濁りの金融セクター その2 | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

濁りの金融セクター その2

欧州ストレステスト結果は透明性向上に寄与、必要に応じ増資すべき=ECB


まず、「合格ありき」の下で査定の基準を作っているので、 不合格行が少ないのは当然だと言える。 満期保有の国債を時価評価していない時点で、このストレステストの信憑性は無くなっている。 「信じている」という事自体が信じられないという話。


通常であればこのようなアナウンスが市場に歪みをもたらす訳ですが、今回のテストに限っては当初より懐疑的な目で見られていた。その結果、市場の反応は薄い。当局のいい加減な査定によってカモられる投資家が少なくなるのは良い事だと言える。今となっては、テストする側にこそテストの必要性がある。市場は最早、そんな時代に入っている。



米JPモルガンの第2四半期は増益、不良債権償却の減少が寄与

米シティ、第2四半期は24%増益で予想上回る 貸倒損失が減少


前回 言ったように住宅ローン債権の買い戻しリスクは常にくすぶっている。バンカメとMBS投資家の和解が成立した事で、米大手銀の訴訟リスクは今後拡大する可能性がある。自分達にとって最悪のシナリオを計上していないように見える大手銀ですが、住宅市場の弱含みもこの問題がこじれる事を示唆している。


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What are new foreclosures as a percentage of the housing market?
1 in every 583 housing units received a foreclosure filing in June 2011


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例の差し押さえヒートマップ。6月は583件に1件の割合で差し押さえされている。

差し押さえ件数的には6位のネバダが「114件に1件」の割合で、比率トップを維持。件数的には前月(5月)に引き続き、トップ10の顔ぶれは変わらず。トップ3の差し押さえ件数は、前月よりさらに拡大している。

その2トップであるカリフォルニアとフロリダの「差し押さえ予備軍」も、満を持している状態。隠れ在庫や差し押さえシナリオを考えると、住宅価格下落圧力は依然として強い。


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GSEや民間投資家による、金融機関への住宅ローン&MBS買い戻し要求は続いている。

住宅価格の下落は、その要求をより強固なものにするはずで、結果として、大手銀がどのくらいのコストを負う事になるのかは、依然として不透明。 銀行への逆風は続いている、と見る事ができる。