ヤングフランケンシュタイン | 映画チラシ評論家のブログ

ヤングフランケンシュタイン

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なにがこの映画をそれほどヒットさせたのか?- この映画は怪奇映画の古典「フランケンシュタイン」を徹底したパロディにしたもので、ポリス・力―ロフ主演の原版に敬意を表してモノクロで撮影された。

大スターは出ていない。パニック映画の超大作とは比較にならない一見、地味な映画だったが、超大作に匹敵するヒットになったのだから、これが大事件にならないわけはない。

珍優、名優の怪演、うまさ爆笑。この映画のまえではアンディ・ウォーホルがフランケンシュタインに題材をとった「悪魔のはらわた」なんて子供の作った映画だ。

「こんな種類のクレイジーぷりは近年の映画になかった。メル・プルックス監督はあなたをどうしようもないほど笑わせる」(ニューヨーカー誌)アメリカのマスコミは筆をそろえてこの映画のNOWな笑いを絶讃した。

人造人間で有名なフランケンシュタイン博士のひ孫フレデリック(「星の王子さま」のジーン・ワイルダー)が遺言によって家督を継ぎ、フィアンセのエリザペス(「ペーパー・ムーン」のマドライン・力-ン)と別れてトランシル八二アヘ行くことになる。

フレデリックは有名な脳外科医で大学で教べんをとっているが、講義風景、エリザベスとの駅の別れがまづ豪快に笑わせる。

セムシの家僕イゴール(ギョロ眼でこの映画が本格的主演第一作の珍優マーティーフェルドマンで、彼の至芸がこの映画の圧巻)と、老家政婦フラウ(コフスト・シヨー)でオスカー受賞の名女優クロリス・リーチマンフレデリックは、祖父がモンスターを作った実験記録を読んで、自分も実験して見た教会の某地から大男の遺体を盗みだし改造人間の研究にはげむ。

”天国にのぽるゥ‘の名セリフ。快調のジョーク、ナンセンスの連続パンチ。この映画のおかしさを文章で伝えることはむつかしい。ストーリーより、連続パンチのナンセンス、ジョーク、ギャグこそこの映画のエッセンス。

エリザベスが、7回セックスし、”天国にのぼるゥ″と叫ぶ名セリフのおかしさ。学術発表会でフレデリックとモンスターが、アステアばりのダンスを見せたり、奇想天外な展開で次から次と新手のギャグが飛びだす。

ジーン・ハックマンがたくみな変装で登場して笑わせるのもファンには見逃せない。
狼男のぽえる声が間えたり、名作映画の名場面をもじったり、映画通には別のおかしが盛りこまれており映画マニアを狂喜させている。

哀調ただよう主題曲”ペンシルバ二アの子守唄″が絶品。