南阿蘇鉄道のトロッコ列車で行く秘湯~熊本県南阿蘇村・垂玉温泉「山口旅館」(16200円) | 駅弁ブログ ライター望月の駅弁いい気分

南阿蘇鉄道のトロッコ列車で行く秘湯~熊本県南阿蘇村・垂玉温泉「山口旅館」(16200円)


豊肥本線の立野から、高森駅まで伸びる「南阿蘇鉄道」。

旧国鉄高森線を引き継いだ、第3セクター鉄道の

看板列車は、週末や夏休みを中心に走る

トロッコ列車の「ゆうすげ」号です。




基本的に全車指定ですが、乗車当日でも、

空席があれば、がま口開けた車掌さんに頼めば、

乗車券を発券してくれます。



立野を出ると早速のハイライト!

白川の鉄橋に差し掛かります。

この絶景区間では、かな~りのんびり走行。



そして、車掌さんによる解説付き。

やっぱりトロッコ列車には、名物車掌さんが

よく似合います。



ちなみにこの車掌さん、トンネルに入ると、

列車が刻むレールのジョイント音に合わせて、

照明をつけたり消したり、なかなかファンキーな感じ。



そして、見習い車掌さんによる車内販売も。

駅弁があればなおのことよしですが、

さすがにそこまでの余裕はない様子。

南阿蘇鉄道にある日本一長い駅名の駅

(通称・白水高原)の硬券入場券などを販売してくれます。



こんなトロッコ列車「ゆうすげ」号に揺られて訪ねたいのは、

阿蘇下田駅から予約制のタクシーで行く

垂玉(たるたま)温泉の「山口旅館」。

秘湯を守る会の会員宿でもあるので、

スタンプを集めている人には有名ですよね。



正面玄関前には、源泉からのお湯を配湯する

場所があるとみられ、早々に湯の香が・・・。

訪れた人の温泉気分を高めてくれます。



この日は、山口旅館では平均的とみられる

7.5畳、広縁、トイレ付の部屋に通していただきました。

もちろん、トイレはウォシュレット付。

もはや、この辺りは、標準的な装備ですよね。

ただ、残念ながら、まだwi-fiなどは飛んでいない様子。

ま、そのほうが、秘湯っぽいですけどね。



さあ、まずは、内湯の「天の湯」へ。

この日は、15時のチェックイン直後に行ったので、

案の定、一番風呂をゲット!

お湯好きには、たまらない瞬間ですよね。

毎分178リットルが湧出の、51.5℃、ph6.78、

成分総計787.1mg/kgの単純温泉が

かけ流しとなっています。

溶けている成分がそれほど多くないので

「単純温泉」となっていますが、分析表を見る限り、

陽イオンは、カルシウム・マグネシウム・ナトリウム、

陰イオンは、硫酸塩・炭酸水素塩が多めの湯。

近くにある地獄温泉清風荘の硫黄の湯とは違う、

全くもって「単純じゃない」単純温泉です。




こちらは、露天風呂の「かじかの湯」。

この日は雨降りでしたので、サラッと入るだけ。

実は「かじかの湯」、内湯と少し泉質が違います。

毎分68リットル自然湧出、57.1℃、ph6.81の、

単純温泉ですが、微妙に入浴感が違います。



夕飯は18時~18時半ごろから食事処で。

なお、宿泊したのが、7月の終わりですので、

食材は夏のものであることをご容赦ください。




熊本に来たら、やっぱりトロける馬刺し!

これを食べずには始まりませんよね。



そして、熊本の肉は、牛も侮れません。

「肥後牛ステーキ」は、焼ける瞬間がドキドキ!







【お品書き】

前菜 冷し鶏ゼリー寄せ彩り野菜

吸物 じゅんさい、すだち、枝豆、水前寺のり

お造り 上馬刺し

焼き物 山女魚の塩焼き

煮物 夏野菜の炊き合わせ

台物 肥後牛のステーキ

冷し鉢 トマト豆腐、野菜あんかけ、フレッシュトマトのせ

替り鉢 肥後紫(茄子)と鴨肉のはさみ揚げ、旨味出汁

椀物 赤出汁

御飯 ゆかり御飯

香の物

デザート シャーベット



さて、かじかの湯は、朝と晩で男女入れ替え。

朝から、かやぶきの半露天へ向かいます。






内湯も露天の樽もなかなか渋い感じ。

半露天は、ゆるゆる出来ていいですね。

ここは日帰り入浴でも入れるそうなので、

コチラの風呂に当たれば、ラッキーかも。




朝食も、朝8時から食事処でいただきます。

ご飯がおいしいので、問題なしですね。


さあ、垂玉温泉山口温泉の〆は、

宿泊客のみが入れる「滝の湯」!

混浴の露天風呂ですが、空いている日であれば、

まず他の人とかぶることは無さそう・・・。




滝つぼに源泉があるという「滝の湯」は、

毎分50リットル自然湧出、43.0℃、ph6.23、

成分総計736.5mgの単純温泉。

でも、お湯にもやや白い濁りがあり、

入浴後はなかなか汗が止まりません。

赤茶けた析出物が湯端にみられることからも、

コチラも単純じゃない「単純温泉」ですよね。




滝を眺めながらの湯浴みもいいもの。

ちなみに夜は、23時まで入浴可能で、

ライトアップもされて、幻想的な気分を味わえます。




トロッコ列車で行く、南阿蘇の名湯。

「のんびりした~い!」という気持ちさえあれば、

十二分にその願望を叶えてくれそうです。