男性が気づかない、ニットの「ねじれ」
パーソナルスタイリストとしてのエレカジ森井のメインのサービスは、お客さまとの買い物同行。具体的には、30-40代の男性のお客さまと一緒にセレクトショップやファッションビルの店舗を回り、試着を繰り返しながら2時間前後でその方にピッタリくる服装を作り上げる、というものです。
そんな試着の中で、ニットを着ていただくことも多いのですが、試着室を出てくるお客さまにありがちなのがこの状態。
ニットの袖が、着ている人から見て内側にねじられて、ネジのようなシワになっているのがおわかりでしょうか?
この袖を森井がチョイチョイと逆向きに直していくと、けっこうな割合で「えっ?」という顔をされます。ほとんどのお客さんは、エレカジの買い物同行を受けるまで、「ニットの袖のねじれを直す」ということをしたことがないんです。
わざわざパーソナルスタイリングを依頼されるくらいの方ですから、それなりに身だしなみを気にしているはずなのに、こういうところが盲点なんですね。でも、このちょっとした気遣いこそが、「着こなし力」なんです。
写真を見ればわかっていただけると思いますが、どちらが「ニットを着こなしている」雰囲気でしょうか?
ニットの袖のねじれはなぜ起こるか
ふつう、ワイシャツを着た上にニットを着る、という場合、こんな感じの流れになります。
まず、ニットに腕を通して・・・
袖口から手を出します。
で、こうやって頭を入れて・・・と、ここ。
手のひらが上を向いてるのわかりますか? この腕を通している瞬間、手首は外向きに広げられている状態です。
頭を通して、裾を下におろしていきます。それまで目一杯外向きに開いていた手首が、内側にねじられて、シワができます。
さらに腕をおろしていくと、手首はさらに内側に入って、ネジ巻きじわがついてしまいます。
ニットの袖がキュッと締まっている手首部分が動くことで、腕全体にシワができるメカニズムがおわかりいただけますでしょうか。
ほんの10秒で着こなし力アップ
服と腕の構造上、この動きはどうしようもなく起こることなので、「ニットに袖を通したらネジ巻きを戻す」を習慣づけてください。これだけであなたの着こなし力がちょっとずつ上がります。
(先日公開した記事が好評だったので、あらためて詳しく書き直してみました)