9月4日は、茅ヶ崎市美術館に行ってきました。
自分をとりまく空間や環境をテーマにした
「じぶんのまわり ー耳でながめて 目でかいで 鼻でふれて 手できいてー」
というタイトルの展覧会です。
タイトル通りに、視覚だけではなく、他の感覚を使って楽しめる展覧会です。
体験型、参加型というのかな。
ブラインドのkeikoさんにも犬の私も楽しめそうな展覧会です。
この展覧会は、アーティストやデザイナーのためのエンジニアとして活動してい
る久世祥三さんと、グラフィックデザイン・サウンドインスタレーション作家の
坂本茉里子さんからなるユニット マスラックス(mathrax)が全体を制作してお
ります。
まず、エントランスホールを入ると、3つの木製の台があります。
その台の上には大小様々な形をした石が置かれてました。
石はそれぞれの台の上に10個づつ。
一見、その辺にある石です。
その石に指先でソット触れてみます。
キラキラした音がしました。
手で触れると、電気仕掛けで音がする石。
一見、その辺の石です。
でも、石にはそれぞれに物語がありました。
そして音は、その石が秘めた物語を優しく伝えてくれてました。
10個の石。10の物語。10の音色。
手で触れていくと、ひとつひとつ違った音がします。
スペーステーマ「石の声を聴くにはどうしたらいいんだろう?」
茅ヶ崎の石浜中学校松林中学校美術部とマスラックスさんによる共同で制作した
作品です。
ワークショップで、みんなで近くの浜で探してきた「じぶんの石」を使って作っ
た作品。
浜辺で拾った石。中学生達の想いが石に宿ります。
その石の想いを、坂本さんが電子回路を使って音色に変えます。
そして久世さんが光にします。
触るのは来場者。
奏でるのは石。
どんな風に聞こえるでしょうか?
次のスペーステーマは「ひかりのミナモ」
天井からつり下げられた7つの形をした光るオブジェは、光の色が混ざり合い、
ゆっくりと変化をしていきます、このゆらめくような光の様子は。海や川、水た
まりなど、水面に映る光を表現した作品なんだそうです
ゆるやかにだんかいてきに、変化する光いは、精密にプログラミングされ、水の
ゆらめきで、変化する光の様子を表しています。
ひかりの物語
油絵を学んでいた久世さんは、ひかりを映像という手法ではなくて、絵の具のよ
うにあつかうことを考えたそうです。それを試みた作品が「ひかりのミナモ」で
す。
この空間には、光の他に優しい音もしています。
大人の腰くらいの高さで、直径30センチくらいの木製の円柱がふたつ置かれてい
ます。
ふたつの円柱は、それぞれシンセサイザーの音、もうひとつはアフリカンな打楽
器を連想させるような音がします。
音を出すには、円柱のトップを指や掌で触れます。
触れる場所によって音は異なります。
まるで音のパレットです。
指先でクルクル縁を描くと、音もミックスされます。
音の物語
電気とやわらかく付き合う。坂本茉里子さんは電子工作のワークショップなども
開催。撫でるとオルゴールのような音を奏でる木の動物のオブジェなど電子回路
を使った作品を手がけてます。
私達はフロアを移動して次のスペースへ。
ここのスペーステーマは「香りと音とひかりと」なんちゃって。勝手につくっち
ゃいました。
丸い木製のテーブルのような台の上には動物のオブジェが3つ置かれてます。
これに触れていくと、台から心地よい香りがしてきます。
グリーンハーブと木の実とはちみつレモンの香りだそうです。
なんだか癒されます。
触って香りを楽しみます。
これは資生堂さんとのコラボ作品です。
そして、ここでも、空間を光がゆっくりと動いてます。
また別の台には、鳥のオブジェがいくつか置かれてました。
もちろんこれにも触れることができます。
さて、ふくろうはどれでしょうか?
また、触れるとオルゴールのような音がする動物のオブジェもありました。
もしかしたら、点字をうたうくまのオブジェはここにいたのかもしれない。
見学の後は美術館カフェ「ルシユマン」でお茶会です。
ここのメニューにあるものは、だいたい茅ヶ崎で作られたものが多いようですよ。
例えば、コーヒーとかお菓子とかパンとかソーセージとかビールとか。
みんな湘南・茅ヶ崎ブランドのもの!
暫し、まったり寛いでいたら、私達のところに挨拶に来て下さった方がいたんで
す。
それはなんと、マスラックスの久世さんと坂本さん。
展覧会の千秋楽のために来たそうですが、美術館の方に「盲導犬が来ている」と
聞いたとかで、わざわざここまで来て下さったんですよ。感激!
お二人とも、謙虚で素敵な方達でした。
カフェを出た私達は、坂本さんの説明を聞きながら、展覧会をもう一周!
パンフレッットが見えないkeikoさんにとっては、坂本さんの説明で分かったこ
とも色々。
夏の終わり。私達が外に出た頃には、茅ヶ崎の浜辺に近い美術館は、夕暮れに包
まれようとしておりました。
mokoちゃん、誘ってくださって、ありがとうございました。
文章リルハ 写真撮影moko 校正・写真セレクトハピコ