●respectは「尊敬」だけじゃない
respectという言葉は「尊敬する」という意味で日本人にもなじみのある言葉です。だからこそrespectに「箇所、事項」とか、「関連」とか言う意味が出てくると、英語学習者はびっくりします(私もそうでした)。respectivelyという副詞に至っては「それぞれ」という意味になってしまいます。なにやらrespectは我々日本人が持っている「尊敬」というイメージとは違った本質をもっているようです。
●respectの意味する「尊敬」に注意
respectはre(再び)+ spect(見る)ということから、「二度見する」「振り返ってみてしまう」ということが語源です。ここから「軽く見ていない」という意味が出てきます。つまり、respectは「うわ~すごい!尊敬しちゃう!すてき!ファンなんです。」という意味での「尊敬」よりは、「尊重/ナメていない/敬意を払う/一目置く」という感じが強い言葉だとわかります。(前者の「うわ~すごい」という感覚はadmireという言葉の方が近いと思います。この事に関しては次回お話しするつもりです。)
例:At least you should respect our privacy.
「少なくとも我々のプライバシーは尊重していただきたい。」
例:The opposition parties should respect the law.
「野党は法をないがしろにするべきではない。」
●語源で解くrespectの多義の秘密
①注意/関心:
respectが「再び見る」という語源を持つことから「軽く見ていない/注目している」という意味がでてきます。否定で考えるとわかりやすいでしょう。no respectということは「どうでもいい」ということですから、respectに「注意/関心」という意味が生まれて来るわけです。これがwith/in respect to ~やas respects ~といった「~に関して」というイディオムを生みます。
例:He went there without respect to my warning.
「彼は私の警告など無視してそこに行った。」
例:The prefecture is ranked the lowest with respect to education.
「教育に関してはその県は最下位に位置する。」
②点/箇所:
「注意/関心」は自分の関心がある話題に向かうことをあらわします。respectの「点/箇所」は「話題」という意味での「点/箇所」です。
例:in this respect:「この点に関して」
例:These arguments are similar in some respects.
「これらの議論はいくつかの点で似ている。」
③respective(形)「めいめいの/それぞれの」:
respectは「二度見る」ということですから「Aを見て、次にBを見て」という風に別々の箇所をそれぞれ見る、という意味も生まれて来たと推測されます。もしくは前述のsome respectsなどの表現で「いくつかの点」という意味が出てくるので「こういった点それぞれ」という感覚も派生しやすいのかもしれません。
次回は英語のrespectと日本語の「リスペクト」の間にある意味のズレについてお話しします。
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