最近こんなクラウドファンディングが注目(炎上?)されています。

studygift ~学費支援プラットフォーム~ http://studygift.net/



賛否両論、いろんな人がいろんなことを言っています。

「ただ困っている子を助けたかった」ー #Studygift は何が問題だったのか | Startup Dating [スタートアップ・デイティング]

坂口綾優と『studygift』と炎上マーケティング 

muo-notes: #studygift - 注目されれば何してもいいんだっけ?って話 


賛成派の人は目的が正しいのだから生温かく見守ろう、で、反対派の人は目的が正しければ何をやってもいいのか、というわけなので、噛みあうわけがない。

あの佐々木俊尚さんも参戦(笑)

studygiftに関わる佐々木俊尚さんのツイートまとめ~多様なあり方があることを認識し、支援したい人が支援すればいい。同意できないのなら無視すれば良い~ - Togette

う~ん、僕は当人同士が納得しているのだから外野がウダウダ言うな、という意見には賛成できないなあ・・・それなら援助交際も外野がウダウダ言うな、ってことにならない?

あまりの批判の多さに仕掛け人の家入さんも逆切れ。

StudyGiftについて、あーのこーの...


で、僕は目的が正しければ何をやってもいいわけないじゃん派です。

逆に「遊ぶ金が欲しいからカンパして」のほうが目的と合っているし、まだ納得できる。

いろいろ問題あるなあ、と思っていて、

1.奨学金をクビになった人を学費支援するという意味不明さ。
普通に勉強していれば無問題だったのに、自分がサボったことを赤の他人に尻拭いしてもらう、というのはムシが良すぎる。上に貼ったトップページのキャプチャは冗談なのでしょうか。これに続く人がいたとして、その人々もグレーゾーンに見えてしまう。

2.結局は人気投票にしかならない。
もしこれが成功して第二第三の人が出てきても、いまの構造ではやりたい学業について判断できる部分が何もないので、学費支援の名を借りた人気投票でしかなくなる。最終的にはカワイコちゃん比べになるような気がしてならないのですが。特別スポンサー枠で彼女自身が広告塔になるなど、有名なほど支援が集まりやすい構造になっているのも本来の趣旨から外れているような気がしてなりません。

3.余剰の支援が集まったら?
すでに目標額に達しているようですが、それ以上に集まった支援金はどうなるのでしょうか。基金としてプールしておくわけでもないようです。支援金はあくまで彼女に紐付いている。やっぱり人気投票とどう違うのか、ということになる。

4.トレーサビリティの欠如。
いまのところ、支援がどういう風に学業の向上に使われたかを検証するしくみが見えない。奨学金はそこを厳密にトレースしたから彼女をクビにしたわけで、こんなユルイしくみだと、「お金が足りなくなったからまたカンパして!」という流れになるのがオチ。
サポーター集会が年2回あるようですが、これも握手会に早変わりするのが目に見えるようです。 

5.学生を晒し者にすることに対する大人の配慮の欠如。
これがいちばん大きな問題でしょうか。家入さんは、「批判をする人はここまで自分を晒せるのか!」と息巻いていますが、そもそも晒し者にしちゃいかん、と思う。彼女のことはGoogle+で僕も知っていたのですが、奨学金を切られるほどのアンポンタンだったことまでは知らなかった。将来ある若者が、人に知られてはいけないことまで広く告知する必然性が希薄。そして全体的に人に支援を請う態度として失礼。まず礼儀を教えるのが大人の役目。


結局のところ、100万ぐらいのお金のために、彼女の可能性を著しく狭めている結果にしかならないと思うのですよ。

例えば自分の友だちに、ちょっとネットで有名になったぐらいで浮かれて勉強サボって奨学金をクビになって、ネットでカンパを呼びかけてやっとこさ学校に来ている人がいたら、どう付き合いますか?僕は阿呆らしくてまともに友達付き合いする気にはなれない。そんなの平気だよ、という人ももちろんいるかも知れないけれど、交友関係の範囲を減らしているよなあ、と思う。

またGoogle+を就活に利用、ということらしかったですが、これを見てちょっと・・・と思う企業は多いと思う。自分の行いを自分で尻拭いできない人を雇えるほどいまの会社は悠長ではない。こちらも、広告塔としての人材が欲しい、という会社もあるかもしれませんが、どこかの時点で彼女はいらない、とポイ捨てする会社である可能性も高いです。

とにかく、お金がなくて学校に行けない人のために奨学金というしくみがすでにある。勉強のためだとすれば現状なぜそれ以外のしくみが必要なのかの理由がまったく説明されていません。全体的にほとんど何も説明していないと言っても過言ではない。これで支援が出来る人の気が知れない。

家入さんは本気で彼女を助けたいと思った、と言っています。それなら自分のポケットマネーでこっそり援助すれば良かっただけです。あるいは自分の会社で雇うとか。本気でこのしくみを実現したいなら、もっと本気で考え直したほうがいい。若者を恥さらしにするリスクを過小評価しすぎ、配慮が足りなさ過ぎだと思う。記事タイトルにも書きましたが、このしくみと詐欺とを区別する方法は、残念ながら我々にとってほとんどありません。