一見わかりにくいと思われるストーリーも「クォ・ヴァディス」というタイトルに注目すれば理解しやすくなる。
脚本を書いたいながききよたかの12月12日のtweetに書かれているようにこのタイトルはポーランドの作家シェンキェヴィチの小説『クォ・ヴァディス』に由来する。
「クォ・ヴァディス」(Quo vadis)とはラテン語で「あなたはどこへ行くのですか」という意味だ。小説の中で台詞としても使われているこの言葉はもともと『新約聖書』ヨハネによる福音書13章36節にある。そこでこの問いは聖ペトロからイエス・キリストに対して発せられている。この時最終的にイエスが向かうのは磔刑場だ。
このことから巡礼怪獣ニルワニエはキリストと同様の役割を担っているのだと解釈できる。ニルワニエは人間に殺され光となって太陽黒点の異常を止めて地球を救った。これはキリストが十字架にはりつけにされ、世界を救ったというストーリーに構造がよく似ている。
怪獣を神とみなすことはキリスト教ではあり得ないが、神道では奇異なことではない。日本では古来人知を超えた存在を神と呼んできた。いながき氏は12月13日のtweetでニルワニエという名前は『古事記』のワニから着想を得たと書いている。
以上がわたしの解釈である。