霜の朝 | 小人閑居

霜の朝

夜、晴れていて星がきれいに見える冬の夜が好きだ。容赦なく冷え込んで、静かに霜が降ってくる。


霜の朝。


何もかもが凍って、真っ白になっている。空気は透き通って、空は高く硬い青色。明るい太陽の光も冷たくて、気持ちがいい。深呼吸をすると冷たい酸素が指の先まで一気に体温を奪う。思わずくしゃみをする。


ジムニーももちろん、真っ白に霜で凍り付いている。ゴムのへらで窓をこすると、カリカリ、と気持ちのいい音をたてて霜がはがれて落ちてゆく。


窓の周りに少し残った霜が太陽の光を反射して光っている。それがなんとなくおいしそう。家も山も垣根も木も霜で真っ白に凍てついている。


工房の石の家まで行くルートで北斜面の下りは凍り付いているだろう。もちろん、路面の凍結を避けるために岩塩がまかれているとは思うけれど。でも、念のため、北斜面に入る直前で四輪走行に切り替える。軽い衝撃とともに路面のグリップが安定するのがわかる。クラッチの感じ、ギアの切り替え。木漏れ日。羊の声。


もう少し遠くまで行きたい、霜の朝。



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とにかく、霜の朝が好きです。冷たい空気に喝を入れられた気分。小さくうずくまってないで、しゃきっと背筋を伸ばしていこう。