春闘と裁判 | いまのしゅんかん

春闘と裁判

最近、興味深い記事が多いのでニュースサイトを頻繁に読んでいるが、デンマーク在住15年にして初めて知ることばもチラホラ。。

Musketeredとか、forvaringとか。。

 

戦々恐々としている春闘のなりゆきだが、先週の金曜日に2週間の延期が決まったときには、結論を出すのに2週間はかからない、最初の数時間が重要と言っておきながら、金曜日に話し合いが再開し、結局めいっぱい週末をつかいながら、白黒つかず、決着間近と思われていた国家公務員の労働条件の話し合いが難航している。

なんでも、雇用側は少々譲歩する気があるのに、労働者側はすべての提案を拒否していて話し合いにならないとのこと。うちの大学も突然51日が勤務日に変わったので覚えているが、数年前に有無を言わさず3日間の公休が排除されたことで雇用側に対する不信感を募らせており、今回はまったく譲らないぞ、というスタンスでいるらしい。このままランチタイムの自腹を受け入れてしまったら、毎回労働条件は不利になっていくだけと思っているからのようだ。

まぁそんなことをいったら、うちの会社ももともとメーデーも憲法記念日も勤務日だっただけでなく、いつのまにか1224日が勤務日になったし、なおかつランチタイムも労働時間外となってしまったが。。黙ってたら、悪くなるだけというのは事実である。

 

で、初めて知ったMusketeredだが。。なんでもマスケティアーズ=三銃士に例えて、複数のパートナーが一緒になるという意味で、今回は市と県と国の公務員が一緒になって闘うとして、いずれのパートナーも合意に至らなければ運命を共にするという約束をしたため、大規模な春闘になっている。

おそらく、5年前の教職員組合の苦い敗北が教訓になってのこともあるだろう。。

4週間も学校がロックアウトになったのは、結局対象の領域が限定されていたから。しかも挙句に自分たちの希望はまったく考慮されることはなく。

しかし、公務員全員が対象になれば、世の中に対するインパクトも大きくなり、自分たちの要求を通すために相手により大きなプレッシャーを与えることができる。

 

うちの会社の前社長も、やはり有無を言わさずいろんなことを導入し、結果社員の不信感を募らせ、挙句優秀な社員が何人か辞めてしまい売り上げにも打撃を与えることになった。

やっぱり無理矢理導入するというのは、あとになって大きな影響を残すことにもつながるのだな、、と思う。

そう思うと、あってほしくないけど、ストライキ・ロックアウトは避けられない結果になるのか、、

 

それと、昨日、潜水艦バラバラ殺人事件の公判があり、検察側の論告と求刑、弁護人の弁論があったが、ボリュームありすぎで時間切れとなってしまった。

検察側は、無期懲役を求刑し、その代替え案としてforsvaringをあげたのだった。

なんでもデンマークでは、殺人罪の法定刑として、通常の懲役刑に加え、保護観察付の懲役刑(forvaring)と、精神病院入院込みの懲役刑の3つのオプションがあるらしい。

受刑者が危険人物である場合、forvaringとなり、3年の懲役のあと精神鑑定などで危険性を調べ、まだ危険とすればさらに3年の懲役でまた調べるといったように、大丈夫という太鼓判がおされるまで半永久的に懲役が科せられるそうだ。

さらに精神的に異常が認められる場合には、精神病院で入所することになるとのこと。

検察側は、無期懲役が妥当としながらも、証拠不十分として却下される場合の受け皿として、心理学者のお墨付きで保護観察付の半永久的の懲役刑も求めたらしい。

案の定、弁護側は、決定的な証拠がないとして、遺体を切断をした死体損壊罪以外は認めず懲役6か月を求めた。

しかし、証拠でなくとも、示唆する材料はたくさん揃っているので(例えば、事故だったらなぜ助けをよばなかったのか、死後7時間で切断したと主張するが、法定医の見解ではほぼ同時に切断したという矛盾、被疑者の説明がなぜか二転三転、なぜ遺体にナイフの傷がたくさんあったのか、しかも特定のところ)、殺人罪は認められるだろうが。。

いずれにしても、どちらかが罪状に不満として高等裁判所に控訴されるだろうとのことだが。。

明日は地方裁判所での判決日。どうなるだろうか。。