深夜枠のチープさが売り物だったドラマが、まさかのゴールデン進出、でもその安っぽさを失っていないところが、いいじゃないですか、「信長のシェフ
」。
私は、大好きでですね、このドラマのキャスティングも。安っぽくて、嘘くさくて。
このドラマは、東映太秦が作っている「時代劇」です。ひたすらチャンバラ、たまに爆発、演出効果のためなら史実無視、大坂湾の織田水軍を琵琶湖に回航してくるなんて離れ業もお手の物。斬られ役のカリスマ福本清三さんの妙技を見ることも出来ます。ザ・時代劇です。
特に私がイイなと思うのは、信長(及川ミッチー)のインチキくさいケレン味、光秀(稲垣吾郎)のウソくささ、それに秀吉(ゴリ)・家康(カンニング竹山)あたりの軽量感ですね。
たとえば軍師官兵衛、秀吉や家康が大物すぎて、信長が若造に見えたりする、どうもバランス悪いんですが、これは仕方ないんです、あっちは歴史劇の制約があるんで。
NHK大河は「歴史劇」です。歴史劇と時代劇は違います。どう違うか。簡単に言うと、「登場人物がトシをとるかどうか」です。大河ドラマは、大河ってくらいだから、主人公が若いときから死ぬまで、数十年のスパンで考えなきゃいけません。当然、秀吉や家康は、老人になって大物になった時を中心に配役を考えねばなりません。
でも、こっちは時代劇ですから、登場人物がトシをとらない、いや、ホントはとるんでしょうけど、「信長のシェフ」なんだから長くても本能寺で終わり、天下を取ったあとの秀吉のことなんか心配する必要がない、だから、ゴリでいいんです。なんか、茶髪の料流人が友達になってタメ口きいても大丈夫そうじゃないですか。
そうかと思うと亀次郎改め猿之助が、なんでこんなところにって感じで出てたり、顕如はあのくらいバケモノであって欲しいですよね。
けっこう、いいバランスだと思いますよ。信長のシェフ