例えば、ある癌の診断を受けた としましょう。

手術で病巣を摘出し、肉眼的には取り残しもなく、転移も見ありませんでした。
諸検査でも転移は確認されていません。 取り敢えず、身体からが癌は消えました。

で、再発予防に抗癌剤を使いましょう という流れが当たり前のようです。要するに、前科(癌を患った)を負っているので、再犯率(再発率)が高いから犯罪(再発や転移)を起こす前に捕まえてしまえ(抗癌剤を使ってしまえ)と言う意識が働くのだと思っています。

でも、居るかどうかも分からない敵に対して、敵味方を見境無く攻撃をして良いのでしょうか・・・


この事は、電話相談をしたり、直接お話を伺っていて良く遭遇する事態です。


主治医は言います。 「肉眼的には癌はありませんが、目に見えない癌が残っている可能性が有ります。1個でも癌細胞が残っていたら再発するので抗癌剤は必要です」 と。

まあ、事後処理医療の現代医学では当然の流れですし、癌は治らないという前提の医学ですから、この発想は出て然るべきです。


確かに、癌を発症した方は癌細胞が隠れているかも知れないと思うのは自然です。ですから、ここで大切なことは、もし再発予防に抗がん剤を使うべきだと言うならば、例として1年後に抗がん剤の使用群と非使用群で再発率がそれぞれ何%なのかを呈示して頂き、それを踏まえて患者さん自身が抗がん剤の是非を決定すべきなのです。

中には3倍の違いがあるという説明を受けた人がいましたが、これは要注意です。3倍も違うと驚きますが、100人の内で1人と3人でも3倍違います。これでは誤差範囲です。30人と90人であれば、大きな違いに感じます。ですから、3倍違うという言葉に幻惑されてはいけないのです。

あと、最も使われる表現は「五分五分」です。五分五分と言う表現を解りやすく医学用語に翻訳するならば、「どうなるかは分かりません」、「実は私にも分かりません」になるのです。決して50%という意味で使われません。医者は「わかりません」という言葉が嫌いだからです。何とか取り繕おうとする生き物です。


身体に明確な癌が見つからない状態で将来、再発するかも知れないし、しないかも知れない。それぞれについて全て言い訳が立つことを知りましょう。

① 抗癌剤を使っても再発した場合は「残念でした。抗癌剤で抑えられませんでした。」
② 抗癌剤を使わずに再発した場合は「抗癌剤を使わなかったから再発したのです。」
③ 抗癌剤を使って再発が無い場合は「抗癌剤が効きましたね。」
④ 抗癌剤を使わずに再発が無い場合は「貴方は運がいい。」




では、この様な場合は次の順番で主治医に確認を取りましょう。

 癌細胞に対して最も重要な身体の機能は免疫力ということで間違いは無いでしょうか?
  ~ 「ハイ、その通りです」という返事しか医者はできません。やり取りの中で、確実に「ハイ」という返事を引き出して下さい。 ここでハイと言わない医者は嘘つきです。 また、「それだけではないですが、、、」という屁理屈を言う医者も居るでしょうが、その時は「では、間違いですか?」と追加すれば否定は不可能です。


 抗癌剤の説明の中で、免疫力が落ちると聞きましたが間違いはありませんか?
  ~ ちゃんと事前にその説明を受けていないと駄目ですよ。あるいは、使用薬剤の添付文書で「白血球減少」の記載を確認しておいて下さい。であれば、これも先と同じで「ハイ」しか返答できません。


1,2で「ハイ」の返事を貰ったら 3 へ


 ということは、抗癌剤で免疫が落ちてしまえば喜ぶのはガン細胞と病原菌ではないでしょうか? 逆に再発を招く事になるのではありませんか?
  ~ 1,2で「ハイ」と答えていれば、これも「ハイ」にならざるを得ません。違うというならば、その理由を納得できるまで明確に伺いましょう。

途中で怒ったり、不機嫌になれば図星ということで、しかもケツの穴の小さい奴です。信じていたことが患者さんの目の前で崩れ去る事態を受け入れられる医者はなかなかおりませんから、「そんなことを言うならば、いいですよ、やりませんよ。その代わり、抗癌剤を使わなかったら、どうなっても知りませんからね」と言った主治医が東海地方にいました。私も患者さんへ言いました。その状態で抗癌剤を使うのであれば、どうなっても知りませんよ と。貴方はどちらの「どうなっても知らない」を取りますか?

結局、この医者はブツブツ言いながらも、抗癌剤を使う事を取り下げました。
この三段論法で3人の人が無用な抗癌剤を使わずに済みました。


それでも口の上手い医者はおりますので、どうしても抗癌剤が必要であると言われた場合、次の質問をして下さい。

 私のように一見して癌が身体から無くなった人に、再発の予防に抗癌剤を使った場合と、使わなかった場合におきまして、再発率の違いについて教えて下さい。その数値を聞いて検討したいと思います。

 ~ 「1年後には、*%と*%の再発率の違いがあります」という返事が来れば、その数値を聞いて意味があるかを考えてみて下さい。数%の違いであれば、無用な苦しみを受ける必要はありません。ただ、時に嘘のデータを言う医者がいます。話がうますぎる解答の場合、別の病院の医者に同じ質問をして、同じ答えであるかを確認しておきたいものです。この手のデータは殆ど無いはずなのです。学会も製薬会社も、抗癌剤AとBの比較はするのですが、Aと無しの比較はしないからです。なぜ無いのでしょうか? 普通に考えてみて下さい。

 ~ *倍の差がありますと言う返事の場合は先に述べた如く要注意です。

何度も申しますが、明確な数値を示せない場合は「根拠無き投薬」ということになりますので、とても非科学的です。ならば、キノコで癌が治っても構わないはずです。

「先生はなぜ明確な根拠が無いのに、副作用が決して軽くはない抗癌剤を勧められるのですか?」と言ってやりましょう。



最後にまとめます。


癌細胞を直接攻撃できるのは免疫細胞だけと言っても過言ではありません。殆どの抗癌剤はこの免疫細胞を減らし、免疫能力を落とします(使う抗癌剤を要確認)。 免疫が落ちて喜ぶのは癌細胞と病原菌です。それはエイズ(後天性免疫不全症)の病状経過を見れば明らかです。エイズは肺炎と癌との戦いに終始するからです。

ですから、予防の名目でむやみに抗癌剤を使えば、免疫力が落ちてかえって発癌しやすい状況なり、再発や転移を促す結果となるのは当然の流れなのです。

極めて論理的です。

しかし、この当然の論理を医者は根拠無く否定します。ですから、先程の質問のように、1つ1つ確実に詰めれば、自分が勧めている抗癌剤の意味を見失います。知識と現実の矛盾に苦しむ事になるでしょう。1人でも多くの医者が苦しんで欲しいものです。

現代医学において、抗がん剤で再発予防や転移を未然に防ぐことはできないのです。

逆に、免疫力を高める事が出来ればガン細胞は撲滅が可能であり、再発や転移を許しません。
それをイメージする方法はまたの機会に。

*参照*
◆ 癌(ガン)に対する考え方:本当に不治の病ですか?
◆ 医学で癌は治せますか?
◆ 抗癌剤について考えてみましょう
◆ 癌の評価方法(ちょっと辛い内容)