昨日の演奏会(作曲コンクール)は、とても考えさせられるものでした。


芥川作曲賞…


このコンクールは大きな特徴が2つあります。


①応募ではなく、前年に初演された日本人オーケストラ作品(新人)全ての中から選考委員が楽譜と録音を参照しながら候補を選ぶ。


②公開審査である。この意義は、密室での話し合いより聴衆を交えることによって、作品への理解が深まることや作曲家と聴衆の交流が出来るのではないか?


ということのようです。


コンクールの前に演奏されたのは、一昨年の受賞者がサントリー芸術財団から委嘱された作品でした。


留灯之(ともしびの)~独奏チェロとオーケストラの為の
(法倉雅紀)


チェロのコンチェルトでした。途中、ソリストやオケのメンバーの『掛け声』があって興味深いものでした。


休憩を挟んで、候補者作品の演奏です。


私の伴奏をしてくれたHさんの作品が最初に演奏されました。


『風神~オーケストラのための~』


現代曲でしたが、分かりやすい作風で、美しいサウンドでした。


次はYさんの作品



水玉コレクション No.04 室内オーケストラのための


うーん…あまりにメロディが無くて、なんだか良く分かりません。同じようなフレーズが何度も何度も繰り返され、奏者はどこを弾いているか分からなくならないのかな?


いらぬ心配?


そしてラスト…Sさんの作品


ヘキサゴナル・パルサー


ピアノが二台、舞台中央に置かれ、打楽器がその周りを囲み、弦パートは端の方…!?


見たことない配置でした。
打楽器の不思議なリズム感と弦の旋律。個人的には、好きな音楽でした。


ピアノ奏者が途中立ち上がって、ピアノの弦を押さえながら弾くようなことを!?最近は、ああいう弾き方も有り、なんだ~。


そして公開審査が始まりました。


選考委員は三人…

三枝成彰氏

猿谷紀郎氏

湯浅譲二氏


それぞれが評価の基準を話しました。その曲の創造性、今までに聴いたことのない音楽だけでなく、聴く人への訴える力、スタイルは自由だが理に叶っていること。多くの人に愛され理解されやすい音楽…等々。


各候補者作品の長所と短所をそれぞれの視点から述べ合う。一時間くらいのディスカッションの後、ひとつの曲を推薦する。


結果、三枝氏はHさんを推薦し、湯浅氏と猿谷氏はYさんを推薦しました。


芥川作曲賞受賞
山根明季子さんに決定しました。


Hさんによると、山根さんは既にプロのオケに作曲を依頼されているくらいの方だそうで…。


何となく分からない世界だなあ。


私的には、一番理解不能な曲だったしなあ。専門家と一般人の基準って全然違うのかなあ?


Hさんは残念でしたが、まだ若いですし、これからどんどん伸びて行かれることでしょう!本人は至ってサバサバしていましたし(笑)。

現代曲について思うことがあるのですが、また後で書きます。


長文、お付き合い頂き有難うございました
m(_ _)m