恋の形 14【獄ハル社会人パラレル】 | リアル:Me

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獄寺は威嚇するように父親を睨んだままで、不穏な空気が部屋に充満する。
息苦しい…、そう感じ始めた頃にコンコン、と扉を叩く音がして、少し空気が和らいだ。
獄寺の父が短い返事をするとメイドと共に入ってきた甘い香りが部屋中に充満した。






恋の 14








畏縮し、立ち尽くすばかりだったハルの目が途端にティーテーブルに釘付けになる。

「…おい…」

「た!食べっ食べたくなんてないですよっ?!ただ珍しいケーキだなぁって」

獄寺の呆れたような声で言わんとしたことが分かり、アハハと笑ったけれどごまかすことはできず、ハルのお腹の虫がぐぅぅ…と鳴いた。

「おっまえ…!」

「ち、ちがっ?!勝手にお腹が!」

怒りの色を見せた獄寺に、必死になってハルが否定をする。2人のやり取りを見た獄寺の父親は珍しく声を出して笑い始めた。

「いい音だ。どれでも食べなさい。話が長引きそうだからな…用意させたんだ。さぁソファに…隼人、おまえもだ」

獄寺の父がそう言うと、ハルのお腹が返事をするようにまたぐぅぅ、と鳴った。
緊張感の無さに照れながらも、ありがとうございますと頭を下げたハルはスイーツがすぐ取れる場所へと移動した。
嬉しそうにケーキが並ぶテーブルに手を伸ばすハルを横目に、はぁ、と小さく溜息をついた獄寺は、ハルから少し離れた1人用のソファに腰掛けた。

「君は…ハル、と言ったかね…?」

「ん、っ!、……、はっ!はい、ハルです」

突然の質問に、ハルは頬張っていたラズベリーのタルトを急いで飲み込む。とてもおいしそうだったのに、緊張のせいで味がしない。

「足が…随分と痛そうだが…」

「さっきより随分、楽になりました。騒ぐほどの痛みではないです」

「そうか。…では心は?」

「こ、ころ…?」

「……!関係ねぇ質問してんじゃねぇよ!」

ついさっき和やかに見えた空気が一変した。
ハルへ続けざまに質問をする父親に、焦った獄寺が口を挟んだ。

「おまえは黙っていろ。私は今、ハルと話をしているんだ」

小さく溜め息をついた父親は、獄寺を無視して言葉を続けた。

「…ハル、その膝よりもっと大きな傷が心に付いたのではないか?…さっきの事件(アレ)は隼人が昔やった事のツケだ。…見た所、君はごく普通の‥一般家庭に育った子だろう。隼人とこのまま交際を続ければ、君の命が狙われる。今までのように幸せで安全な日常もない、命の保証もない。君は隼人の為に全てを捨てる事が出来るか?」

「…」

「…ハル、どうだね?」

「……、」

口を挟みたいけれど、一瞬見せた父親の鋭い眼差しに獄寺は思い止まった。
事あるごとに話しを遮ってばかりだと、反って怪しまれる。
ここはハルに任せるしかないか、と目をやった先には一点を見つめて固まったままのハルがいた。
そんなハルに見切りをつけたのか、少し間を置いて獄寺の父が口を開いた。

「…まぁ、…仕方のない事だ。別に責めている訳ではない。誰だって安心して暮らしたいと思うのが普通だ。君は間違いではない…ハル、顔を上げなさい」

溜め息混じりにそう言った獄寺の父親は、どこか残念そうに、だけど安堵したような顔でハルを見た。

「…それは好きなだけ食べるといい」

「‥……、し…た‥」

静まり返っていなければ聞き逃してしまいそうな声。
それに気付いた獄寺の父親は、もう一度ハルを見た。

「…何か質問か?」

「…確かに…、さっきは怖くて怖くて堪りませんでした。だけど、ピストルとか捕まった事とか、そんなのが怖かったんじゃなくて…獄寺さんが目の前からいなくなるって思うと、それがとても怖くなったんです」

ハルは膝の上で手をキュッと握る。
獄寺が心配そうに見ているのが分かるけれど、視線は父親から外れない。
す、と息を吸い込むと、ゆっくりと話しを続けた。

「危険な目に合うのは嫌です。…おっしゃられたように、大切な人を守る為に別れを選ぶのも間違ってはいない、と思います。だけど…、…本当に大切だと思ってくれてるなら、そんなことで離れたりして欲しくないです。どんなことが起きても、私は好きな人から離れたりしません。支えになりたいと思うし、一緒に戦います。だから俺がいるから心配するな、って…言って欲し、い…」

と、そこまで話し終えたハルは、痛いくらいに突き刺さる獄寺の視線で我に返った。

昔、初めて恋した…綱吉の、背負うかもしれない運命を知ってから、ずっとそう思っていた。何があっても支えになれるよう強くいたいと思ったし、間違った事をすればそれを正してあげる、そんな存在になりたかった。
淡く切なく終わった恋だったけれどその時、自分に誓った想いはハルにとって当たり前の事になっていた。

スラスラと出てきた言葉に嘘はないけれど、胸がドキドキしてジワリと汗が滲みだす。

「…君の隼人に対する気持ちは分かった。…けれど諦めてくれないか?私が隼人に見合いを進めるのは、そうすることで双方にメリットがあるからだ。デメリットしかないことをわざわざ進めたりしない。少し我慢すれば好きでもなかった相手にも次第に情が移るものだ。私が言いたい事は分かるね?…子供は、親の言う事を聞いていれば間違いなどない」

眉間の皺を一層濃くして、獄寺の父親はそう言い切った。
確かにそうかもしれない、と頭では理解出来たけれど、獄寺にも向けられたその言葉を聞いてハルは黙っている事が出来なかった。





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大分ハショリました(^-^;
…だって…、…終わりが見えないのに違うネタばっか出てくるのー!!
キャー!助けてー!!