バスマ ｖｓ ＫＦＣ
はい、こんにちは！
いつもいつも色々な物と戦っている私ですが、私だってこう常にプンスカしているわけじゃございません。
これでも普通の乙女ですので、元気なときもあればそうでないときもあるのです。そんでもって、優しくされると恋とかしそうになっちゃったりするのです。
対戦相手 ： べコベコのトレー
場所 ： ＫＦＣ （ケンタッキー・フライド・チキン）
また去年の夏の話でございます。
去年の夏はほんとに暑かった。エジプト人でさえ暑いと言ってダウンする人がいたくらいです。
私は前にも書きましたが暑さにめっぽう弱いたちでございまして、そのくせオフィスは極寒で、夏休みシーズンだっただけに仕事は目が回る忙しさ。ホテルは改装中で狭い部屋に追いやられ、暑さと湿気で毎晩眠れず…そんな日々をすごしていたのでいつのまにか食事は1日に1食に。ホテルで朝食は出るんですけど食べてる時間がもったいない。それなら寝る！！という感じでしたし、仕事は日本人私1人でやってましたから、ご飯食べに行っててその時間にお客が来たら・・・と思うと食べにいけず。
こんな暮らしでさすがの私も体力が衰え、さらにストレスと不規則な生活からか胃痛も発生。
さすがにもう限界・・・みたいな時でありました。
泊まっていたホテルは料理禁止（・・・とはいえ、キッチン担当はびーびだったので勝手にやっても怒られませんでしたけど）、だから食料は外から仕入れるしかございません。生憎その日はグループが来ていてレセプションは大忙し。私も一応客ですが、対応は後回しにされ、デリバリーを頼むこともできません。
しょうがない・・・買いに行くか。ふらふらになりながら私は意を決して外へと繰り出します。が、夕方７時でもまだまだ暑いエジプトの夜。外に出たことを後悔しながらホテルから一番近いＫＦＣへと入店いたしました。
正直肉なんかにかぶりつく元気はありませんでしたから、ライスとサラダとペプシ（水がなかった）という何のためにＫＦＣ来てんだよ！みたいなメニューを頼んで商品を待っておりました。その間も私はめまいに襲われ、たった数歩のホテルまでたどり着けない、と思った私は持ち帰らずにその場で食べていくことにしたんです。ホテルの部屋で食べたら臭くなるし、キッチンはグループで溢れてましたしね。
エジプトのファーストフードのトレーってみんな何故か真ん中が盛り上がってかなり不安定なんですけど、そこに頼んだ商品を乗せて2階へと上がる私。空いてる席を探し、席に座ろうとしたその瞬間！！！
隣の席のおばちゃんが急に立ち上がり、衝突。ただでさえフラフラな私は踏ん張りきれず・・・
バコ！！！！・・・・ご飯が落下しました。入れ物のフタもはずれもう食べられない。
あぁぁ・・・と思ってそれを拾おうとした瞬間・・・
べコ！！！・・・・・・サラダも落下。
サラダを拾って立ち上がり、バッグからティッシュを出そうとした瞬間・・・
バシャーン！！！！・・・・・ペプシも落下。
なんだ、今日は。厄日か？頼んだもん全部落ちるなんて・・・。何食うんだ、私。
何故こんなにも・・・あぁ、アッラーよ、ひどいじゃないか。私はこんなに弱っているのに・・・
泣く泣く落ちたものの掃除をしようとしゃがみこんだ瞬間、ＫＦＣのスタッフのお兄ちゃんが
「No, No! Leave It!!!」 と、まるで天使がふわっと舞い降りたかのようにやって来ました。
そうは言われても・・・だが、お兄ちゃんは笑顔で「服は大丈夫か？今掃除するからそっちに座ってて」と。
いや、座ってて、と言われても座ったところで何も食べるものは残っていないんですけど・・・。でも、お兄ちゃん掃除終わるまではここにいよう。ありがとう、兄ちゃん。
何度もモップを手に行ったり来たりする兄ちゃん。「大丈夫だから、気にしないで」と眩いばかりの笑顔。
掃除を終えた兄ちゃんが戻ってきたので御礼をいって帰ろうと思ったその時！！！！！
なんと兄ちゃんの手には新しいサラダとご飯が！！！！！
「ペプシは今持って来るからちょっと待ってて」
兄ちゃん・・・惚れちゃうじゃないか！！！！！！！！
こーゆーことってサービスとして当たり前なのかもしれないけれど・・・でも、弱っているときに人に優しくされるほどありがたいことってない。しかも、兄ちゃん・・・イケメン
私が自分から電話番号を聞きたい！婚約してるか知りたい！！！！と思った数少ないエジプト人が2人だけいるんですけど、彼はその1人でございます。でも・・・恥ずかしくって聞けず。その後も、そのＫＦＣに行く度にあの兄ちゃんを見てはお腹も胸もいっぱいにする私であります。しかも兄ちゃんも覚えててくれて必ず特上のスマイルをサービスしてくれる…
もしやうちら…相思相愛！？
フラフラ足元 ― マックにまけないＫＦＣスマイル（K.O.)
これまでの勝敗 １１勝１6敗１引き分け