昨日は社会心理学の立場から、秀才が凡ミスをしたときと、凡才が凡ミスをしたときでは、周囲からのその捉えられ方が異なるということを書きました。
(昨日の記事はこちら )
同じ奥田氏の著書の中で、“black sheep(黒い羊)”理論について触れられています。
ちなみに黒い羊とは、英語で“There's a black sheep in every flock.(厄介者のいない組織はない)”という諺があるぐらいで、厄介者の象徴です。
“black sheep”理論は、集団があったときに、出来の悪いメンバーは、その集団の中ではより厳しい評価をされるという理論です。
特に集団内の期待値が高い、もしくは他とは差別化されているという思いが強いほど、この評価は厳しくなります。
全ての組織でこうした心理状況は働くのでしょうが、特に戦略コンサルのような、Up or Outがあるプロフェッショナルファームでは、ダメな人には出てもらうというルールがあるため、そうした厳しさが強く出そうな気がします。
“彼(彼女)はプロフェッショナルとしての意識が足りないし、こうした組織にいてもらうことはできないんじゃないか?”というコメントをシニアメンバーが言うのは、これまで何度も聞いて来ましたが、組織への誇りが高い人ほど“black sheep”に対しての評価は厳しい気はします。
昨日の理論と合わせると、悪い評価をもらっている人はさらに悪い評価になりますし、その評価も通常よりも厳しく見られる可能性があるということです。
確かに、一度悪い評価を受けて負のスパイラルに入ってしまったコンサルタントは、なかなかそのスパイラルから抜け出せないことが多いのですが、こうした心理的な要因が大きく効いているのだと思います。
だとすると、何よりも気をつけることは、そうした負のスパイラルに入らないように、細心の注意を払うということになりそうです。