栴檀女道行 | 市川笑野ブログ「笑野戯言草」

栴檀女道行


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今回は、第三回 市川笑野舞踊会で上演した、義太夫「栴檀女道行」の紹介をしたいと思います。




奇遇にも亀治郎の会さよなら公演でも上演されるとの事です。




まずは、私のホームページに掲載しました解説を転載します。





義太夫 「栴檀女道行」 (せんだんじょみちゆき)



この栴檀女道行は三代目市川猿之助(二代目市川猿翁)が、初世藤間紫の為に作り上げた作品です。


昭和52年8月に国立大劇場で開催された初世藤間紫による舞踊公演「藤紫会」の大喜利の演目として藤間紫の小睦、中村東蔵(紫の実弟)の栴檀皇女で初演されました。


近松門左衛門作「国性爺合戦」四段目をもとに三代目猿之助が構成し、勇ましい小睦の戦物語を軸にした重厚な作品となりました。


大明国の戦乱を逃れ日本に流れ着いた大明国皇帝の妹 栴檀皇女、助けたのは肥前の国平戸松浦ケ浦の漁師 和藤内。

栴檀皇女から大明国が韃靼国に奪われた事を知ります。

大明国旧臣の老一官(鄭芝龍)を父に持つ和藤内は、再び大明国の御代を取り戻そうと父母と共に大明国へ渡って行きます。


ここからが上演する 義太夫「栴檀女道行」。


日本に残り栴檀皇女を守る和藤内の妻小睦は、夫に負けず自らも功を立てようと武術の修練を怠りません。

暫くして夫和藤内が今は国性爺鄭成功と名乗り、大明国の将軍として活躍しているとの噂を聞きます。

こうしてはいられないと小睦は栴檀皇女と共に大明国へ渡ります。

小睦が日ごろ参詣する住吉明神の加護を享け、無事に唐土松江(ずんこう)の浜に辿り着いた二人。

小睦は栴檀皇女を守護する為、若衆姿の男装をしています。

韃靼王の勢いに不安を覚える栴檀皇女に、小睦は暁の夢にありありと見た和藤内の合戦の模様を語って聞かせます。

これぞ戦の大吉兆と栴檀皇女を励まし和藤内の陣所へ急ぐのでした。






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私の上演では小睦の戦物語までのカットバージョンでしたが、来月開催されます 亀治郎の会さよなら公演では、侍将軍安大人(あんたいじん)率いる韃靼兵との立廻りが付きます。




新猿之助さんの小睦が今から楽しみです。




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