PMJとは、1928年に医者であり心理学者でもあるヤコブソンが開発した筋肉の緊張緩和トレーニングである。
彼は緊張、不安などといった、精神的な動揺が筋肉に与える影響が大きいという事をつぶさに観察し、1930年代に体系化された。
時期を同じくして、アメリカでは「自律訓練法(Autogenic Training)」が導入された。PMJもこれによく似た、自己催眠による疲労回復、ストレス緩和、仕事や勉強の能率向上、抑鬱(よくうつ)や不安の軽減などの効果があるといわれている。

自己催眠と言ってもかなり省略した形なので、PMJは男性向き、自律訓練法は女性向きと言われている。

先週は先生が行い、生徒側が受けるという形をとったが、今日は生徒が一人前に出てその他の生徒を誘導するという形をとった。

実施方法は、ゆったり座って、目をつぶってもらう。
利き手でぎゅっと拳を握り、肘からしたの筋肉に力を入れてもらう。(7秒ほど)
吐く息と同時に緊張を解き、力を入れる前の筋肉の状態と今の状態を比較してもらいながらリラックスしてもらう。
次は利き手でないほうの腕を緊張させ・・・。
というふうに、首や肩、顔、足など体全体の緊張と弛緩を繰り返していくという単純なもの。
これが意外にもリラックス効果が高いと感じた。
もちろん先週のように先生が誘導してくれたときが最高に効果を感じたけれども、まったくの素人である生徒が催眠誘導するというのは至難の業で、資料にどんなことを言ったらいいか、きちんと台詞が書いてあったのにもかかわらず、そしてドイツ語を母語とするドイツ人でさえもみんなの前だとかなり緊張してうまくいかないのである。
生徒の何人かは誘導役をやらない!と拒んでいたけれども、みんなの前で恥をさらすという経験にはもってこいだと思った私は、ちゃっかりとやらせてもらいました。かなり緊張したし、そしてつっかえつっかえでこんなんじゃ全然だめだわーとがっくりきたけど、これもいい経験になりました。
思った以上にゆっくり話し、緩急や抑揚をつけて誘導することの難しさを実感したのでした。