バスマ vs ニワトリ | これだからエジプトは…おもしろい!!

バスマ vs ニワトリ

対戦相手 : ニワトリ

対戦場所 : 肉屋




エジプトの肉屋さんはグロい。きっと初めて見る人はかなりの衝撃をうけるはず。

atsuuuさんのサイトより(写真がたくさんの素敵なサイトです。お気に入りにリンクあり)
肉屋

屠りたてほやほやの牛がそんまんまぶら下がってます。夏は白い布でぐるぐる巻きですが、ハエまみれ。
温室育ちの私にはこれはかなりの衝撃でした。肉なんてジャスコに行けば好きなカットで好きな重さだけ買えるもの、という常識が覆されました。まぁ、今ではなんとも思わないですが…切り口から血が垂れてたりね。で、下が鳥肉屋さん。

肉屋鳥肉バージョン

まぁ、ご覧の通り。
ある日私は親子丼が無償に食べたくなってもうたまらん!ってなばっかりに肉を買いに出かけました。『スーパーだと高いけど、お肉屋さんなら安いよ、新鮮だし!』という先輩の言葉を元に近所の肉屋へ肉を目指して行ったわけですよ。

「すいませーん、肉ほしいんだけど…どうやって買うの?」
「お、ねーちゃん中国人か?うちの肉はうまいぜ~」
「日本人だよ、いいからどうやって買うの?」
「日本人!トヨッタ~!!ナンバル・ワン カール(No.1 car)グッド!
「ありがと、うちはホンダだけどね。いいから肉!!」
「ホンダもグ~ッド!!日本人の女も…グッド!
「おっちゃん、いい加減に肉!!!友だち来ちゃうんだよ。美味しい肉食べさせてやってよ」
「お、そうか。まかせろ!んで、どれだ?ニワトリ?ガチョウ?七面鳥??」
「いや…ニワトリで。」
「そっか、コーコか。コーコ、コーコ。んじゃ、選べ!」
「選べ?ってどこから?」
「お前の周りにいっぱいいるだろうが~!どれでも好きなの選べ!」

選べって…写真でもお分かりのようにこう大量にある木の籠の中には鳥がギューギュー。その中から選べと。えぇぇ~そんなぁ。んじゃ私が選んだこは食べられちゃうのね…(私に)。日本人は勝手なもんで食べるくせに殺すのは…という人が多い。『生き物から命をもらっている』ということを忘れがち。私もそんな1人でした。
あんなちっちゃい籠に入れられてたら狭くって鳥も動けない。元気かどうかなんてわかるか~い!

「おっちゃん、私わかんないよ。おっちゃんにまかせるから、頼むよ」
「よしきた!じゃあ…こいつだ!んで、どうする?そのまま持ってくか?」
「そのまま持ってく?ってことは私が捌くんかい!無理無理無理!」
「がっはっは。ねーちゃんじゃちっちゃくて骨も折れねーよな。よっしゃ、ちょっと待ってろ!」
と、おっちゃんは店の奥に…。もしや今、奥では…ニワトリ…。

数分後、おっちゃんが戻ってきた。手を真っ赤に染めて。
「皮持ってくか?いる?」
「いらない、いらない!!!内臓もいらない!」
「OK、じゃ、これで!ほーらよっと」
渡されたのはビニール袋に入ったまだ温かい肉の塊。あの温かさに、この衝撃に気をしっかり持たないとぶっ倒れるかと思った。おっちゃんにお礼を言いつつ倒れないように必死で歩いた。私たちは命をもらっている、と言うことを考えながら…。

ドクロ 温室育ちの日本人 ― 「命」を教えてくれたニワトリ ヒヨコ
これまでの勝敗 3勝4敗