掃除を毎日しない主義 | 小人閑居

掃除を毎日しない主義

キレイ好き、というものは非常にいいことだとされている。

たとえば、掃除機なんか、毎日かけている人がいる。台所の雑巾やタオルなんかを毎日、漂白剤で消毒している人もいる。テーブルの上なんか、きちんと殺菌効果のある洗剤で一日10回も20回も拭く人もいる。石鹸なんかもやっぱり殺菌効果のあるものを使っている人もいる。棚の上や窓の枠なんかのほこりをせっせとふき取る人もいる。

私は、それができない。しょうがないので、毎週土曜日の朝に、一家に号令をかけて上から下まで掃除をする。でも、それだけ。まあ、台所は毎日掃除していますけど。

要するに、あれだ、姑が来て、障子の桟に指を走らせるとばっちりほこりがついて、「まあ、あなたってきれい好きねー」っていやみを言われるタイプ。

しかし、そんな私やあなたに朗報がある。

数年前から、ここ10年ほどの間に子供たちの間で喘息やアトピーなどのアレルギーが激増したと言われている。その原因は、空気の汚染にある、とか、食品添加物にある、とか、いろんな説があった。しかし、まことしやかにささやかれている説に、「お母さんがきれい好きだと、子供のときに十分に雑菌に触れないので、免疫が健全な成長を遂げることができない」ために、免疫の過剰反応としてこれらのアレルギーがあるのではないか、というものがある。

私の周りを見ても、確かに、キレイ好きのお母さん(お父さんでもいいんだけど)の子供に限ってアトピーだったりする。ちなみに私の息子のYはアレルギー全くなし。

何でも、幼児期の免疫のシステムと、大人になってからのシステムは反応の仕方がちがうらしい。それで、幼児期にきちんと雑菌に触れておかないと、大人のシステムへの移行がうまく行かない、とか。それで、いつまでたっても過剰反応をする幼児期の免疫システムが残り、それがアレルギー症状となって現れる、とか。

さて、今日、ブリストル大学の研究チームが発表したところによると、漂白剤や芳香剤などの家庭洗剤をよりたくさん使用する「キレイ好き」の家庭において、よりたくさんの子供がアレルギーを発症しやすくなるそうだ。今のところ、それは、家庭用洗剤による空気の汚染のためなのか、肺への影響なのか、よくわかっていないらしい。

確かに、生肉なんかはサルモネラや大腸菌など怖い菌がいるわけだから気をつけたい。けれど、床の上にそういった菌がたとえば落っこちていても、床の上でものを食べるわけでは無し、障子の桟の上にそういった菌が住むわけでもなし。

だから、そんなに目くじら立てないで、掃除を毎日しない主義でのんびり行きたいものである。ほら、うちの子供はアレルギーなくて、健康に育ってるじゃないですか。