30代の一流と40代の超一流 | 外資系 戦略コンサルタントの着眼点

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戦略コンサルでマネージャーを務める筆者が日々の出来事を独自の視座で書き綴る


比較的最近のことですが、あるエグゼクティブサーチのコンサルタントと夕食をとりながら話をする機会がありました。
(ちなみにエグゼクティブサーチというのは、いわゆるヘッドハンターです。こちらの記事 で以前ヘッドハンターについて書いたことがあります。)

その際になるほどと思ったことがあります。

それは、30代の半ばまでは土日も含めひたすら自己研鑽をすることはプラスだが、30代後半になってくると、休日もひたすら自己研鑽をしているというのはあまりにも視野狭窄で、そうした人は最終的にビジネスマンとして超一流にはなっていないという話です。

その方いわく、30代も半ばを過ぎてプライベートや家族を大事にできていないビジネスマンは、経験則として大成できていない人が多いとのこと。

その背景は、グローバルで活躍する一流のビジネスマンは、皆さん30代後半ではビジネスの能力やスキルとしては甲乙付けがたいぐらいに習得していることが当たり前で、そこからはそのスキルをどれだけ磨くかではなく、どれだけピープルマネジメント(要は人のマネジメント)が出来るかが、マネジメントとしての能力の差分となるからだと言っていました。

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歳前後では一流のビジネスマンのスキルは甲乙付けがたいぐらいになっているため、超一流かという市場価値は、その上でどれだけの人数を率いることができるかという点につきるということです。

そしてその点については、その人がどれだけチャーミングかということに規定されてくるとのことでした。

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歳前後の競争がこうした競争だとすれば、土日も含めひたすら自己研鑽をしているようなビジネスマンは、あまりにも経営スキルに偏りすぎていて人間的な魅力を十分に発揮出来ない方が多く、結果としてマネジメントのポジションで力を発揮出来ない方が多いということだと思います。

だとすれば、30代後半はむしろプライベートを大事にし、家族や趣味を大事にするなかで人間的な魅力を磨き、一流から超一流のマネジメントとして成長していくということかもしれません。

これまで個人的には、ひたすら勉強の努力をした人がその結果として報われ、一流になるという認識を持っていましたが、そうした戦い方が通用するのは30代半ばまでということです。

その後は(それまでもでしょうが)いかに人間的な魅力を磨きあげてピープルマネジメントの能力を高めるかが大事だということになります。

最近に“趣味が見当たらない”という記事を書いた私としては、今後5年以降の自分の磨き方についても再度考えなおさないといけないと痛感した会食でした。
(ちなみに趣味が見当たらないと書いた記事はこちら 。)