黒の天使 vol.2(1999年)

WOWOWの「GONIN」シリーズ一挙放送記、石井隆特集でエアチェックした「黒の天使 vol.2」を鑑賞…1作目の時点で“vol.1”と銘打たれていたので、元々と続編ありきの企画だったのだろう。ただし「GONIN」と「GONIN2」の関係のように、ストーリーの繋がりは皆無。vol.1で高島礼子が演じた女ヒットマン(黒の天使)・魔世は再登場するものの、こちらの作品では天海祐希が演じており雰囲気は異なる。そこは007のジェームズ・ボンドと一緒だよ…同じキャラなんだけど、微妙に設定が違うようなっていう。難しい事を考えず、役者の違いを素直に楽しみましょう。
殺し屋の魔世は、組織からの依頼で東陽組組長の命を狙っていた。駐車場で暗殺を実行した、まさにその時、男女二人組の別のヒットマンが現れ、組長に発砲!しかし二人組は襲撃に失敗…すかさず魔世も行動を開始するのだが、組長のボディガードしていた組員・山部の顔が自分の知っている男の顔とダブリ、躊躇。その隙に山部に反撃されてしまう。魔世は咄嗟に避けたが被弾、さらに流れ弾が近くにいた通行人に当たってしまった!一方、事件に巻き込まれ、夫も失った小村すずは…事件の背後に東陽組が関わっていると知り、復讐を企てる!
vol.2も公開当時に見ていたが、天海祐希が出ているのと、もう一人のヒロイン、片岡礼子がレイプされるってくらいしか覚えていなかった。うん、記憶は正しかった…夫殺しの犯人を教えてやると、知人に騙され、ラブホに連れ込まれた片岡礼子が、ふんどし姿で刺青入れた寺島進に、シャブを打たれ、襲われるシーンがやっぱりあった。ハードなエロスが付き物なのも石井隆作品の特徴、礼子姐さんがっつり脱がされてます。天海祐希は片岡礼子ほどじゃないけれども…下着姿は惜しげもなく披露しており、背中ヌードは色気を越えた逞しさが伝わってくる。
さすが宝塚の男役で人気を博した祐希姐さん…素早い銃さばきもお手の物で、立ち振る舞いが様になっている。vol.1の葉月里緒奈、高島礼子よりもアクションの素質はあるな。そういえば、宝塚退団後の初主演映画も「クリスマス黙示録」ってアクション映画だったよね?大昔、アナログ時代のWOWOWで見たことがあるけど、なんか久しぶりに見直したい。確かね、セガール映画でお馴染みのキオニ・ワックスマンが監督をやってるんだよ。世間の評判はあまりよくなかったけど、「ハート・ブルー」のロリ・ペティなんかも出てて、オイラはけっこう好きだった。
やっぱりストーリーの関連性はなかったけど、魔世が殺し屋の世界に足を踏み入れるきっかけになったのであろう、過去のエピソードが紐解かれていたりして、vol.1以上に魔世が主役の映画にちゃんとなっているというのが理解できる。また、さりげなくなんだけれども「GONIN」シリーズとのリンクがちょっと垣間見えたりするのもvol.1よりも石井隆らしくていいかなって思った部分だ。先述の寺島進しかり、常連俳優たちの存在もいい。殺しの仲介役で出てくる鶴見辰吾はまさかの女装、オカマだし、前作とはガラリと変わった山口祥行さんの正統派ヤクザも素敵!
監督:石井隆
出演:天海祐希 大和武士 片岡礼子 伊藤洋三郎 鶴見辰吾 山口祥行 寺島進 野村祐人
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黒の天使 DVD-BOX(Vol.1&Vol.2)