es [エス] | 桜さんの映画鑑賞日記

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es [エス] 2001 ドイツ

DAS EXPERIMENT
THE EXPERIMENT

心理学会を震撼させた“実験”

被験者求む。
・拘束時間:2週間
・報酬:4000マルク
・応募資格:不問
・実施場所:大学内模擬刑務所


ポニーキャニオン
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30年ほど前、スタンフォード大学心理学部でひとつの実験が行われた。

それは公募で集まった人間を看守役と囚人役に振り分け、模擬刑務所内においてそれぞれ与えられた役割に従って行動させ、肩書きや役割が人間の行動に与える影響を調べるというもの。

しかし、看守役の被験者は次第に支配的、攻撃的に、囚人役の被験者たちは受動的、服従的になっていき、ついには囚人役の何人かが重度の情緒不安定に陥り、当初2週間の予定だったこの実験は6日で中止となってしまった。

以後、こうした実験は倫理的に問題が大きいために全面的に禁止されている。

本作はこの有名な心理実験を基に描いた問題作。

モントリオール国際映画祭にて最優秀監督賞を受賞。

 スタンフォード大学心理学部ではある実験をするため、被験者となってくれる男性を公募した。集まった20名ほどの被験者は無作為に「看守役」と「囚人役」に分けられ、学内に設けられた模擬刑務所に収容された。

初めはそれぞれの役を演じるだけの簡単なアルバイトと誰もが考えていた。

しかし、実験が進むうち、「看守役」の攻撃的な振る舞いはどんどんエスカレートしていく。

それに対して、「囚人役」は卑屈に服従するのみで、まったく抗議できなくなっていく。

いつしか、模擬刑務所内は単なる実験の枠組みを越えて、もはや誰にも制御不能の状態に陥っていく……。




監督: オリヴァー・ヒルシュビーゲル Oliver Hirschbiegel


出演: モーリッツ・ブライブトロイ Moritz Bleibtreu 囚人番号77/タレク
クリスチャン・ベルケル Christian Berkel 囚人番号38/シュタインホフ
オリヴァー・ストコウスキ Oliver Stokowski 囚人番号82/シュッテ
ヴォータン・ヴィルケ・メーリング Wotan Wilke Mohring 囚人番号69/ジョー
ユストゥス・フォン・ドーナニー Justus von Dohnanyi 看守/ベルス
ティモ・ディールケス 看守/エッカート
ニッキ・フォン・テンペルホフ 看守/カンプス
アントニオ・モノー・ジュニア Antoine Monot Jr. 看守/ボッシュ
エドガー・セルジュ Edgar Selge 教授
アンドレア・サヴァツキー 助手
マレン・エッゲルト Maren Eggert ドラ



★★★★★☆☆☆☆☆

この作品って評価高いんですよね。

でも生理的に合わないだろうなぁと後回しにしていました。

やはり合わなかった・・

しかも生理的になのではなく演出的になんとも思わなかった。

最近こういう込み入った精神にくる映画を観ているので慣れてきたのか、

それともあまりにストレートすぎて推理とかの面白さがなかったのか・・

題名からしてesというのはそのまんまじゃあないですか

ミスチルの曲でesという曲がありましたが・

その曲が好きで曲が流行ったころ(自我)の意味を知ったのですが、

この作品の題名を見た瞬間すぐにわかってしまいました。

ので過度の生理的な嫌悪感と心理描写の演出への期待感がありました。

ドイツ語のesと精神分析語のesと映画の題名は同じなのかは知りませんが、

私はこのふたつをかけた言葉だと思います。

暴力はいけない・・

そういうルールで始まってはいるものの、

どこまで自分をコントロールできるか、

看守のグループのほうに注目していました。

先入観からかドイツ=ナチなら人体実験とか妄想してしまい、

よほど問題映画に違いないと勝手に思い込んでいましたから、

このくらいの描写なら「フルメタル・ジャケット」のほうが残忍ではと・・

もちろん題材が戦争映画なのでそれと比較はできないのですが、

やはり演出という点では囚人グループの精神描写は描けていても、

看守グループのほうが今イチでした。

結局は大元の研究グループのずさんさからあんなことになってしまったのですが、

ずさんだから悲劇が起こり明るみに出たという結果論も・・


ネタバレ↓




あのピストルを空砲だといって持っていた看守・・

ああいう所持物の点検はどうなんでしょう。

誰が悪いかといったら一番はこいつでしょう。

博士を殺しちゃったら研究の追及ができないよねぇ・・

怖さといえば「ドクター・モローの島」のほうが怖い。

一般人が豹変していく怖さが描けていたかといえば、

この作品はちょっと疑問でした。

主人公の記者から始まったイザコザが多いので、

都合がよすぎるのと感情移入ができない。

看守の上官役も生理的なことを言われたことが原因というだけでは・・

エスカレートしていくさまが説得力が薄い。

やはり「SAW ソウ」のほうが架空のサスペンスで面白かったなぁ。

あと、期待していた後味の悪さもあまり感じなかったのです。

自分がどの役の目で観るかといえば・・

客観的で見てみぬふりでも最終的には囚人の軍人です。

じっとおとなしくしている方だと思います。

牛乳は大好きだし我慢強い方だと思うし、

それとも途中でやめさせてほしいと頼む囚人。

ジェネオン エンタテインメント
海と毒薬 デラックス版

こういう映画を観ようと思っているくらいなので・・

ちょっとまだまだ実話を元にしたといってもどうなんでしょうか。

いや・・邦画のほうが怖いかも。