改めて、スピンについてのまとめ | ツイズルのセカンドハウス

改めて、スピンについてのまとめ

ルール変更について書くためには、まずスピンという技を理解すればより理解しやすいと考えましたので、「'10-'11年シーズンのルール・採点について考える(2)」の前に、改めてスピンについてまとめておきたいと思います。スピンの条件等については、分かる限り新採点ガイドラインに合わせてあります。
画像については、現時点で入手できているものについてまとめましたので、ないものもあります。見つかれば差し替えて行きます。

※長い文章になったので、整理まちがいや私自身の認識違いもあるかもしれません。間違いがございましたら、ご指摘頂けると助かります。


★ スピン(Sp)とは
一定の場所で回転する技。
全てのスピンは片足だけで回転しなければならない(両足を着氷しながら素早く回るクロスフットスピンを除く)。
スピンは軸がぶれず、難しいポジションであればあるほど評価が高くなる。
1つのポジションで3回転以上回らなければ要素とは認められない。


★ コンビネーションスピン(CoSp)とは
3つの基本姿勢のうち、異なる種類のスピンを2回以上続けて行うこと。中間姿勢での回転数は、スピン・コンビネーションの総回転数に数えられる。(中間姿勢に関しては、下記の「スピンの基本姿勢」を参照のこと。)


★ スピン(Sp)の基本姿勢
基本姿勢は下記の3種類に大別される。
これをそれぞれ様々に変形する事で様々なポジションのスピンが存在し、その変形の難しいものはスピンレベルの要素とカウントされる。

キャメルスピン (略記CSp)
上半身を水平にするとともに、フリー・レッグ(あげた脚)は後方に位置し、その膝がヒップより高い姿勢(「T」の字に似た形で行う)。上体を約180 度仰向けにする姿勢(アップサイド・ダウン姿勢)を含む。レイバック、ビールマンおよび類似のバリエーションはアップライト・スピンとしてみなす。
シットスピン (略記:SSp)
腰を落とし、座ったような姿勢で行うスピン。スケーティング・レッグの大腿部が少なくとも氷面に平行。
アップライトスピン (略記:USp)
キャメル姿勢を除き、スケーティング・レッグを伸ばして、あるいはほぼ伸ばして行う全ての姿勢。
中間姿勢
基本姿勢のどの定義も満たさない姿勢でのスピン。コンビネーションスピンの体勢としては認められるが、単独では採点対象にならない。


★ スピン(Sp)の付加要素
以下の動作を行うとスピンの種類自体が上述のスピン以外のものとして処理される。

レイバック
アップライトスピンの特殊な姿勢。上半身を後ろに大きくそらしたもの。この動作を行うとスピンそのものがレイバックスピン (略記:LSp)として採点され、基礎点も通常のアップライトスピンよりも高い。しかし、ISUではスピンの基本姿勢ではないと定義されている。
足替え[チェンジフット]
回転している途中に軸足を変える。この動作を行うとスピンは足替えスピンとみなされる。略記では各スピンの略記の直前にCの文字が付加される。
フライング
スピンに入る時、飛び上がるもの。この動作を行うとスピンはフライングスピンとみなされる。略記では各スピンの略記の先頭にFの文字が付加される。


★ スピン(Sp)の種類
上記の基本姿勢と付加要素の組み合わせで、下記のような種類に分類される。

1.アップライトスピン(USp)
アップライトスピン
全てのスピンの基本となるスピンで、上体と軸足が真っすぐ直立した姿勢のまま行うスピン。スタンドスピンとも呼ばれる。
スクラッチスピン
アップライトスピンの姿勢で回転軸となる足にフリーレッグを交差させ高速回転を行うスピン。反時計回りでスクラッチスピンを行う場合、左足を軸足とするが(時計回りは右足)、右足を軸足とする場合はバックスクラッチスピンと呼ぶ。
クロスフットスピン
アップライトスピンの姿勢で軸足にフリーレッグを交差させ、両足を着氷しながら素早く回るスピン。
サイドウェイズリーニングスピン
レイバックスピンの要領で、上体を横に反らした体勢で行うスピン。
ショットガンスピン
アップライトスピンの姿勢でフリーレッグを前方に水平以上にあげた状態で行うスピン。「ト」の字を逆さまにしたようなポジションで一時期男子選手の間で流行っていた。
I字スピン
アップライトスピンの姿勢でフリーレッグを前方から高く持ち上げ、体がアルファベットの「I」の字に見える状態で行うスピン。
Y字スピン
アップライトスピンの姿勢でフリーレッグを横から高く持ち上げ、体がアルファベットの「Y」の字に見える状態で行うスピン。
A字スピン
アップライトスピンの姿勢で両膝を伸ばして前屈し、両手で両足首を掴み「A」の字に見える状態で行うスピン。
レイバックスピン
アップライトスピンの姿勢で上体を後ろに反らしたまま行うスピン。フリーレッグを手で掴んだ場合は、キャッチフットレイバックスピンと呼ぶ。
ビールマンスピン
アップライトスピンの姿勢からフリーレッグを背中から頭上に伸ばし、手で伸ばしたフリーレッグを掴んだ姿勢で行うスピン。デニス・ビールマンにちなんで命名された。

足を出す方向や腕の使い方等によって、様々なバリエーションが存在するものもある。

$ツイズルのセカンドハウス-アップライトスピン集(小)


2.シットスピン(SSp)
シットスピン
軸足を曲げ腰を下ろしフリーレッグを前に伸ばした姿勢で行うスピン。跳び上がってからシットスピンを行った場合はフライングシットスピンと呼び、跳びあがった際に空中で水平姿勢になってからシットスピンを行った場合はバタフライシットスピンと呼ぶ。
キャノンボールスピン
シットスピンの姿勢から、フリーレッグを手でつかみ水平に突き出し、頭をフリーレッグの膝の上に乗せたスピン。
パンケーキスピン
シットスピンの姿勢から、フリーレッグを軸足の膝の上に乗せ、その上に上半身をかぶせたスピン。
ブロークン・レッグ・スピン
フリーレッグを横または後方に移動させて行うスピン。

※キャノンボールスピンとパンケーキスピンが逆という説もあるようです。
名称を考えると、逆の方があっている気もいたします。
この点については、もう少し調べてみたいと思います。
その点、ご了承下さい。


それぞれ、足を出す方向や腕の使い方等によって、様々なバリエーションが存在する。

$ツイズルのセカンドハウス-シットスピン集(小)


3.キャメルスピン(CSp)
キャメルスピン
上体とフリーレッグが水平一直線の姿勢のまま行うスピン。跳び上がってからキャメルスピンを行った場合はフライングキャメルスピンと呼び、跳びあがった際に空中で水平姿勢になってからキャメルスピンを行った場合はバタフライキャメルスピンと呼ぶ。
ドーナッツスピン
キャメルスピンの姿勢から体を反らし、手で伸ばしたフリーレッグを掴んだ姿勢で行うスピン。上空から見た際にはドーナッツ状になる。
ウィンドミルスピン
キャメルスピンの姿勢からフリーレッグと上体を斜めに傾けた風車のような姿勢で行うスピン。イリュージョンスピンとも呼ばれる。

$ツイズルのセカンドハウス-キャメルスピン集(小)



★ スピン(Sp)への付加要素の組み合わせ
スピンに付加要素が組み合わされると、その組み合わせで略記される。
  例)フライング・シットスピン(FSSp)
    フライング・キャメルスピン(FCSp)


★ 参考資料
本記事をまとめるにあたって、下記のサイト等を参考とさせて頂きました。
・Wikipedia「スピン(フィギュアスケート)」の項
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%B3_(%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88)
・フィギュアスケート資料室
 http://www.geocities.co.jp/Athlete-Athene/9074/
・フィギュアスケート用語 解説集
 http://www.geocities.jp/cxb00463/skate.html
・YouYube(フィギュアスケート関連動画)
 http://www.youtube.com/