【アストンマーチャン】 | 中舘英二オフィシャルブログ「“逃”稿日記」Powered by Ameba

【アストンマーチャン】

皆さんからもたくさんこの馬の話をしてほしいと
リクエストがあったので話しておこうと思います。


アストンマーチャン


07年の9月に入った頃。
それまで乗っていた岩田騎手や武豊騎手に他の依頼があるということで、
もしかしたらスプリンターズSで乗ってもらうかもしれないと、依頼がありました。


キャンセルの可能性もあるなかで、待っていると、
今度は1週前追い切りに乗ってほしいということになり、
乗りに行ったのですが、そこで改めてレース騎乗の依頼も正式に受けました。


追い切りに乗ってみると、今までのスピード馬にはないものを感じました。
脚の回転や身のこなしがとても速いピッチ走法でしたね。


GIの追い切りで栗東にまで行ったのは約10年ぶりのことでしたし、
それを経験させてくれたのも、この馬に出会えたおかげでしょう。


レース本番。この馬のスピードを活かせたということもありますが、
当日の悪い馬場や展開、他馬が力を出し切れなかったなど、
すべてがこの馬に対していい方向にいき、勝つことができました。


GIを勝つことの感覚を忘れていたくらい久々のGI勝利ということもあり、
本当にあの時はうれしかったですね。


そのあと挑んだレースでは、特にどこかが痛いとかはなかったんですが、
精神的なものなのか、この馬の走りはできていませんでした。
あの1戦で燃え尽きたようになったのかもしれません。


最近でもオーナーとお墓参りに行っていますが、
うれしいことや楽しいこと、そして悲しいこと。
すべてのものをもらった1頭として、僕の記憶に残っています。