さて。お仕事も終わってKLからの帰り道。
せっかくの春休みゆえJalan2をしようとも思ったのですが、
本日もまだCMCO。検問(←罰金)が怖いので無茶はできませぬ。
ジョホール州内なら移動は自由なので、ムアーとバトパハの街を
じっくりと歩いてみることにしました。
まずムアー。前回はMCO直前だったので、1年ぶりとなります。
今回は街の中心にある「Tourism Hub」だというホテルに宿泊。
ちょうどホテルが建てられている場所は、ポルトガルが築いた
三角形の砦があった場所なんだそうです。
1604年に築かれた砦の名前は Fortaleza De Muar。
オランダとアチェからの攻撃に備えるためだったそうです。
これまで歴史=マラッカにばかり目を向けてきたのですが、
ムアーについて調べてみるのもおもしろいかもしれませぬ。
ホテルの壁にも砦の説明書きがありました。
ロビーには歴史についての展示や本(=NGOの備品か?)が
たくさんあり、タイトルを眺めるだけでも楽しくなってしまう。
部屋から川は見えなかったのですが、壁画がちょっと見えたので
そちらへ向かって歩いてみることにしました。
駐車場建設中に見つかったらしいラテライト。
大通りのJalan Bakriに沿って行くと、シェルの向こうにお獅子が見えました。でも今日はJalan Meriamに沿って歩いてみるので、また明日にでも近寄ってみます。
Jalan Meriamには、戦前に日本人の医院や歯科医がいました。
でも。番地は不明ゆえ、そぞろ歩きをしてみるだけです。
そうだった。コーヒーなら434の才記にばかり行っていますが、
こちらもムオが発祥の地でしたね。
ちょっと趣のある建物が向かい合っている四つ角。軒下に通り道(FIVE FOOT WAYもしくはKAKI LIMA)がある建物は「騎楼」と呼ばれるそうですが、コーナーでは自己主張してますね。なお、インドネシアではKAKI LIMAはまた違うものを指しまする。
左のコピティアムを拡大。看板の下にピンクの獅子がいます。
右側の奥に続いている建物も、よく見ると可愛いかもしれない。
上部には獅子もいる。ふむふむ。落成は1928(戊辰)年か。
そうそう。医者と言ったら華佗である。
次なる四つ角にあったお店は、有名な海南コピティアム。
コーナーにある建物には、必ず凝った装飾がされていますね。
好き勝手に建物を作ったのではなく、計画的に道路や建物を
作っていったことの名残なんだろうか。
ショップハウスの間に、いきなり現れたのが旧REX。
ショウ・ブラザース系列のマレー映画の上映館です。
1945年9月の植民地政府作成のムオの地図でも確認できました。
そして。昭和11年に日本人会があったのはこの辺りです。
バルコニーのある可愛い建物じゃなくて、Panasonicの看板がある建物。向かって左側のピンクの建物と同じ意匠と思われます。
そのままJalan Meriamを歩いていくと、Soup Houseがあったので一つ川寄りのJalan Abdullahへと移動しました。
Jalan Abdullahの建物は黄色に塗られています。
華人の金舗や銀行が多く、ムオのダウニング街だったのかな。
西へ向かって進んで行けばサテー通り。
前回ここを通ったのは朝だったので、煙がもうもうでしたが、
夕方はこんなに静かなのでした。
テレコムだった建物(それ以前は不明)の前を通り過ぎて、
トラフィック・ポリスの裏手に出て、すぐ右の小径へ入ると
BIRMINGHAM製と刻んである、鉄板がお出迎え。
これはWeighbridgeと呼ばれる計量台の名残だそうです。
交通警察署の建物は昔は郵便局だったそうで、
直接ムアー川から荷揚げされた貨物が入ってきたんだそうです。
で、その重量を計量するための設備がこれなんだそうです。
窓の下の部分を除いてみると、今でも暗渠になっていました。
右にあるのが計量器ですね。錆びちゃっているけど。
もちろん植民地時代に据え付けられたものです。
以下、ご参考まで。
その後はそのまま進んで川沿いのJalan Maharaniへ。
ムオの別名はBandar Maharaniといい、Sultan Abu Bakarのお妃に因んで名づけられたそうです。
ということで、この通りはメインストリートだったのだろうと思いきや、川に面していることゆえか、海産物店などが多かったようです。なお。コピの才記もこの通りにあります。
川を挟んだ反対側は、別の行政地区になるTangkak。
2002年に落成したMasjid Sultan Ismailは、戦前に建立された美しいSultan Ibrahim Jamek Mosqueのレプリカか?と思ってしまいますが、借景とでも言うべく、ムオ側から見れば、本当に美しい景色です。
そして。この通りは川に面しているからか、建物は水色に塗られています。HSBC隣のこの建物、きれいにデンティル(軒下の飾り)があって、洋風建築なんですけど、柱頭でお獅子が自己主張していますね。
こんな建物を見ると、なんで窓を埋めたんだ!と吠えたくなる。
左は有名な海南コピティアムで、お菓子も美味しそうでした。
港主(カンチュー)が仕切り、胡椒やガンビルのプランテーションで働く苦力が入植したのが、ムアーの発展の始まりだそうなので、華人は多いのですが、街の印象はコタバルみたい。
そして。この通りはムスリムのお店が多かったです。
アラブ系や対岸のスマトラから来た人たちも多いのかな。
この印刷屋さんの建物もとても素敵。
そして。この極彩色の建物の前でしばし立ち尽くしたのでした。
首が痛くなっちゃうくらい(笑)上を見上げたのでした。
こちらは、オリーブを運ぶ鳩ではなく花籠ですね。
そして柱の上に見える赤いのは麒麟、緑はお獅子。
これまでショップハウスの意匠に注意を払ったことって、
あまりないのですが、お獅子の出現には楽しまされました。
ムオで一番大きなチキンチョップを出すレストランらしい。
でも行ってみたいお店は別にあるので、また次回。
最後に少々うんちくを。ジョホール州には10の行政区があり、
それぞれに旗がありますが、ムオの旗はこれです。