改めて、スパイラルという要素についてのまとめ | ツイズルのセカンドハウス

改めて、スパイラルという要素についてのまとめ

フィギュア・スケートもオフ・シーズンに入りました。
フィギュア・スケートのシーズンは独特の区切りがあって、7月1日から来シーズンになります。
オフ・シーズンの間は選手達の動向もあまり聞こえて来なくなります。
ということで、オフ・シーズンに少しでも知識をつけておくと、来シーズンの演技を見るのに役立つと思うので、少しづつ勉強がてらまとめてみようと思います。
ただし、基礎点やレベルについては来季に向けて変更される可能性がありますので、その点をご了承下さい。あくまで、現時点のものです。

※文章が長くなったので、どこかに書き間違いなどがあるかもしれません。もし、間違いがあった場合はご指摘下さい。


心スパイラルとは心
フリーレッグ(あげた方の脚)を腰より高い位置にキープして滑る技。スパイラルを続けて行うことをスパイラルシークエンスといいます。プロトコルでは「SpSq」と表示されます。スパイラルは、インサイドエッジやアウトサイドエッジなど エッジ使い方、フリーレッグのポジションにより細かく区別されます。


心スパイラルの種類心
スパイラルは、ジャンプとは違い明確な名前はないそうで、いろいろ資料を見てみると、若干、分類の仕方や名称が違ったりしています。以下に、競技会などで見られるスパイラルの種類をまとめてみます。名称は、あくまでも通称です。
種類だけでも見分けられれば、楽しみができます。

おんぷアラベスク
最も基本的なスパイラルのひとつで、フリーレッグを後方に上げ上体を前に倒してバレエのアラベスクのような姿勢で行うスパイラル。
ツイズルのセカンドハウス-安藤美姫アラベスク

ちなみに、バレエのアラベスクとはこういうのです。
ツイズルのセカンドハウス-バレエアラベスク

おんぷケリガンスパイラル
アラベスクの姿勢から手でフリーレッグの膝近辺を掴んだ状態で行う変形姿勢で、この変形アラベスクスパイラルをナンシー・ケリガンが得意としていたことからケリガンスパイラルとも呼びます。
ツイズルのセカンドハウス-浅田真央ケリガン

おんぷキャッチフットスパイラル
フリーレッグを片手または両手で掴んだポジションで行うもの。
$ツイズルのセカンドハウス-ロシェットワンハンドビールマン

おんぷビールマンスパイラル
キャッチフットスパイラルのひとつ。フリーレッグを背中から頭上に伸ばし、伸ばしたフリーレッグを手で掴んだビールマンポジションで行うもの。
$ツイズルのセカンドハウス-コーエンビールマンスパイラル

おんぷワンハンドビールマンスパイラル
キャッチフットスパイラルのひとつ。フリーレッグを背中から頭上に伸ばし、伸ばしたフリーレッグを足と同じ側の手で掴んだビールマンポジションで行うもの。
$ツイズルのセカンドハウス-ko-ennワンハンドビールマンスパイラル

おんぷクロスグラブスパイラル
キャッチフットスパイラルのひとつ。フリーレッグと反対側の手でフリーレッグを掴むスパイラル。(例:右足を左手で掴む)
ツイズルのセカンドハウス-安藤美姫クロスグラブ

おんぷクロスグラブビールマンスパイラル
キャッチフットスパイラルのひとつ。クロスグラブスパイラルをビールマンのポジションで行うもの。
ツイズルのセカンドハウス-マカロワワンハンドビールマン

おんぷシャーロットスパイラル
上体を支持足まで折り曲げて、フリーレッグをあげるもの。
$ツイズルのセカンドハウス-コーエンシャーロットスパイラル

おんぷY字スパイラル
フリーレッグを横に高く持ち上げ、体がアルファベットの「Y」の字になる形のスパイラル。
ツイズルのセカンドハウス-コルピY字

おんぷファンスパイラル
軸足はバックサイドエッジのままフリーレッグを腰の高さより上に上げて行うスパイラル。
ツイズルのセカンドハウス-浅田真央ファン

おんぷファンスパイラル(支持)?
よく見るスパイラルなのですが、探してみましたが、明確な名称が分かりません。支持付きのファンスパイラルと思っていいのでしょうか?
$ツイズルのセカンドハウス-ヨナ支持ファン

この他にも種類があるようですが、競技会で見るのはほとんどが上記のスパイラルです。

どのスパイラルがどの程度難しいか、ということですが、ジャンプのように、難易度の順番も決まっていませんし、それぞれに点数がついているわけでもありません。ですが、どれが難易度が高いのかは、よく見ればある程度分かります。例えば、同じキャッチフットでも、手と足をクロスさせる方がさせないより難しいのは明らかです。また、同じキャッチフットでも、ビールマンの姿勢を取る方が難しいのも明らかです。ファンスパイラルやY字スパイラルも、足を手で支持する方が楽であることも分かります。
考えても分からない場合は、自分でポジションを取ってみられると分かります。私は身体が固いのですが、キム・ヨナの取っているポジションはどれも取ることができます。反対に、浅田選手のポジションはどれもまともに取ることができないか、できても非常に辛く、浅田選手のスパイラルと同じものには見えません。


心スパイラルシークエンスの評価基準心
1) 流れがよく、エネルギーが十分で焦点の定まった演技
2) シーエンス中のスピードが十分
3) 身体のラインが良く(四肢が)完全に伸びている
4) スパイラル姿勢間の無駄な動きが最小限
5) 柔軟性が十分
6) 独創的でオリジナリティがある
7) スパイラル姿勢や変形姿勢に素早く楽々と達している
8) 音楽構造に要素が合っている

レベル2 : 8個中2個を満たした場合
レベル3 : 8個中3個を満たした場合
レベル4 : 8個中4個を満たした場合


心スパイラルシークエンスの評価基準心
レベル3~4 には、左右の足、フォア&バック、イン&アウトのスパイラルが必須
1) 1つの難しい姿勢バリエーション
2) 2つ目の難しい姿勢バリエーション
   1つ目とは異なる足で行ない、1つ目のバリエーションとは著しく異なること
3) スパイラル中にエッジを変更
4) スパイラルを維持しながら支持なしにフリー・レッグ位置を変更、あるいは支持なしに滑走方向を変更(変更の前後とも3秒間保持すること)
5) フリーレッグが完全なスプリット姿勢
   片腕または両腕で支持してもよい
6) 姿勢/バリエーションの変更をせずにスパイラル姿勢を6秒間以上(他の姿勢をはさむことなく)保持する

その他に、下記のような説明もついています。(こちらは訳が見つけられなかったので間違えて訳すといけないので、そのまま載せます。)

A Spiral is a position with one blade on the ice and the free leg (including knee and foot) higher than the hip level. Spiral positions are classified according to the skating leg (right, left), edge (outside, inside), direction (forward, backward) and position of the free leg (backward, forward, sideways). Pattern of the Spiral Sequence - any combination of curves. Only the first 3 attempted positions are to be considered for Level features. Change of foot and unsupported spiral position must also be among the first 3 positions in order to be counted. If all these positions are executed with assistance of the hand/arm, Level can not be more than 1 (but GOE is not restricted). Minimum of 3 seconds in each position. In the Short Program no Level will be awarded if there is no change of foot (which requires a spiral of 3 sec. hold before and after the change).
Difficult Variations affect the core body position and balance. Only these variations can increase the Level.
Second difficult variation is counted as a Level feature only when it is on a different foot and significantly different in its main structure from the first variation. Examples of such different variations: Biellmann position, position with the free leg lifted forward, diving with upper body position, ring position of the free leg, position with twisting of the upper body etc.
Change of position in Spirals: A change of edge and of free leg position or direction of skating can not be done at the same time in order to be counted as Level features. During the change of edge there should be no movement, however in the required 3 sec. in a spiral position before and after the change variations of this position are allowed.
Change of edge in Spirals requires minimum 3 seconds hold before and after the change with the distance used for the change not longer than 1 meter.


心スパイラルの基礎点心
レベル1 : 1.8
レベル2 : 2.3
レベル3 : 3.1
レベル4 : 3.4

レベルで基礎点を分け、それにGOE(加点)が付くことで最終得点が決まります。



スパイラルシークエンスは最もレベル4が取りやすいと言われています。逆に、最も取りにくいのはステップです。
スパイラルの評価基準は8項目ありますが、どれもかなり抽象的です。「流れがよく、エネルギーが十分で焦点の定まった演技」とはどんな演技なのでしょうか? 「シーエンス中のスピードが十分」とはどのくらいのスピードを言うのでしょうか? スピードを計測しているわけでもないので、結果的には主観的判断になってしまいます。その他の項目も同じです。
また、スパイラルシークエンスの基準に、「1つの難しい姿勢バリエーション」「2つ目の難しい姿勢バリエーション」とあります。例として、「ビールマン」や「position with the free leg lifted forward(ファンスパイラル等)」と書かれてはありますが、最後に「etc(等)」と書いてあるので、どれが難しい姿勢バリエーションなのか厳密には分からないというのが現状ではないかと思います。