をする時に、白血球の数が5000とか言いますね。これは1μl(マイクロリットル)の中に5000個の白血球があると言うことです。

1ml(ミリリットル)は1μl(マイクロリットル)の千倍ですから、1ml(=1000μl)の中には500万個の白血球がある訳です。

1mlはほぼ1gと考えても良いですから、身近にある1gの物と言えば、1円玉です。

1円玉1個の中に、500万個の白血球がある訳です。

凄い数ですね。


では、血液は何リットルありますか? 体重が60kgの人で、約4.6リットルありますから、4,600ml×5,000,000=230億個の白血球があります(血液量は体重の約1/13)。

白血球の中には色々と種類がありまして、それぞれの役割が違います。好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球があります。好中球が一番多くて病原菌を見つけて壊します。膿みをご存じでしょうか。あれは病原菌を食べて死滅した残骸なのです。戦いの証ですね。好酸球は寄生虫やらアレルギーと関係します。好塩基球は何してるか分かりません。単球も好中球と役割は似ていますが、色々な免疫の補助をする役割です。

リンパ球は細分化され、T細胞、B細胞、NK細胞、KT細胞とあり、T細胞は更に細かく役割分担されています。T細胞は主に免疫の司令塔、B細胞は抗体を作るなどの実行部隊、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)とKT細胞(キラーT細胞)は癌細胞を攻撃する役割を持っています。癌の免疫というと、この白血球のリンパ球の中のNK&KT細胞を指します。


血液検査でも白血球数だけでは内訳は分かりませんので、担当医へ「白血球分画を知りたいのですがお願いできますか?」と聞きましょう。伝票にチェックを入れてくれるかは医者次第です。癌の方は検査結果にそれがなければ是が非でもやって貰いましょう。貰う結果には 好中球=Neutro リンパ球=Lymph 好酸球=Eosin 単球=Mono と書いてありますから、Lympという文字を見つけましょう。比率の%で表示されていることが多いです。


お話しを戻しまして、体重が60kgの人で約4.6リットルの血液には、4,600ml×5,000,000=230億個の白血球があり、リンパ球比率が約40%とすると1g=1円玉の血液の中には92億個であります。その中のNK&KT細胞は約20%ですから18億個あることになります。1円玉程度の血液に戻してみると、NK&KT細胞は40万個います。全体からはずいぶんと減りましたが、それでも1円玉の血液に40万個の癌を攻撃する細胞が収まっています。


いいですか?

これだけ沢山の抗癌細胞がいるのに、常に全身を18億個のNK&KT細胞が隅々まで巡回しているのに、なんで癌になるのかが不思議ではありませんか?

APEC横浜の警官数のように石を投げれば警察官に当たるような状態で泥棒は逃げられません。


そんなところでも癌の発生(泥棒)を許すと言う事は、恐らく、ぐうたら免疫細胞(警察官)なのだと言わざるを得ません。 あ~、泥棒だ~、疲れてんのに~、まあいいや~ というような免疫細胞になっているのではありませんか? あるいは、余程の癌細胞が発生させているのではありませんか?

白血球と言えども、それぞれが1個の細胞です。寿命があります。10-14日です。寿命を延ばして年寄り免疫細胞ばかり増えてもいけません。いつも新鮮な、元気な免疫細胞でなければなりません。その為にも、骨髄で造血細胞の新陳代謝を上げることが重要となります。代謝を上げる話はブログの中にも度々出てきますので見て頂ければと思います。

要約すると、細胞の材料である食べ物が大切です。細胞膜は脂質で出来ていますから脂質も大切です。食材としてはタンパク質が重要です。代謝を促進するには補酵素のビタミンとミネラルが必要です。特にマグネシウムは殆どの代謝に関わりますので最重要です(単体で取ろうとしてはいけませんよ!)。基本は、いわゆる天然塩です。あとは種子類、海藻類は豊富ですね。良い野菜や果物も素晴らしい。抗酸化もしておくべきですが私はEM飲料が好きです。体温を上げる方向も正解ですが無理はいけません。良い睡眠、良い精神状態、楽しい生活でも免疫力は上がります。あ、忘れていた、腸内細菌を善玉にし続けることでも上がります。



唐突にお話し変わりますが、抗癌剤で白血球が減れば、若くて元気な細胞は供給されません。残っているのはくたびれた年寄り免疫細胞になる事でしょう。免疫を減らしても抗癌剤を投入する意味を良く考えて下さい。

白血球を上げる薬があるから大丈夫です と 主治医は言うでしょう。しかし、この薬剤では癌と闘うリンパ球は殆ど増えません。増えるのは病原菌と戦う好中球ばかりなのです。ですから、肺炎などにはなりにくくはなるでしょうが、癌に対しては放置の状態に等しいのです。


*参照*
◆ 再発予防に抗癌剤を使いますか?
◆ 癌(ガン)に対する考え方:本当に不治の病ですか?
◆ 医学で癌は治せますか?
◆ 抗癌剤について考えてみましょう
◆ 癌の評価方法(ちょっと辛い内容)
◆ うんち(大便)の話し