企業のグローバル展開を考えるときにいつも悩ましいのが、本社への標準化と、地域への適応化です。
よく求心力と遠心力とか、CentralizationとLocalizationと呼ばれるものですが、答えは1つではなく、その企業の状況にあわせてバランスをいつも変えないといけない難しさがあります。
まったくローカライズしない高級ブランドや、ポテトやベーシックなバーガーと店舗フォーマットは標準化しながらも現地化の商品をいれるマクドナルド、米国で肉に合うように甘くローカライズして市場参入したキッコーマンなど、企業の商品やステージによってもバランスは異なります。
(以前も、経営においてあえてバランスを崩すことの重要性に触れました。こちら )
ちなみに、最近、自分のファームでは本社への集中化が徐々に進んできています。
これはグローバル・ワンファームをもう一度明確にして、グローバルでいろいろな知見やノウハウ、クライアントを共有しようという取り組みです。
この考え方自体はいいのですが、各国のオフィスから見ると、本当にそれでいいの?と思うところもあります。
例えば今月半ばから5月半ばまでの2ヶ月のうち、1ヶ月以上海外に出ないといけないのですが、5つある出張のうち、プロジェクト関係は2つのみ。
残り3つはヨーロッパでのグローバルミーティング、インドでのAPACミーティング、東南アジアでのAPAC研修です。
本社に集中化するにあたり、まずは顔をあわせようというのはわからないでもないのですが、そのためにこれだけの移動時間をかける意味がどれだけあるのか怪しいところです。
地域オフィスからすれば、もう少し国内のクライアントへ集中させて欲しいという思いがあります。
グローバルの本社と地域の綱引きの中にバランスが存在するのですが、クライアントの本社と地域のバランスの難しさを、自分達の組織を見ながらも感じます。