最近読んだ本のコーナーです。
双葉文庫 誉田哲也(ほんだてつや)著
「ヒトリシズカ」
誉田哲也氏の作品には、ドラマ化・映画化された物が
結構知られていると思います。
竹内結子さんで「ストロベリーナイト」
黒木メイサさん、多部未華子さんで「ジウ」
成海璃子さん、北乃きいさんで「武士道シックスティーン」
そしてこの「ヒトリシズカ」も、10月にWOWOWで放送予定です。
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6編からなる短編集ですが、一人の女性に係る連作なので
一つの長編と思っても差し支えないと思います。
物語の始まりでは、「静加」は年齢的に女性と言うより少女です。
しかし彼女の内面はすでに自己を確立した人間です。
しかも、かなり歪んだ方向へ。
第一章で起こる射殺事件は、地味な展開で書かれていますが、
この地味さは、中盤から後半の盛り上がりに繋がります。
各章で起こる事件に何人かの女性が絡んでくるのですが、
その正体とは? そしてその目的とは・・・・・?
中盤で静加の幼少期が描かれ、心の歪みが明かされます。
しかしそれさえも・・・・・。
最終章では何が描かれているのか・・・・・?
それは思いもよらない結末でした。
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各章での出来事は、それぞれ違う人物の目線で書かれ、
それが一つの中心核にどう関係して行くのか・・・・・。
派手さのなさは感じられますが、次の展開への期待感から
じっくり噛みしめながらも、一気に読み切れてしまいました。
ドラマ化向きな連作短編集になっているのが上手いですね。
ドラマは夏帆さんの主演だそうです。
今から楽しみ。