ここで待っている
かたん。
音が聞こえる。金属の触れ合う音。重たい鎧。
どんなに重くても、鎧を纏わなければならない世の中というものがある。気持ちが重くなり、その重さにため息をつくけれど。のろのろとした動作でゆっくりと今日も鎧を着けている。
あなたがこぶしを振り上げ、戦う相手とはいったい誰なのか。いったい何のための戦いを戦い抜こうとしているのか。
後姿に問いかけてみたくなる。
なんで、一人ぼっちで飛ぶの。
一人だけど、一人ぼっちじゃないよ。君がいるから。
それならば、わたしが生まれてきた意味というものもあるのだろうか。いたずらに机上の空論をもてあそび、理想論をキレイな言葉で連ね、自分の抱えた暗闇を隠蔽することしかできないわたしにも、生まれてきた意味というものがあるのだろうか。
わたしはここにいつまでもいよう。あなたを待っていることとしよう。今度、あなたが来たら、わたしの手でゆっくりとその鎧を取り外し、あなたがわたしの膝の上で憩えるように。
生まれてきてよかったとそのときにはじめて確信できるだろう。
*********************************************
追記(10月14日午後)
そんなことを言いながら、やっぱり待つのが嫌いなんですよ(笑)。それで、追いかけてったり、待ってられないって怒ったり。なかなか、自分のしたいことが上手にできない今日この頃です。