仮面の男
邦題:仮面の男 |
原題:The Man In The Iron Mask |
製作年:1998 |
製作国:アメリカ |
監督:ランドール・ウォレス |
主演:L.ディカプリオ/ガブリエル・バーン/J.マルコビッチ |
吹替(DVD):草尾毅/大塚芳忠/津嘉山正種/田中秀幸 |
お気に入り度:★★ |
森川久美さんの「ブルボンの封印 」(原作:藤本ひとみ)という本を
読んで、ルイ14世にとても興味を持ち、サイトなどで彼について
調べてみたのですが、全部といってもいい位触れられているのが
デュマも描いた「鉄仮面伝説」。
この鉄仮面伝説をモチーフに色んな作品が作られているようですが
これはその映画版といったところでしょうか。
キラキラした中世フランス王室を舞台に隠された伝説。
こりゃ観てみるしかないということで鑑賞。
いやあ~、もう古き良き時代の少女漫画の世界のような
衣装に髪型。
キラキラして目がくらみそうになりました。
しかし光がある場所には影がある。
その影の部分に焦点が当てられております。
影はひとつじゃない。
冒頭部分でルイ14世のバカ王っぷりを曝け出します。
市民(シトロンw・・・そりゃパタリロ)等に対する横暴な仕打ち、
ワガママで慕われていないバカ王。
演じるレオナルド・ディカプリオもノッています。
その後に登場するのが牢獄に幽閉されている鉄仮面を
被らされた男。
チラリとのぞく蒼い目がとても綺麗です。
そして三銃士たち。
マジメな者もいれば、女性に目のない者もいれば
息子が可愛くて仕方ない者もいる・・と個性バラバラ。
この映画はこの騎士(銃士かな)たちの格好良さが
この映画の最大の見所のような気もしてきます。
バカ王と幽閉された双子の弟という1人2役を演じる
ディカプリオよりもどうしても彼らに目がいってしまう。
ディカプリオの役はとても難しいと思います。
同じ顔で性格も生い立ちも全然違う2人を演じるのだから。
頑張ったんだなというのも分かるんだけど、どうも弱い。
個人的にはもっと演技が達者な役者さんに演じて
欲しかったよ~・・・みたいな。
幽閉されていた弟・フィリップの王としての教育場面なんて
重要な場面だと思うんだけど、そういう所どころで弱いなと
感じてしまった。これ演技が達者な俳優ならとても面白い
場面になったでしょうに。思わず白目になって
「おそろしい子!」とつぶやけたでしょうに。残念。
だからか主役なのに脇役(三銃士)に食われているなと
感じました。好きな人物だから非常に残念!
演出については・・・
最後の見せ場である戦いのシーンはもうモジモジして
しまった位ベタで恥ずかしかった。
まるで70年代の少女漫画を読んでいる気分。
案外あんなシーンは漫画だともっと盛り上がったかも。
だけど・・これも少女漫画チックだけど、紅い薔薇は
魅せられました。あの薔薇の使い方はとても好きです。
ストーリーは少女漫画である「ブルボンの封印 」よりも
もっと少女漫画らしかった。
解釈の仕方はこれとも全然違うんだけど楽しめました。
もっと色んな解釈を読んでみたくなったじゃないか。
ブルボン~ではルイのバカ王っぷりが少し弱くて
とにかく恋に燃えた哀れな男という描かれ方で
最後弟(こっちはジェイムズ君)によって鉄仮面を被らされ
幽閉するところは悲しかったけど、こちらはとことんバカ王
っぷりを見せ付けられたので「ざまーみろ」と思ったりして。
映画としては・・・好き・嫌いが激しく分かれそうな作品。
とりあえずモジモジしながら鑑賞するのも良いかもしれません。
漫画レビュー 「ブルボンの封印」
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