北欧サスペンス「犯罪心理分析官インゲル・ヴィーク」(2015年)

月イチで海外ドラマの新作ミニシリーズを一挙放送するWOWOWのWOWOWプレミアにてエアチェックしておいた北欧サスペンス「犯罪心理分析官インゲル・ヴィーク」を鑑賞。北欧サスペンスと銘打たれた作品は過去にもいくつか登場し、シリーズが続いているものもあるけれども、今回の作品は初お目見えのシリーズだ。自分は読んだことがないんだけど、日本でもいくつか出版されているアンネ・ホルトというミステリー作家の未翻訳作品の映像化だそうだ。原作だと思われるModus - Fear Not.という洋書がAmazonで検索できたが、在庫切れだった。
元FBIのプロファイラー、インゲル・ヨハンネ・ヴィークは、現在、ストックホルムの大学で研究に従事している。ある日、妹の結婚式に2人の娘と出席していたのだが、自閉症の長女スティーナが、滞在先のホテルの部屋から抜け出してしまう。その時にスティーナは、同じホテルに宿泊している料理研究家が殺されるところを目撃。そして、犯人の男から逃げようとし際に、車に轢かれそうになるのだが、間一髪のところで犯人に助けられる!それ以来、様子がおかしく、何かに脅えているようなのだが、インゲルは協力依頼のあった殺人事件の捜査に気を取られ…。
最初のうちは情報が小出しで、主人公一家をとりまく環境なども把握しにくい。どうやら、旦那とは離婚しているようで、別居状態。2人いる娘のうち、長女の方が自閉症で…かなり溺愛してるんだけども、ちょっと持て余し気味なところもあったりと。その自閉症の長女が、あろうことか殺人の現場を目撃しちゃうんだけど、直ぐには事件が発覚しない。なんとなくレイ・リオッタに雰囲気が似ている男が犯人で…この男は誰かから命令を受けて、その後も殺しを続ける。そして主人公一家につきまとい、自閉症の長女に「余計な事をいうな」と脅しをかけたりもする。
一方、主人公は偶然再会した知り合いの刑事から、女性司祭殺しの捜査協力を求められる。実は、その殺人こそが…オイラが勝手にレイ・リオッタ似と称したあの犯人の仕業だ。主人公は娘の異変を薄々感じながら、次第に事件の捜査にのめり込んでいく。その過程で…娘が目撃した殺しも発覚。さらに、殺人犯による犯行は続く。警察に事情聴取を受ける関係者がみんな何か隠し事があるようで怪しいそぶりを見せる。もしかして殺される原因を知ってるのか?一見、無作為に見えた被害者も、数が増えていくことで、密接につながっていることがわかってくる。
早い段階で…犯人の男は、カルト教団の信者で、教祖らしき人物からの指示で、同性愛者たちを血祭りにあげていると判明。あとは、主人公たちがその事実に、いつ気づき、犯人の正体を突き止めるかって流れになる。それにしても、事件の全体像が見えてくるまで…事件に巻き込まれる同性愛者たちの関係性がわかりにくかったよ。ホモとレズのカップルがいて、共同で子供を育てている…いったい誰と誰の子なんだよとか。そしてレズカップルの片方は新たにご懐妊中。関係が複雑だからこそ、憎悪や嫉妬も色々と渦巻いてるわけで余計にややこしくなる。
主人公もあんだけ子供、子供って言ってるのに…案の定、事件の真っ最中に刑事といい関係に!まぁ、離婚してるから“不倫”にはならんのだけど、なんとなく別れた旦那は気にしている様子。ってか、刑事の方も…子供を亡くしてから離婚してて、主人公とくっつ前は、同僚の既婚女刑事(?)とも不倫関係にあった。犯人とかわかっちゃってるのに、全部で8話あるドラマですからね…そのくらいグチャグチャドロドロしてないと、間が持たないですよね(笑)前半に比べると、後半は自閉症長女の事件への関わり方が肩透かしで物足りなく、少々残念だった。
監督:マーニー・マセラート・アガ リサ・シウェ
出演:メリンダ・キナマン ヘンリク・ノーレン マレク・オラヴェック シーモン・J・ベリエル クリスター・ヘンリクソン
【原作らしい洋書を発見!】
Modus - Fear Not. TV Tie-In