ここで待っている | 小人閑居

ここで待っている

かたん。


音が聞こえる。金属の触れ合う音。重たい鎧。


どんなに重くても、鎧を纏わなければならない世の中というものがある。気持ちが重くなり、その重さにため息をつくけれど。のろのろとした動作でゆっくりと今日も鎧を着けている。


あなたがこぶしを振り上げ、戦う相手とはいったい誰なのか。いったい何のための戦いを戦い抜こうとしているのか。


後姿に問いかけてみたくなる。


なんで、一人ぼっちで飛ぶの。


一人だけど、一人ぼっちじゃないよ。君がいるから。


それならば、わたしが生まれてきた意味というものもあるのだろうか。いたずらに机上の空論をもてあそび、理想論をキレイな言葉で連ね、自分の抱えた暗闇を隠蔽することしかできないわたしにも、生まれてきた意味というものがあるのだろうか。


わたしはここにいつまでもいよう。あなたを待っていることとしよう。今度、あなたが来たら、わたしの手でゆっくりとその鎧を取り外し、あなたがわたしの膝の上で憩えるように。


生まれてきてよかったとそのときにはじめて確信できるだろう。











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追記(10月14日午後)

そんなことを言いながら、やっぱり待つのが嫌いなんですよ(笑)。それで、追いかけてったり、待ってられないって怒ったり。なかなか、自分のしたいことが上手にできない今日この頃です。