語源考。①
「みや」(宮)っていうのは、「御屋」ってことだろう。
武家の言葉遣いなら「おん住まい」とでも言いかえられそうな、意味としては誰かの「お住まい」でしかない言葉。
そんなところに、「み」っていう音・接頭辞におかれてる高貴さ・畏れ多さがうかがえるね。
「みや」(宮)を辞書で引くと。
まず、「①神社」ときて、「②皇居」ときて、さらに定義がつづく。
でも、言葉のなりたち、つまり時系列でとらえるなら、順序は逆にちがいない。
まず最初に、大王(おおきみ。のちの天皇)が住む宮殿が、「みや」って呼ばれてた。
ところどことろの聖域で、まだろくに建物(社殿・祠)も設けられてない時代だ。
今現在でも、自然信仰の名残りで社殿を設けずに、その一帯を聖域としてる、ないし自然物をそのままご神体にしてる「神社」はあるしね。
神様におウチをつくって差し上げること自体が氏神信仰の濃い現れだと思えるし、もともとあったとしても一般化したのはヤマト時代からだろう。
それが仏教の伝来・寺院の出現に刺激されて、急速に発達・様式化した。
余談がながくなったけれど。
「宮」ってのは、大王だけじゃなくて、「大王の系譜」にとっての住まいでもある。
ここでいう「系譜」ってのは上下どちらもある。
上にたどるなら「神宮」だね。
基本的には、イザナギ・イザナミ、そしてアマテラス以下の「天皇家のご先祖様・歴代天皇」を祀ってるのが神宮だ。
そうでない神宮は肩を並べるぐらい重要とされる神様の住まいで、歴史的にみて例外とはいえないけれど同時に多くもない。
下にたどると、大王の子らも住まいが「宮」って呼ばれた。
それがのちには、親王・内親王の称号にもされる慣習になるわけだ。
こうしたことから、神様一般のお住まいは「宮」とは呼ばれない、ってことが判るね。
だから、辞書での「宮=神社」っていう第1定義は、そもそもがまあ誤った解釈だって考えられちゃう。
ただ、また余談になるけれど、呼び方じゃなくて建築様式においては、神社も「みや」と同等の扱いを受けてる。
社殿の屋根にならんでる「かつおぎ」がソレで、もともとは大王の宮にしか付けられない、豪族の屋敷でも許されないものだった。
(かつおぎの由来はなんなんだろう。謎すぎる。太古に降臨した葉巻型UFOの列か?笑)
以上のことは、電子書籍『日本民族混交草』でもところどころで触れてます。
https:/
よかったら読んでみてください。^^
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語源考。②
「やしろ」(社)っていうのは、「屋代」ってことだろう。
「しろ」ってのは、当てられてる漢字からも判るように「代わり」だね。
例えば、「たましろ」(霊代)っていえば、神様の代わりとして祀られる「ご神体」。
「みのしろ」(身代)っていえば、「人質の代替え金」(同等の価値とされるお金)だ。
(音読みで「しんだい」なら「財産」とか「身分」って意味だね。その人がもつ「価値」ってことでしょう)
あと、「しろ」は、目的のために「あてがわれるモノ・部分」でもある。
「たましろ」でご神体にされるモノも、神様がお憑きになれるようにあてがわれてる、って言える。
「のりしろ」(糊代)っていえば、くっつけるために糊をぬる部分だ。
こうして見ると、「みや」と「神社」のちがいが余計にハッキリするね。
「宮殿・神宮」の「みや」は。
天皇家の先祖(か最上級の神様)が「お住まい」になってる建物だ。
それに対して、「やしろ」である「神社」は。
その神様がお住まいではないけれど、もしくは聖域のなかの代表の1点として、人々が神様と接点をもつ「窓口」になってる建物だね。
そこに「いらしていて頂く」ためにあてがってる建物だ、って言い方のほうがシックリくるかも知れない。
ちなみに、自然信仰なら「神様が人格化されてる」ってのも前提になってる。
っていうより、「やしろ」の概念はそもそも自然信仰から来てるだろう。
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【追記①】
いちおう、もうひとつ考えられる可能性を加えとこう。
「みや」(宮=御屋)の「み」(御)。
同様の例として、「みかど」(帝=御門)の「み」だとか、「みこ」(皇子=御子)の「み」がある。
これは、そもそも「神」って意味の「み」と同じものかも知れない。
「みき」(神酒)の「み」だし、神社にいる「みこ」(巫女=神子)の「み」。
「非常に尊い」などといった概念で共通してるしね。
となれば、神社はどれも「みや」(御屋・神屋)になるわけで、「みや(宮)=神社」っていう辞書での第1定義も正しいことになる。
「神様がいる・降りたつ場所」って意味では、「みや」と「やしろ」は類語。
ちがいといえば、「みや」は威厳にふさわしく大きい空間を占める、「やしろ」は土地でなく建物(=社殿)を指す、なんてところかな。
ただし―――。
元来は、やっぱり、すべて「やしろ」なんだと思う。
前述のとおり、「み」は、他とは隔絶した超越的な尊さをともなう「御」だったんだと思う。
それが、大王と同等(か以上)の尊さをともなう「神」にも使われたから、「み」の意味範囲が広くなった。
そのために「やしろ」もみんな、「御屋」じゃなく「神屋」として、「みや」って呼べるものになってしまった。
しかも、そもそも「宮」って漢字(であり中国語の単語)に「神社仏閣」って意味があるから、混同された。
実際には―――。
ヤマトコトバの「みや」って言葉が、「神社」って意味で使われることは、今の今まで「一般にはない」はずだ。
使われた例があるとしても普及・定着してない。
よって僕たち自身も、神社を「みや」って呼ぶ感覚がない。
でも、「おおやしろ」って言葉ならある。
出雲大社だけを指すみたいだけれど、「大社」っていうなら今の僕たちにとっての「神宮」を含む最高位に分類される社格だ。
(その下には中社・小社って社格があった)
つまり、人間の社会とおんなじ、ってことだ。
天皇のご先祖様(か同じぐらい重要な神様)がおわす場所なら、そのまま「御屋」としての「みや」(宮)が使える。
それが音読みの名称で「神宮」として使われた、ってだけ。
結論―――。
中国語の「宮」には「神社」って意味がある。
ヤマトコトバの「みや」にはその意味がなくて、ただ「御屋」を意味する。
やっぱり。
辞書で「みや【宮】=神社」とされてるのは、日本語としては、まあ誤った解釈だって言えちゃうと思う。
【以上、追記①】
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語源考。③
「てら」(寺)って言葉は、どっから来てるんだろう。
仏教、つまり外国からきた宗教での信仰場所になってる建物だし、それを表すヤマトコトバがもともと在ったものなのか。
在っても不思議じゃないけれど、僕には、その可能性が高いようにも感じられない。
とにかく、アタマのなかを探ってて、どうにも繋がる言葉が思い当たらないし思い当たる気がしない。
ってなわけで、手元にある大辞泉を引いてみると―――。
『てら【寺】』の解説の冒頭に、カッコ書きで。
『礼拝所の意の朝鮮語chyölからとも、長老の意のパーリ語theraからともいう』
って書いてある。
ああ~、やっぱり外来語か。
やっぱり倭語にはない言葉だったんだね。
納得して終了。
たぶん朝鮮語の『chyöl』に由来してるだろう。
インド発祥の仏教は、中国をとおって、朝鮮(の百済)から、日本(の蘇我氏)に伝わったからね。
もちろん、お経の文言とか、仏天の名前とか、サンスクリット語が中国語に「音写」されて伝わってる言葉はたくさんある。
でも、「てら」って言葉は、中国語で使われてない。(もし使われててもおそらく「長老」って意味だろう)
日本語の普通名詞として「寺」の「ジ」がそのまま使われてもいないし、「寺院」が日常的な言葉になってもいない。
補足ながら、パーリ語ってのは『小乗仏教聖典をつづったインド‐アーリア語』とのこと。(大辞泉)
小乗仏教なら東南アジアに広がった仏教の一派だから、大乗仏教の流れをくんでる中国・朝鮮・日本の線と交わったとも考えにくい。
(大乗・小乗っていう差別的な表現はどうにかならんかね。人々の精神進化もいちじるしい現代でさ)
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語源考。④
「くら」には、「座る場所」とか「物をのせる場所」って意味がある。
漢字の「座」があてられもする。
「倉・蔵」の「くら」が同源(ってか同一語)なのはもちろんだろう。
「置いておく場所」ってことだね。
馬の背中にのせる「くら」(鞍)も、座るためのものだ。
「あぐら」は、意味的に漢字をあてるなら「阿座」かも知れない。(「阿」は「ア」の音。ユルい・丸いイメージ)
「ねぐら」は、「寝座」だろう。
「やぐら」は、「屋座」かもと思ったけれど、やっぱり「矢座」だろう。(見張り・射撃のための高い場所。普通に「矢倉」って当て方もあるね)
「まくら」(枕)は、「目座」かも知れない。
ああ!
もしかしたら、「住む・生活する」って意味の「暮らす」は、そもそも「座す」なんじゃないか!?
「居る・存在する・定住する」ってことだ。
さらには、「すむ」(住)って言葉も、「すわる」と同源なんじゃないか?
「座る」と同一語の「据わる」、その他動詞「据える」も合わせて参照できる議題だ。
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語源考。⑤
神様との窓口である「やしろ」の話は前述した。
そこで、「祠」(ほこら)って名称もちょいと出た。
「ほこら」って言葉には、「やしろ」と呼ぶには小さい、ってイメージがある。
小さなお体にいっぱいコケをむさせて、ひっそりうずくまってる神様が想い描かれるようで可愛い。
「ほこら」の「こら」も、「座」の「くら」がなまったものだろう。
「ほ」はなんだろう。
もしかしたら、「火座」ってことかも知れない。
だとしたら、「神様=生命」としての「火」か、はたまた「火」を灯してたのか。
それとも、「穂座」かな。
収穫した稲を供えた、とか。
【追記②】
僕は以前から、ヤマトコトバでの「火」と「穂」を同源の言葉だと思ってる。
どちらも発音は「ほ」で、どちらも「もえる」(燃・萌)ものだ。
「火」の類語である「ほのお」(炎・焔)は、「火の穂」ってこと。
もうひとつ類語の「ほむら」(炎・焔)は、「火群」ってこと。
これらはどちらもずいぶん昔に辞書でみて知った。
つまり、「火」も「穂」も、どちらも「沸くように出でる」ものだし、かつ「まとまって姿を結ぶ」ものだ。
この「むすぶ」だって、「生す・産す」とか「蒸す」とかの「むす」と同源のはず。
「蒸れる」なら、「群れる」と同一語だろう。
沸くような熱気が集約してるような感覚がある。
ついでながら、人々が住む「むら」(村・邑)も、「くさむら」(草叢・叢)も、「まとまり集まる」って意味の「群・叢」のことだ。
あとそうだ、「ほ」には「先端」って意味もある。
とくに「尖った先端」だ。
火にも、膨らみまとまって、揺らめき尖った先端がある。
稲穂も、イネの先に膨らみまとまって結んだ実(=身)だ。
槍とか筆にも、膨らんでまとまって尖ってる穂先がある。
「さきっぽ」っていえば、「先っ穂」ってことに違いない。
そんなわけで、ウネウネと考えながら、「ほ」とか「むら・むれ」とかに形態的・概念的な共通性があることは判る。
でも、「ほこら」の「ほ」を明確に説明するのが難しい。
あ、もしかしたら―――。
自然信仰での神様は、人格化されてないなら、辺り一帯だとか、山林の全体だとか、天地間だとか、広い空間にあまねく満ちるような存在のはず。
だとしたら。
そんな神様を「集約する・結ぶ」ようにして、目に見る・接することを可能にする窓口すなわち「先端」(ほ=穂)。
そうして「いらしていて頂く」べく当てられた地点であり建物(こら=くら=座)。
それが、「ほこら」なんじゃないか。
日本列島に暮らしてた自然信仰の人々は、神様をそういうものだって考えたのかも。
いや、理屈で考えたんじゃなくて、神様を全身でそう感じては描いてたのかも。
【以上、追記②】
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