respectは「尊敬」だけじゃない。じゃぁなぜ? | 『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!

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本当にわかる英語とは?!英語、英文法、その他の外国語の学習、言語学などについていろいろ語ります。

respectは「尊敬」だけじゃない

 respectという言葉は「尊敬する」という意味で日本人にもなじみのある言葉です。だからこそrespectに「箇所、事項」とか、「関連」とか言う意味が出てくると、英語学習者はびっくりします(私もそうでした)。respectivelyという副詞に至っては「それぞれ」という意味になってしまいます。なにやらrespectは我々日本人が持っている「尊敬」というイメージとは違った本質をもっているようです。

 

respectの意味する「尊敬」に注意

 respectre(再び)+ spect(見る)ということから、「二度見する」「振り返ってみてしまう」ということが語源です。ここから「軽く見ていない」という意味が出てきます。つまり、respectは「うわ~すごい!尊敬しちゃう!すてき!ファンなんです。」という意味での「尊敬」よりは、「尊重/ナメていない/敬意を払う/一目置く」という感じが強い言葉だとわかります。(前者の「うわ~すごい」という感覚はadmireという言葉の方が近いと思います。この事に関しては次回お話しするつもりです。)

例:At least you should respect our privacy.

「少なくとも我々のプライバシーは尊重していただきたい。」

例:The opposition parties should respect the law.

「野党は法をないがしろにするべきではない。」

 

●語源で解くrespectの多義の秘密

①注意/関心:

respectが「再び見る」という語源を持つことから「軽く見ていない/注目している」という意味がでてきます。否定で考えるとわかりやすいでしょう。no respectということは「どうでもいい」ということですから、respectに「注意/関心」という意味が生まれて来るわけです。これがwith/in respect to ~as respects ~といった「~に関して」というイディオムを生みます。

例:He went there without respect to my warning.

「彼は私の警告など無視してそこに行った。」

例:The prefecture is ranked the lowest with respect to education.

「教育に関してはその県は最下位に位置する。」

 

②点/箇所:

「注意/関心」は自分の関心がある話題に向かうことをあらわします。respectの「点/箇所」は「話題」という意味での「点/箇所」です。

例:in this respect:「この点に関して」

例:These arguments are similar in some respects.

「これらの議論はいくつかの点で似ている。」

 

respective(形)「めいめいの/それぞれの」:

respectは「二度見る」ということですから「Aを見て、次にBを見て」という風に別々の箇所をそれぞれ見る、という意味も生まれて来たと推測されます。もしくは前述のsome respectsなどの表現で「いくつかの点」という意味が出てくるので「こういった点それぞれ」という感覚も派生しやすいのかもしれません。

 

 次回は英語のrespectと日本語の「リスペクト」の間にある意味のズレについてお話しします。

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