ハルとリチャードの「口説き」のぞっとするほどの類似 | えいいちのはなしANNEX

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もうひとつ、どーしても言っときたいことがあった。「ハルとリチャードが、女を口説くシーンが、まるきりソックリだ」ってこと。
いやそりゃ、同じシェイクスピアが書いてるんだから…、って、そういう話じゃなくてさ。
フランス軍あいてに大勝利したヘンリー5世王が、フランス王位を手に入れるために、フランス王女の愛を得ようと口説くシーン。美男美女のとってもいいシーンなんだけどさ。見てるうちに、どんどん、「これ、おんなじシーンを最近見たぞ。てゆうか昨日!」って気分になってくる。
そうだよ、リチャードがアンを口説く、自分が殺した男の妻だった女を口説き落としてしまう⁉、あの名場面。
そっくりだ。
  このヘンリー5世王は、いくらいい男でもさ、フランス人を大量に殺して、ここに乗り込んで来たんだよ、それ、フランス王女としては、どうなの? そいつの言葉に易々と乗っていいの?
   そして、このトムヒは、どう見ても「本気で愛なんか信じてない」。野心が前面に出てるのが、わかんないかなあ、この王女さま。
  シェイクスピアって、基本的にミソジニーだよね。「尼寺に行け!」「弱き者、汝の名は女」。だいたい、女なんて女なんて、って言ってる。
  だから口説き場面って、本質は「騙し場面」に見えるよね。
「から騒ぎ」のことがすげえ思い出されるんだよね、最近。万代のリサイタル(?)見て以来、とくに。
ベネディクト・カンバーバッジと聞くと、ベネディック君を思いだすのは、オレだけか? そーでもなかろう。

ヘンリー5世のはなし、さらに続く