「プリンセス トヨトミ」のゲーンズブールという名前の由来は「フランスの映画監督の娘で歌姫」の名 | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

 「旭ゲーンズブール」という名前の由来についての補足。ゲーンズブールというのはフランスの俳優、歌手、映画監督の名前らしい、と書きましたが、映画サイトを見ていたら、なんだ、「ゲンスブールと女たち 」という映画があるじゃないですか。しかも、いま劇場公開中だ。灯台元暗し。「カリスマ」というに相応しい、相当ヘンなひとだったようです。ただし、万城目先生本人のインタビュー記事によると(そういうのから先にチェックしないとダメだな)、むしろ彼の娘の女優・歌姫「シャルロット・ゲンスブール 」(「なまいきシャルロット」など主演映画多数)をイメージして名づけたらしいです(なにせ、もともと女性の役だし)。

 

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 まあそれでも、コンテンツは発表されれば作者の意図を超えて一人歩きすると考えるのが私のスタンス(?)ですので、ここはやはり、映画の「男である旭ゲーンズブール」は、やはりロシアからの亡命者の血を引く名前が「アイデンティティの不安」を暗喩しているのだ、という自説を唱えておきます。


 それから、原作小説を確認してみたら、「島」「後藤」「宇喜田」といった登場人物もいますね。必ずしも大坂夏の陣にまつわるものばかりではなく、関ヶ原あたりから広く「トヨトミゆかりの名前」を借りてきているようです。これらの名前を持つ登場人物は、必ずしもその「子孫」とか、または「生まれ変わり」とかいったことではないようで、言ってみれば「面白がってつけた」という以上の意味はなさそうです(もちろん、旭もセルジュ・ゲンスブールの子孫だとかいう設定ではない、わけです、残念ながら)。

 ですから、基本的には「大法螺小説」を原作にした「大法螺映画」であると思って見ればよろしいので、理屈とか整合性とかを求めてはいけないのでしょう、たぶん。もちろん、そこが楽しいんだけどね。歴史薀蓄屋にとっては「どこまで吹いていいのか」迷う映画ではあります。

 

次回、「ゲーンズブールと鳥居の男女が映画で入れ替わった深い理由」についてさらに考察します。