作戦No.023【拳と巨獣】 | 地球防衛軍第7支部(凍結中)

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―2025年11月6日 12:22

―日本 どっかの住宅街―

「……………」

 突然だが、今―――エリス隊員は非常に困っていた。

 どのくらい困っているかと言えば、コンビニでお弁当を買って、いざお昼にしようと思ったら割り箸が入ってない!?と気づいて途方に暮れるくらいにだ。

 では、実際に何が原因なのか。それには色々とコップの底よりは深い事情がある。

 まず、いったい何が原因かは不明だが―――イヅキ小隊の全員が風邪で寝込んだ。しかしながら、巨大生物をパンチ一発で吹っ飛ばすほどの力を持っているエリス隊員は無事で、せっせと他の隊員の看病をしていた。

 そこに鳴り響くインベーダー襲来の警報。突然のことに慌てたエリス隊員は、出現地域を確認すると、何が現れたのかもわからぬまま現地へ急行。

 そして、到着して見ると―――でっかいゴ○ラもといソラスがいたのである。

「……どうしましょう」

 ソラス。それは、かつて自分が倒せなかった強敵中の強敵である。負けはしないが、勝てもしなかった相手。

 理由は単純、さすがにあそこまで大きいと体重差という大きな壁にぶち当たるのである。巨大蟻なら余裕のエリス隊員も、ソラス相手となるとそうもいかない。なんと言っても、素手なのだ。

 銃火器やレーザー兵器を使う他の人にはわからないことだが、ソラスの皮膚ってのは耐衝撃にすぐれていて、打撃による衝撃が思うように伝わらないのである。普通は殴る人なんていないので、そんなことどーでも良い問題だが、エリス隊員にとっては死活問題である。


 火炎放射から逃げ、突進を避け、隙を見つけては蹴ったり殴ったりしてみるが、やはりダメージは少ない。秒間数十発のパンチでも繰り出せれば、まだ希望もあるだろうが―――残念。エリス隊員はテクニックより実はパワー型だった。

 それでもがんばり屋さんの性格により、一生懸命がんばる。その度にソラスに蹴飛ばされるのは仕方ない。ペイルと違って足とか尻尾しか攻撃できないし、近づかないと駄目だから。

 その様子はどこか健気だ。

 その間にも、ダメージは少しずつ蓄積。しかも、今回はハルナ隊員や他の人もいない。ハッキリ言ってピンチになるのは、目に見えていた。

  だが、忘れてはいけない事がある。

 この手のアクション系のお約束として、次のような絶対的法則が存在するのだ。言うなれば世界の摂理とも言うべきもの。それは――――




 ピンチになると助けが入ったり、新兵器が登場する。




―――と言うものである。

 そしてまさに、その摂理が今―――働こうとしていた…。


―2025年11月6日 12:40

―日本 エリスVSソラスの戦場から、800m離れた地点―

「隊長、確認しました!!」

 エリスとソラスが戦っている場所から、少し離れた地点。そこに数人の人影があった。

 見た目は陸戦兵だが、ヘルメットが少しばかり違い、片目を覆うように備え付けられた小型ディスプレイには、何かの情報が絶えず表示されている。

「よし、手筈どおり。あの隊員に、対ソラス用の装備を送るぞ。マルチ・カタパルトは?」

「スタンバイ完了。いつでもいけます!!」

 ロケットランチャーにも似た装備を構えた隊員が頷く。

 マルチ・カタパルト。それはレールガンの機構を利用した、多目的射出装置である。だが、彼らが撃つのは弾ではない。

「ターゲットロック!!」

「ここで外したら、後方支援部隊の名折れだ!!一発で決めろ!!」

「了解!!」

 ドンッ!!という音と共に、何かが撃ち出される。よく見ると、それは緑色のスーツケースのような物だ。

「射出完了―――って、あぁぁぁぁぁっ?!」

「ど、どうした!?」

 スコープで確認をしていた隊員の一人が驚愕の声を上げた。その声に、その部隊に幾らかの動揺が走る。まさか、あの隊員に何か起こったのか? 誰もが不安になる中、その隊員は慌てた様子で告げる。

「撃ちだした武器BOX。あの隊員への直撃コースです!!」

「「「なにぃぃぃぃぃぃぃっ!?」」」

 弾速が早いと、たとえ石ころだろうと脅威になる事を忘れてはいけない。まして、レールガンである。その速さは推して知るべし。




―2025年11月6日 12:41

―日本 どっかの住宅街―

「――――えーっと」

 エリス隊員は戸惑っていた。本能的に身の危険を感じ、振り向きざまに、凄まじい速さで飛んできたものを掴んでみたら、なんと武器BOXだったのである。

 なんというか、そんなのが飛んでくれば誰だって驚く。――レールガンで撃ちだしたそれを片手であっさり止めるほうが驚きなきもするが。

 とりあえず普通の隊員だったら間違いなく吹っ飛ばされるか、再度出撃・撤退の二択表示が出ているかのどちらかだっただろうが、エリス隊員にとっては造作もないことであった。

 なんでこんなものが?と、思いつつもせっかくなので蓋を開けて見ると―――

 そこにはやたらゴツイ武器が入ってた。そして、一緒にメモが一枚。


エリス君へ。

 その武器はレーザーランスを参考に、エネルギーを一切使用せずに強力な一撃を見舞う事を目的につくった試作型の兵器だ。威力はお墨付き。かの有名なデモニックランスにも引けはとらないと自負している。問題は威力が凄まじいので、反動がすごく一発で壊れてしまうこうとだが―――。今の君には必要な物だろうと思い、EDSの人に頼んで送ってもらった。では、健闘を祈る

                         アレック・イーグリット

 

 その武器を手に取ってみる。

 それは腕に嵌めるタイプで、何やら図太い杭がくっついているて、よく見れば、工事現場でよくみるでっかい杭打ち機をそのまま小さくしたような感じ。

 何らかの反動で勢いよく杭を打ち出し、対象を一気にぶち抜く必殺兵器。

 人はそれをパイルバンカーと呼ぶ。そして、これはまさにそれの人間用であった。

「イーグリットさん…ありがとうございますっ!!」

 気遣いに感謝しつつ、それをすぐに装備。安全装置の解除を確認。

 それから一目散にソラスへと駆け出す。殴って駄目でも、こいつなら……っ!!そんな願いをこめてソラスへと迫る。

 近づいた所で、大きくそのパイルバンカーを装備した腕を後ろへと引き、跳躍する。

「撃ち抜くっ!!止めてみろっ!!」

 なぜかしらんが、そんな言葉が口から出た。けど、まぁささいな事としてスルーしておく。後、あまりにこれには突っ込まないでください。お願いします。

 やがて肉迫するソラスの胴体。そこへ振りかぶったパイルバンカーを思いっきり前へと突き出した。

 ドンッ!!

 ―――と言う重い音が響く。同時に腕に反動の衝撃を感じ、直後そのパイルバンカーが吹っ飛ぶ。

 しかし、デモニックランスにも引けをとらないと言うだけあって―――そのたった一撃で、ソラスは大地に沈んだ。

 紆余曲折はあった物の、一応の勝利である。

「…………………」

 だが、エリス隊員の表情は優れなかった。

 前回の事を踏まえて、密かにトレーニングを重ねていたのだが、それでも手も足も出なかったのだ。

 ―――これではいけない。もっと、強くならなければ―――!!

 

 その日、エリス隊員は再度一つの決意を心に秘めた。それは―――打倒ソラス。

 次こそは、実力で勝ってみせると、そう心に誓うのであった。




☆予告
 戦闘中に巨大生物を倒すと稀に現れる防弾チョッキや救急セット、そして武器BOX。

 巨大生物が持っていると思われていたそれらのアイテム。だが、実はそうではなかった。

 今、そのEDF最大の謎の一つにまつわる真相が明かされる!!


 

次回――作戦No.024【EDFの隠された真実】

 後方支援部隊EDS登場!!


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□えむ’sコメント□

 微妙に手抜きっぽい気もするけど、これが限界ですorz これで勘弁してください…。

 そして、必殺試作兵器パイルバンカー(仮) 思いっきり趣味です。でもスパロボのアルトア○ゼンってかっこいいよねー(マテ

 ちなみに威力は50000。ただし弾数1のリロード。反動でかいので、普通の隊員じゃ撃ったと同時に後ろに吹っ飛びます。もちろん最大HPの10%ダメージと言うオマケつき。

 というのが設定w たぶん、二度とでません。