先月の話になりますが、

私が前の会社に新入社員として入って、

初めて配属された課の先輩が、亡くなりました。


入社年度でいうと、3年ほど上で、

男性なんだけど中性的な魅力を放っていて、

芸能人でいうと、山咲トオルちゃんぽい感じ。


その先輩には、

他の人には教えてもらわなかったいろんなことを学びました。


得意先と得意先の間にある、お洒落なcafe。

企画書は、会社で作るよりもインターネットカフェあたりで励んだ方が捗ること。

上手なサボり方。

自分の恋愛ネタを、いかに面白おかしく課の話題にするか。

(自分がネタになってなんぼ!だって。)

美味しい鍋のお店。


その先輩と先輩のお友達と3人で、

私が住んでいた街で飲んだこともあったっけ。


終電なくなって、その友達の家に泊まることになった先輩は、

引越したての私の家を見たい!と言ってきかず、

でもダンボールだらけの酷い状態だったから、なんとか断ったんだよなぁ。


あのとき、

一人暮らしの家は誰も綺麗にしてくれない、

いつ誰が来てもいいように、ちゃんと片付けなくっちゃ!

と学んだんだった。

その後、その教訓はあんまり生かされなかったけど…。


それから半年ほどして、先輩は別の部署に異動になった。

そのことを課の会合で聞かされた私は、

別に会社を辞めるわけでもないのに、

なんだか寂しくって、泣いちゃったんだよなぁ。

今考えると、微笑ましいくらい何でもないことだったんだけど。

だって、別にもう会えなくなるわけじゃないんだし。



その後、先輩が異動になった部と私がいた部は、

ビルが別々だったこともあって、

なかなか顔を会わせる機会もなくなっちゃったっけ。


でも、私が退社する日、

本社に挨拶に行った帰りに、その先輩を見かけた。


ほんの少し大きな声で呼び止めれば、話ができたのに、

そうしなかったんだ、私。

あまりにも長い間話をしてなかったから、気恥ずかしくて。

街で知り合いを見かけても、自分からは声をかけられない性格もあって。


あのとき、

ちょっと勇気を出して声をかけてればよかったのに。

まさか、もう会えなくなるなんて、思いもしなかったから。


この連休の中日、

先輩のお別れ会が催されるそうです。

交友関係がものすごく広い先輩だったから、

出席者は制限せざるを得ず、

私は参加できないんだけど。


ちょいと遠い空の下から、

哀悼の意を表して。


ちょっと個性的で意地悪で、でもとっても優しい先輩のお話でした。