光彩のある場面
テーマ:未開の森林からついこの間、友達の二人と一緒に近所の「アート・パーティー」に行った。
そこは3、4店ほどのヒッピー達が経営するお店が並ぶ土地の一部で、木製の大きな敷居をくぐると鬱蒼と茂る木々に囲まれた居心地の良い雰囲気の中、焚き火の周りに年長の方々が座っていた。いかにも芸術家達が自ら建てたようなこじんまりとしたスタジオが数軒あり、映写機で不可解な写真を写していたり、所々にマネキンを使った彫刻が立っていたりと、ハロウィーンらしく不気味で可愛い(?)感じだった。
冷たいビールを失敬して歩き回りながらそこら中にある絵画やモザイク(多色のタイルの破片を組み合わせて絵を作る技法)などを鑑賞していると、女性の方がチェロを弾き始めた。その虫が鳴いているような音色に聞き入っていると、その横で仮面を被った男性がよくキリスト教会で見られるパイプオルガンに向かい、調子の狂ったサーカスみたいな音楽を奏でた。
そのカーニヴァルの音楽は背景に流れ、辺りはおどけた妖精や道化師の祭りと化した。僕は集まった人々の間を歩いて、焚き火の近くで踊るローマ教皇(の衣装を着た人)を眺めて笑ったり、喫茶店や本屋で何回か見かけたことがある女の子と話したりした。
建築中の住み屋の中で、数年前一緒に住んでいたキューバ人の老人画家フランシスコの絵を見かけたので驚いた。満月に魅せられた人々が踊り回っている光景だった。その衣装に月光が反射したり、背後にきらきらと星が輝くところなど、美感覚が鋭い表現が達者だった。
その夜、考えさせられたのは「どうやってこの人達は生計を立てているのか」ということだ。年長者の一人は毎日一枚の絵を描き、それらを知人の画廊を通して売っているそうだ。また、芸術家達の共同生活はそれほど経費がかからないので、食費と少々の家賃、それと創作に必要な材料費さえあれば大丈夫なのだろう。
お互いを支え合う、ってのがミソだな。
僕は田舎に移って創作活動に集中する予定だが、その友人の土地にスタジオを建ててもいい、と許しが出たので、簡単な小屋を建てるつもりだ。畑を耕したり、菜園を養ったりしたい。もちろん何らかの収入を得る必要があるし、近くの町でパートの仕事を見つけるだろう。そして絵画を売りに画廊を訪ねたり、本を書いていずれか出版したり、作曲してアルバムを録音したりと、したいことは沢山ある。
自分で生きたい人生を創り上げて、夢を実現する、その確かな感触を求めているんだ。
旅にも出たいなあ。
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