2012
158分 米 2009年
監督 ローランド・エメリッヒ
製作 マーク・ゴードン ハラルド・クローサー
ラリー・フランコ
脚本 ローランド・エメリッヒ ハラルド・クローサー
音楽 ハラルド・クローサー トマス・ワンダー
撮影 ディーン・セムラー
出演 ジョン・キューザック アマンダ・ピート
ダニー・グローヴァー タンディ・ニュートン
オリヴァー・プラット キウェテル・イジョフォー
ウディ・ハレルソン ジョージ・シーガル ほか
【完全ネタバレ】
破壊神エメリッヒの大創造。★★★★★
〔ストーリー〕
マヤ暦による2012年終末説を題材に、『インデペンデンス・デイ』『紀元前1万年』のローランド・エメリッヒが手掛けるディザスター・ムービー。
地球滅亡を目前になすすべもない人々が、巨大な自然災害から必死に逃げまどう姿を描く。偶然にも地球の危機を知ってしまうリムジン運転手に『ハイ・フィデリティ』のジョン・キューザックがふんし、大事な家族を守るために奔走する。
「2012年になる前に観ないとな」と、去年(2011年3.11以後)に初めて観た。
DVDを観ている間に、TVで何か速報があるのではないかとどうも集中できず、もうちょっと冷静になってからもう一度観ようと思っていた。
二度目に観ても、感想は変わらず星5つ。
映画はやはり観るものなはずで、映像はもうキョーレツ。
エメリッヒ監督はありとあらゆる自然災害や破壊をやってしまって、壊してないのは地球そのものくらいじゃないかな(笑)
この手の映画にストーリー構成がどうとか、キャラクター構築がどうのというのは野暮で、実際どうってことないと思う。
ただ冒頭、フリとなるおもちゃの船を転覆させるカットをはさんでいたりと、超大作ながらそれ程大味でもない。
複数の登場人物をパラレルに描く手法や約束された人々だけが延命の権利を得るなど「ディープ・インパクト(1998)」を連想させる展開が多い。
米国大統領がアフリカン・アメリカンてトコも一緒で、この映画ではダニー・グローヴァーが演じていた。
それぞれの人物がクライマックスで人類の希望である「方舟」に集結するところは何とも小気味いい。
主人公ジャクソン(ジョン)には別れた妻との間に二人の子供がいる。
その元妻ケイト(アマンダ)は子供たち、また彼女の恋人であるゴードン(トーマス)と4人で生活していた。
この恋人ゴードンがクライマックスで都合よく死んでしまい、ジャクソンら家族4人は元の鞘に収まってめでたしめでたしの展開には辟易(笑)
ステップペアレントが当たり前だという今の米国では「血のつながった家族」すらファンタジーなのかもな、と思ってしまった。
元妻ケイトら4人がリビングで朝食をとっていると、ドーンと地震が来る。
このカットは今の日本にとってホントにホラーだ。
ホンモノの恐怖シーンだなとドキッとなる。
前半はその怒涛の映像とチャーリーという終末を予言する変人が面白くしてくれるんだけど、演じるのはウッディ・ハレルソン。
なんか楽しんで演じてるなぁ、という印象(笑)
「ラリー・フリント(1996)」などでもそうだけど、すっとんきょうな役が似合うなぁ。
このチャーリー、エメリッヒ監督自身かなと想像した。
劇中、地殻の崩壊が2012年の12月より早まりロンドンオリンピックよりも前という展開だから、ちょうど今頃を描いているのかも知れない。