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金融市場は「昨年のステージ」へ巻き戻し

市場は膠着している。 今晩スタートのFOMCにしても、サプライズは無い。



米銀行準備が再拡大した5月4日ー11日に「膠着のシグナル」が点灯したのは以前にも言及 した。 5月に入ってリスクマネーが回避され始めたのちは予想通りの展開で、準備預金口座は、6月の真ん中を折り返して、今現在さらに積み上がっている。



Latest Observations
2011-06-15: 1650.202
2011-06-08: 1630.965
2011-06-01: 1599.878
2011-05-25: 1571.505
2011-05-18: 1547.257
2011-05-11: 1517.071
2011-05-04: 1467.326

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要するに、株式市場低迷のサインが点灯している事になる。繰り返しになりますが、上値余地は限られている(12500ドル )、という風に捉える事ができる。


ヘッジファンドの投資行動もQE1終了後(の米市場の動き)に追随するだろう。QE2終了1ヵ月前の市場の動きは、銀行の投資行動にヘッジファンドがペーストしたものだ。

だとすれば、今現在低下余地がないと言われている米10年イールドにしても、世間一般の見方とは違い、再び2.5%を目指してくる可能性はあるように思える。


QE1終了後の株式やコモディティの動きには何度も言及していますが、債券市場に目を向ければ、昨年の春先、FRBの数々の緊急プログラムが終了したのち、米10年イールドは急低下している。 ニューノーマルの理



昨年もギリシャ危機、今回もギリシャ危機を迎えている。緩和終了と欧州危機というパッケージという面において、市場のステージは、昨年と似通っている。投機筋は、当然この辺りも研究しているはずだ。 それを見越しているのか、早々と米10年イールドは低下している。景気押し上げ材料が無い事には、一層の低下余地があるはずだ。

QE3の実行などは当面考えられない。だとすると夏場の債券投資は更に加速する事になるかも知れない。



ちなみに、欧州・EFSFにしても昨年5月に設立された。そして今月20日にはその融資規模が拡大した。自分がEFSFの比率について言及したのは昨年6月24日 だった。本日は6月22日。ちょうど1年前になる。


何が言いたいのかというと、アメリカにしてもヨーロッパにしても根本的な解決に至らず、「問題の先送り」が1年経った今でも続いている、という事になる。

市場の繰り返しの動きは、ある意味、経済の背景を物語っている。何も解決しないどころか、新たなリスクさえ拡大しているわけだ。