駄犬は犬鍋に -3ページ目

できたらいいなシリーズ

~もしも『スーパーロボット大戦』の世界にあの人がいたら その2~

「くそっ、敵が強すぎる!」
「このままじゃ持たないよ、太一!」
「ふっ、こういう時はあれだな、みんな」
「……仕方がないか。よし友貴、桜庭、合体だ!」
「「おうっ!」」

ちゅいーんがしょがしょがっしょん、じゃきーん!

「チェンジ! 電波ロボ、グンジョウガー!」

『説明しよう、電波ロボ グンジョウガーは世界のあれやそれで放送禁止な電波を拾い集めて動力にする、夢の永久機関ロボなのだ!』

「なんだか乗ってると体に悪そうだなぁ……大丈夫なのか、太一?」
「……ピーーーッ ニイハオサイツェンチンジャオロースホイコーロー……」
「うわ、何か電波が混線してるし……桜庭、そっちはどうだ?」
「……勃った」
「は?」
「勃った、クララが勃ったんだ。これで俺も、晴れて太一と……」
「こっちはこっちで妙な電磁波治療を受けちゃってるし。まともなのは僕だけか」
(仕方なくロボットを操縦し、敵に向かい合う友貴)
「こいつ、何か武器はないのか?」
(適当にボタンを押してみる)
「はーい、呼ばれて飛び出て、とっぴんぱらりのぷうー♪」
「ね、姉さん……」
(何故かグンジョウガーの右手首が外れ、そこから顔を覗かせるミス眼鏡、宮澄見里)
「何で姉さんが出て来るんだよ?」
「そう言われても……これはねた話なのですから……」
「物語の根底を覆すようなこと言うなよ……それで、姉さんは何ができるんだ?」
「できると言っても……お酒を飲むことくらいしか」
(どこからともなく一升瓶を取り出し、ごきゅごきゅと飲み始める見里)
「それがなんの役に立つんだ?」
「くだが巻けます。聞いてよ友貴、ぺけくんったら最近わたしに冷たくて。そもそも先日の日曜日だって……」
(以下延々と続く)
「……お尻は駄目って言ったのに、ぺけくんったら……ちょっと友貴、聞いてるの?」
「勘弁してくれぇ」
(友貴はぽちっとボタンを押す。退場する見里)

「精神破壊兵器だったなんて……えっと、こっちのボタンで何とか」
(ボタンを押すと、左手首が外れて顔を出すハー○イオニー)
「はれ、ここはどこでしょ?」
「今度は山辺かよ……」
「島先輩、美希りんに何かご不満でも?」
「とりあえず、あの敵を何とかしてくれ」
「はやー、それは無理っす」
「だったら何で出てきたんだよ?」
「せんじょーにびしょーじょはつきものですから。そして主役のたいちせんぱいとらぶらぶにゃんにゃん……」
「ちょっと、ずるいよ美希!」
(美希を押しのけるように現れる佐倉霧)
「うにゃー! 狭いよー!」
「太一先輩は私のなの! 美希はお邪魔虫!」
「お邪魔虫は霧のほうー!」
「「うにゃーっ!」」
「あー、二人とも? とりあえずは目の前の敵を何とかしたいんだけど、何かできないのか?」
「「ボウガンが撃てます!!」」
「……それでロボット相手にどうしろって言うんだよ……」
「あ、私愛奴隷になれます! 太一先輩にも大好評です!」
「ミキミキだってすでにちょーきょーかんりょーだもん」
「愛の奴隷は私だけっ!」
「覚醒しちゃうよミラクルミキポンにぃー!」
「「ふにゃにゃーーーっ!」」
(友貴は無言でボタンを押す。引っ込む二人)

「そもそも高校生がロボットに乗って戦うっていうのが間違ってるんだよ。そんなくっだらないの、今時トミノでもやらないのにさ」
(友貴は全国の大きいお友達を敵に回した)
「とにかく、次のボタン!」
(ぽちっとな)
「……何用?」
(開いた胸のハッチから桐原冬子が顔を出した)
「今度は桐原かぁ……駄目かも分からんね、このロボット」
「島、あなたキャラが変わってるわよ?」
「変わりもするさ、片っ端からハズレじゃないか!」
「それはどうかしら? 私の今虎鉄にかかれば、あんな敵なんて一刀両断よ?」
(襲い掛かってくる敵。それに対して、いつの間にか召喚されたハラキリ丸で斬りつける冬子)
「……あ」
(当然のごとく、刀はへし折れるわけで)
「わ、私の魂ガーーーーッ!!!」
(真っ白に燃え尽きて、冬子退場)

「結局、何一つ役に立たないロボットだなぁ。まるで太一みたいだ」
「何だとぅ!」
「あ、やっと太一も起きたし」
「ぴぴっときたんだよ、俺のにぅたいぷ的な勘に! 何か危険が迫っている!」
(その時、ジェットの音も轟々と、グンジョウガーの傍に降り立つ新たなロボット)
「……真のヒロイン、登場……」
「げ、曜子ちゃん!?」
(曜子ちゃんは彼女お手製新型ロボットを操ると、べきべき容赦なく敵を破壊していく)
「任務完了。……ところで、任務には成功報酬が必要だと思う」
「……へ?」
(曜子ちゃんのロボットは、グンジョウガーをぼこぼこめためたに破壊して、コックピットからむんずと太一をつまみ出す)
「さぁ太一、私とめくるめく超電磁合体をしましょう……」
「いやーっ! 48手変形合体はいやーっ!」
(飛び去っていく曜子ちゃんロボ。それを見送るボコボコの友貴と立たせたまま気絶している桜庭)
「……ところで、オチって無いの?」
(※ありません)

できたらいいなシリーズ

~もしも『スーパーロボット大戦』の世界にあの人がいたら~

「浩之ちゃん浩之ちゃーん! 浩之ちゃんの機体って、二人乗りなんでしょ? 後ろに誰を乗せるのか、もう決めたの?」
「そうだな……先輩とか、乗せたいよなぁ……」
(むぎゅーっとあかりが浩之の頬をつねる)
「もうっ! そんなんじゃなくて、実用性で決めなくちゃ! 浩之ちゃんの精神コマンドと、相性を考えなくちゃダメなんだよ?」
「俺の精神コマンドか……」
『藤田浩之』 根性 熱血 努力 不屈 集中 魂
「……これと相性がいい組み合わせのパートナー、難しいな……」
「えへへ、ちなみにわたしのはこんなだよ?」
『神岸あかり』 信頼 激励 応援 脱力 祝福 愛
「なんだかもろに支援系って感じだな……」
「後ろに乗せたくなっちゃうでしょ?」
「けれど、もうちょっと面白みが欲しいところだな」
「もう、浩之ちゃん我侭だよぅ……」
(とてとてと小柄な影がやってくる)
「あ、浩之さんですー! さぶパイロットは決まりましたか?」
「おぉマルチ。その『さぶ』ってのはやめてくれ。なんだかけつの穴が狙われそうだ」
「はい?」
「まぁ、それはそれとしてだ。マルチの精神コマンドは、どんなだ?」
「はいっ!ごしょーかいしますぅ!」
『HMX-12 マルチ』 不屈 ド根性 期待 幸運 応援 補給
「……です!」
「ふむ、不屈のメイドロボって感じだな。能力的にもなかなかだ」
「お褒めにあずかりこーえーですー!」
「……浩之ちゃん、マルチちゃんを選んじゃうんだ……」
「……おいあかり、今背中に包丁を隠さなかったか?」
「気のせいだよ♪」
「ま、まぁ、まだ決めたわけじゃないし……」
(しゅたっと天井から飛び降りてくる影)
「そうです。私を忘れてもらっては困ります」
「セリオさん?」
「はい。来栖川の最新機種、HMX-13セリオです」
「はわわ、セリオさんが来ちゃったですー!でも浩之さんのパートナーの座は渡さないですー!」
「お馬鹿なことを言ってもらっては困ります、マルチさん。浩之さんの親密にして熱烈なパートナーは、私以外にはありえません。いくら年上だからと言って、これは譲れません」
「まぁまぁ、それは能力を見てから決めるよ。で、セリオの精神コマンドは、どうなんだ?」
「はい、こちらをご覧ください」
『HMX-13 セリオ』 鉄壁 感応 気迫 偵察 加速 自爆
……。
自爆
…………。
自爆
「……なぁセリオ、俺ちょっと目が悪くなったのかな? ありえない文字が見えるんだが」
「えっと、わたしにも見えるよ……」
「はわわっ、じ、自爆ですー! 失われたもすとでんじゃらすなコマンドですー!」
「自爆はロボットのロマンです。これは絶対に外せません」
「しかし、サブパイロットに自爆の決定権を持たせるのは、どうかと思うのだが」
「ご心配なく。もちろん必要以外の時には自爆いたしませんので」
「その必要とかって、どうやって決めるんだ……」
「例えばそう、浩之さんが敵の女パイロットと所謂『にゅーたいぷ的』な精神感応などをしてしまって、説得などを始めようとした時、自爆します」
「はぁ?」
「それだけではありません。味方の女性パイロットと合体攻撃をしようとした時も、自爆します」
「……はぁ」
「まだまだあります。艦内でのブリーフィング画面で、私以外の他の女性と会話イベントを発生させたときも、自爆します」
「それって母艦もろとも自爆ってことだろうか……」
「いいえ、むしろ私以外の女性……男も含めます。それを目で追っただけでも、自爆します」
「……浩之ちゃん、わたし戻るね」
「お、おいあかり……!?」
「わ、私もラーカイラムのお掃除の続きが……」
「マルチまで……!?」
「そういうわけですので、末永くお傍に置いてくださいね、マスター?」
「だ、誰か助けて、助けてくれー!」
(浩之、セリオに引かれて退場)
……その後、ラーカイラムの行く先々で、数限りない何かの爆発と、その度に黒焦げで医務室に運ばれる男の姿があったという。
……ハイエンドボスボロット=セリオ。

最も完成された物語は、悲劇である

悲劇の物語が好きです。
登場人物たちが、にこやかに笑って、生活をして、
笑いと涙があって、愛し合って……
それでも、どうにもならない現実。
それに、人は押しつぶされていくしかない。
そんな話が好きです。

最近の……特に少年漫画では、そういったものは好まれません。
勇気と友情で、全てに立ち向かっていく。
そして必ずハッピーエンド。
傲慢かもしれませんが、はっきりと言います。
嫌いです、それ。
そんなにうまくいくはず、ない。
世界は苦しみと悲しみが溢れているから。
確かに、幸せは手に入るのかもしれない。
けれども、その影では、必ず不幸になっている人がいるから。

なるたるとか、最終兵器彼女が好きです。
ゲームでは、サイレントヒル2とかも。
EVAは、あまりにも情けないので嫌いですが。
圧倒的な何かに、流されるしかなくて。
そして最後には、全てが終わってしまう。
涙は無くてもいい。
廃墟を吹き抜ける乾いた風があれば、それでいい。

やはり読むからには、ハッピーエンドが皆さん好きなのだと思います。
事実、そうしたものほど人気がある。
主人公がモテモテで、力があって、最後には愛する人と結ばれる。
否定はしません。
それが自然なことなのですから。
けれども、と思います。
私が見たいのは、どうしようもない力に押し潰されて、
もがき苦しんで、涙を流して、のた打ち回って、
最後の希望に向かって、届かないと知りながらも必死に手を伸ばす。
そういうお話なのですから。

そのうちに、徹底的に救いの無い、誰からも嫌悪されるような、
そんな話を書いてみようと思います。
たぶんアクセス数の増加には、まったく役に立たないでしょう。
けれども、それでも。
登場人物が、誰も救われなくても。
どんな人間でも、必ず持ちえる感情。
それが、『悲しみ』なのですから。

踊る人形

登場人物を動かすことは、とても苦労します。
よく、才能のある人は『勝手にキャラが動き出す』
などと言いますが、それが起こってくれなくては作品にはなりません。
作者の手の平で動いているうちは、それ以上にはなりません。
あくまでも、登場人物が作者の予想を超えて動いてくれなくては。

≪簡潔に≫
栞はにこやかに微笑む。
「祐一さんのためならば、世界だって敵に回せますよ?」
その考えは嬉しいのかもしれないが、それはあまりにも荒唐無稽。
「さっきだって、私たちのデートを監視する人工衛星を撃ち落したばかりです」
「お前は対衛星砲か!?」

≪冗長に≫
栞はにっこりと……まるで悪戯な子猫のように……微笑んだ。
「祐一さんとの甘い練乳タイムを邪魔する人は、たとえ世界だろうとユダヤ組織だろうと、情け無用でデストロイです」
その考えは嬉しいかとも思うのだが、あまり無茶な相手に喧嘩を売るのはやめて欲しい。黒服の男たちに両脇抱えられて宇宙人のように拉致されるのは困る。
「さっきだって、わざわざ蜜月のひと時を盗み撮りしていた赤い某国の監視衛星を、やはり敵対するお米の某国の軍事ネットワークにハッキングして、ばばーんって撃墜したばかりなんですよ?」
「さらっと国際問題を引き起こすな! フィラデルフィアに送ってやろうか!」
「えぅー! 私は局地的災害指定を受けていますから、法廷では裁かれませんー!」

さて、どちらが読み物としては、正しいのでしょう。
冗長に書けば、それなりに行数は稼げます。
簡潔な方こそ、分かりやすくという意味では正しいと思えます。
しかし、私には生憎とそのような才能がないのです。
何事もだらだらと書き続けてしまう。
簡潔にキャラを動かせればいいのですが、それができないもどかしさ。
ならば無駄な文章の中に、どれだけ必要な情報を詰め込めるか。
それができるようになれば、私にも多少は進歩が見られるのですが。

~~-y(・ε・ )

私は、それなりに煙草を吸います。
ヘビースモーカーだとは思っていませんが。
考えをまとめるために欠かせないのです。
モニターに向かいながら吸う煙草。
こんなお金を煙に変えるようなこと、あまり好きではないのですが。

愛用の銘柄も決まっています。
ラッキーストライクの1942。
これは1942年、丁度戦時中でしょうか。
その頃の煙草の復刻版です。
ラッキーストライク独特のタール臭がなくて、とても吸いやすいのです。
他の煙草は、二度と吸えなくなります。
元々、大戦中のアメリカマニアである私なので、
こういうものがあるとつい手が伸びてしまいます。
VAT69バンドオブブラザーズの影響で飲み始めたようなものですし。
こちらはあまり美味しくはないのですが。
やはり趣味で銘柄を決めてしまうのは、こだわりのようなものなので。

一言だけ言っておくと、煙草は絶対にやめるべきです。
あまりにも体に悪すぎます。
早死にしてもいい、なんて私みたいな考え方の人間以外には、
到底お勧めできるものではありません。
これから吸おうと思っている方、やめた方が健全です。

私の場合、煙草とパックのコーヒー牛乳がないと、
文章が書けない体質なのです。
だからこのふたつだけは、常に在庫が切れないようにしています。
後はゆったりと好きな音楽を聴きながら。
このあたりの話は、またいずれ。

マイナーゲームを愛でる会

決してメジャーではない、マイナーなゲームが好きなのです。
そういったものは、大抵大手メーカーから出ているわけではなく、
お陰で売り上げもそれほどではなかったりします。
お陰でさらに広まりにくい、という悪循環。
これから、少々そういったものを紹介していきたいと思います。

第一回目は、『serial experiments lain
最高で最低の、『精神破壊ゲーム

98年に発売されたこのゲーム。
もしもこれを起動させることができた方は、小首を傾げるでしょう。
ジャンルは何なのか……アドベンチャー? プレイノベル?
いえいえ、そんなものじゃありません。
これはあくまでも、玲音という一人の少女と、
それを取り巻く人々の『記録』なのです。

プレイヤーは、こったインターフェイスに従って、
玲音の記録を解放していきます。
そこにはゲーム性などは無く、ただひたすらに作業。
そして流れる、たった数言の言葉。
それがまた、この上なく危険なものでして。
間違いなくプレーヤーの精神を侵食していきます。

簡潔に言えば、玲音は精神病な中学生の少女なのですね。
そしてその記録を開いていくプレイヤー。
おかしくならない方が、間違っています。
ソフト表面には血糊のついた指の跡が。
しまいには流れるムービーたち。
……拳銃を口にくわえて、自殺する玲音。
ソニー大丈夫、大丈夫ソニーなどと、心配になってしまいます。

はっきり言って、お勧めできません。
価格もレアソフトということで、一万円越えが当たり前。
簡単に拾えるものでも無く。
しかもその内容がこれでは、金返せと言われても仕方がありません。
けれども、たぶん手にした人は、一生を共に添い遂げてしまうことになるでしょう。
それだけの魔力が、このソフトにはあるのです。
この狂気の世界へ、もしも機会があったならば。

「玲音は絶対ウエディングドレスが着たいな」

にんしょーの問題

作品を書くときに、問題となるのが人称。
一人称、二人称、etc。
どれも一長一短。帯に短し、たすきに長し。
好んで書くのは、二人称です。
彼は……とかですね。
状況の説明が、地の文としてやりやすいのが利点です。
登場人物に語らせなくても、周りの形が説明できる。
便利です。
けれども、心理描写などがおざなりになってしまうという欠点もあります。
そこを地の文で何とか補完しなければならないのですが。

個人的に、心理描写よりも地の文のほうが書きやすいので、
こういう形をとっているわけなのです。
よーするに、説明既知外なのですね。
だらだらと説明文を書かずにはいられない。
これは、左脳派人間の特徴のようなものでしょう。
右脳派の方ならば、もっと感覚的に文を構築することができるはずです。
つまりは、私はオールドタイプなわけで。

どれが優れているとかいう話では、ないのです。
ただ、表現方法に限界を感じたときに、他の手段が取れるのか。
乗り換えるのは、案外難しいものです。
そのために、少しずつ挑戦してはいるのですけれど。
他の作家様のを読んでいると、自身が喪失する一方で。
素敵すぎるんですよね、輝いている文章って。

とりあえずは、自分の得意領域を伸ばすことができれば、と思います。
どうせ私の文章なんて、ダイソーで売られているようなものでしかないのですから。

寒いんです

何故だか昨日は極冷えでした。
今も冷え冷えなのですが。
こういう時は、お酒で体の中から温めるに限りまする。
取って置きのお酒をストレートでぐいっと。
ちにゃー、しゃーわせだにゃー。

ところで、今噂のPSPって、どうなんでしょ?
スペック的には、かなりのものだとは思うのですが、なにぶんあのソニーの作るものですから。
問題はどれだけのソフトが供給されるかですね。
私的にはトレジャーがどれだけ参入してくれるかなのですが。
573や765はお呼びでないので。
サードパーティーにもっとがんばってもらいたいものです。

書いてます! 今書いてますってば!

文章を書いていると、どうしてもネタに詰まるときがあります。
私、今がその時。
こういうときに搾り出した文章って、どう見ても客観的に面白くないんですよね。
すでに公開している作品にも、そういう状態で書いたものが多々あって、
改めて読み直してみると顔からファイヤー。
死にたくなります。

こういうときの気分転換には、他所様の良質な作品を読む……というのはいけません。
かえって絶望します。経験者は語る、です。
このような場合、あくまでも自己の内面に向き合うために、
過去の自分の文章を読み直します。
そして突っ込みを入れ続けるのです。
お前、ここはあんまりだろ? ここはお前の鬱日記じゃないんだ、チラシの裏にでも書いてろ、ってな具合です。

そして完全に絶望したところで、カンフル剤投入。
部屋に眠っているDVDを発掘して鑑賞します。
今回観たのは、CWBOYBEBOP『天国の扉』
そして良質の映像を堪能して、頭の中にその味わいが残っているうちに執筆に取り掛かる。
こうして、何とか形あるものが作られるわけです。
しかし、こんなに良いものを観た後だというのに、
書かれた内容が……

「……今、変なこと考えなかった?」
「何でもありません、ぱっぱらりーさん」
「呼び名がさらに酷くなってるよー!」

……などと低俗なのは、どうしたものでしょう?
一度神経洗浄でもした方が、いいのでしょうか。

好きになるもの

絵が描ける人が、羨ましい。漫画を描ける人が、羨ましい。
そこには、絶対的な表現の差があるから。
文章では、ひとつのシーンを表現するために、大変な苦労が必要。
もちろん、あっさりと表現できるか、長々と状況を描写するのか、
違いはあれども、文章の力は、弱い。

絵というものは、たった一枚でも過去、今、未来を表現できる。
そこに籠められた真意を、ダイレクトに感じられる。

少女が一人、野原の中に佇んでいる。
それを絵にするだけで、その娘の表情、周囲の色彩、風の音、太陽の輝き、全てが表現されて、それはほぼ誤解なく読み手に伝わる。

けれども、同じことを文章で表すのに、どれだけの労力が必要だろう。
絵が描ける人はすばらしい。
もちろん、文章書きと同じく、才能は必要だろう。
けれども、それを乗り越えた先にあるものは、下手をすればどれだけ積み重ねた文章よりも、多大な影響力を持って迫る。
たった一枚の挿絵が、ひとつの小説に輝きを与えるように……。

難しいことはさておき、漫画は日本の文化ですにゃ。
もっと漫画家は優遇されてしかるべきだと思います。
漫画は芸術! 芸術は爆発! 漫画爆発!? コミケ炎上!? オタク大・惨・事!!

さて今日のお題ですが、『ウエダハジメ』氏ということで。
一言で言うと、私の漫画観を大きく崩壊させた方の一人です。
大胆に省かれた間。魅力ある作画。
惜しむらくは、作品があまり一般的ではないことでしょうか。
同人誌では結構出ているんですけどねー。
一度読めば嵌るか、置いてけぼりになるか。
漫画読みの試金石のような存在といえるでしょう。

ただひとつ言えることは、氏の漫画は『文学だ』ということでしょうか。
まるで高校の頃の同好会で、心のそこから情熱を傾けていた、あの時のように。