解説!研修医

例えば、貴方が街角で手を挙げます。
タクシーがヨロヨロと停まります。
急な車線変更に後続車がクラクションを浴びせます。
ドアが開き、あなたは嫌な予感を抱えつつも乗り込みます。

貴方は目的地を告げますが、運転手は首をかしげ、貴方に道順が判るか?と訊ねます。


こんな経験、ないですか?
東京都心でタクシーを停めれば、一割くらいはこんなことがあります。
いわゆる、日常のひとこまです。

運転手が地方からの転職組だったりすると、貴方も妙な同情を覚えてしまい、道の二三本、曲がり損ねても鷹揚に見逃してあげたりします。
都会人先輩の余裕ってやつをかましてしまうわけですね。

急いでいるときには、ウノで4枚取れカードを出された時くらいのショックを受けますが。

そして運転手は、貴方に本日が初乗務であることなどを告げたりすると、
余裕のある時は話し相手になったり、そうでないときは自分の不幸に愕然としたりと、やはりその対応は分かれます。


タクシーの場合、ありえない話ではありますが、もし運転手が『お客さんね、実は私、まだ仮免許なんですよ。すいませんけど、左のサイドミラー、見ててもらえます?」などと言われたら、速攻で車から降りますよね。


病院ではこれと同じようなことが毎日起きている…

それが研修医なのですよ。

まがりなりにも免許を持ったお医者さんですが、実態は医大の六年生にちょび髭が生えたくらいです。
看護師の主任や師長に比べたら足下にも及ばない知識、経験、技能しかありませんが、医師であることにはかわらないので、その体面を守る責務があります。

深夜の病院で頭ボサボサのまま、怯え顔を懸命に隠そうとしといるお医者さんがいたら、ほぼ間違いなくビンゴです。
そして、その技能のなさを自覚して謙虚な姿勢を貫く青年医師には、看護師もさりげなく体面を保てるようにフォローしてくれます。

その医師の日頃がどんなかを見るには、看護師を見ろ、とは昔から伝承される患者の自己防衛策の一つです。


激務と薄給はいつしか彼らのピュアだった心もむしばみ、産科や小児科を避け、皮膚科や眼科に走らせます。

今、地域医療は崩壊寸前で、数年すれば大病院は軒並み廃院に追い込まれるとも云われているのは、
研修医の過酷な職場環境に起因するとも云われているのです。


ではどうすればいいのか?

簡単です。

美人ナースは全員、不人気科に配転すれば解決します。

医者と云えども、所詮は男ですから。
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研修医と言えば、いつ梳かしたか分らぬほど乱れた頭髪と、寝不足によって充血した眼と、汗にまみれて異臭を漂わせる身体を酷使し、連日病棟で過ごすものと思っていました。

実際そういう方もいるようなのですが、全員が「アナタの方が不健康なのでは」と思われるような暮しはどうやらしていないようです。

彼らも「医者」と冠するのだから、稼ぎは一般市民と比較にならないんじゃない、ですって? いいえ。研修医はさしてオイシイ思いはしていないんですよ。それどころか知識と経験の溝に苦悩し、看護士からの突き上げのスケープゴートにされ、宴会では過度な期待を掛けられ、さながら小間使いとしてアクセク働いているのです。



研修医【けんしゅうい】


平均月収:25万円前後

研修期間は2年。その間に厚生労働省によって定められた科と、研修医自らが希望する科を回っていきます。


<以下の文章は某研修医の証言を元に作成しています。どの病院にも当てはまることではありませんのでご注意ください。尚サンプルとして挙げている病院を、便宜上A病院とさせていただきます。>


A病院では科を自由に選択できる期間を、2年目から8ヶ月間設けています。研修医たちはこの期間で自分が専門にしたい科を回ることができます。労働時間や休日は科によって変わるので、スケジュールは常に安定していません。

ここで、ある研修医の1日を簡潔にご紹介したいと思います。


A病院の総合診療科で働く研修医の1日>

6:30  回診

8:00  カンファレンス

       その週に入った新入院患者のプレゼンを行う。



(このカンファ中に、夜間に来た入院患者の振分け先を上層部の先生たちが話し合い、どの患者が何科に行くかが決まる)



9:00  チームミーティング

       朝の回診や、夜に起こった患者の容体などを担当の先生に報告し、その日の治療方針を決める。

       新入院患者がいれば、現在どういう状態で何が問題なのかチェック。

       新入院患者と重症患者の回診を優先的にこなしながら、採血や薬剤投与などのオーダー出し。

       書類書き(カルテ書き・院内受診の書類書き・他科の医師に手紙出しなど)。

       患者のご家族への説明。

       サマリー書き(患者の入院経過をまとめたもの)。

       アドミッションノート(どういう状態で来て、これからどう治療していくのか等を記する)の作成。


17:00  チームミーティング

        一日の確認。

        (その日に入った新入院患者のプレゼンをし、その後ディスカッション)

        新入院患者の治療方針決定。(オーダー出し・書類書き)


新入院患者がなければ20:00過ぎに帰社できる。

その後は問題が起こるたびに応対。上の先生たちに相談して対応を決める。




ディスカッションや回診だけでなく、数多の書類書きも研修医に任されるため、時間配分を考えなければなりません。(特にサマリー書きは患者が退院して2週間以内に提出せねばならず、これが滞ると二進も三進も行かなくなる模様。それはもう「サマリーがタマリー(貯まり)」というサムい駄洒落も生まれるほどに。)研修医にだけ言えることではないのですが、仕事の優先順位をうまく付けられるか否かが、仕事の効率を高める肝になります。



「研修」と冠するものの、やはり医者は医者。いつだって危険と隣り合わせです。例えば針刺し事故だってありうるわけです。


その研修医は、B型肝炎の患者から採血し、誤って「針刺し事故」を起こしてしまいました。(針刺し事故とは、患者に刺した針を誤って自分に刺してしまうこと)都合が悪いことに彼はワクチンを打っておらず、B型肝炎に対する抗体を持っていない。針刺し事故は報告の義務があるのですが、それを果たさず、友人に処方箋を依頼しました。そうです。内密に抗体を打つことにしたのです。

筋肉注射をせねばならず、二人は誰も使用していないオペ室で処置を行うことにしました。無事、注射を終えてホッとした彼に声を掛けてくる看護婦さん数名。やけににこやかで訝しく思っていると、驚愕の一言を言われました。「先生のお尻って白いんですねェ」初めは何のことか分からずキョトンとしていたのですが、すぐにその意を解し、愕然とする彼。・・・つまり看護婦さんをはじめとする麻酔科の先生たちに一部始終を目撃されてしまっていたのです。確かにオペ室には誰もいなかったのですが、オイシイことに室内に設置されたカメラがたまたま起動したままになっており、尻を剥き出す彼と、その尻に注射針を向ける友人の姿がクリアに映し出されていたのです。でも分らないことがひとつ。筋肉注射は大きな筋肉が集中する肩か太腿に打つのが一般的なのですが、何故敢えて尻にその白羽の矢が立ったのか。(お尻にも大きな筋肉があるため、不適切ではないのですが・・・)いやはや。人間悪いことは出来ませんねェ。


研修医


『平成お仕事広辞苑』弟9回【研修医】


Writing by 小娘


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昔からの店が残存しているのに新しい店ができる。
ワイシャツの選択代金が下がるのに、スーツやコートのそれは上がる。
チェーンでない昔からの店は、店頭に猫を飼っている所が多い。
クリーニング屋が潰れた跡地は、何屋をやってもうまくいかない。


クリーニング業界というのは、なんとも不思議な世界である。
上場企業の高級チェーン店舗から、店のカウンター越しにアイロンをかける店主の姿が見える独立店舗、コンビニの脇に置かれたボックスに入れると、数日後に出来上がって店頭で受け取る取り次ぎサービスもある。

多い所にはむやみに集中し、ディズニー近くの新浦安などには、一区画に一店ある感じ。この街の人はソンナニ服を汚すのか?と感心するほどである。

仕事そのものはシンプルでわかりやすい。洗って、乾かして、プレス。細部における匠な仕事があるのは、どの職業にもつきもので、その専門知識の一端は昼のテレビでやる生CMなどで公開される。

不思議なのは
あれだけの店数を維持するほどの需要がどこにあるのか?ということ。
毎日のお父さんワイシャツだって、今や一枚千円で売っている代物だし、形態安定だから家で簡単にできる。
スーツだって、そんな頻繁に出すわけじゃない。

つまり、やはりオンナドモの衣装洗濯で、この業界はもっているということになる。
だいたい、オンナドモは家で洗えないような素材が好きである。
バーゲンだのセールだの、ソルドだのレバッハスだので安く買うことには熱心でも、メンテナンスコストについては無頓着な生き物である。

そこで、大胆な推測ができる。
すなわち、クリーニング屋は、アパレル屋の子会社なのではないか?あるいはグルなのではないか?という推測である。
家で洗いにくい服を流行させ販売すれば、当然クリーニングに金が落ちる。
入会金が安く、月会費が高いスポーツジムみたいな仕組み。

もっと云えば、特殊な溶液を使わないと汚れが落ちにくい繊維を共同で開発し、嫌がおうでもプロに頼むスキームも構築されているのかもしれない。

それほどの癒着構造と集金システムがあるにもかかわらず潰れるような店舗は、やはり地の利が悪すぎるということとなり、何をやってもうまくいかず、選挙事務所や祭礼の休憩所になるか、電子パルス治療器みたいな怪しい健康器具の体験会場などに供されることになる。

ここって、潰れる前は何屋だったっけ?と思い出せない場合、たいていはクリーニング屋である場合が多いのはこのためかもしれない。
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地域によって差があるとは思うのですが、我が町にはクリーニング屋が所狭しと乱立しています。

似通った店構えと、店内の様子。

面白味など皆無に等しいですね。


大抵のクリーニング屋は「仕上がりの良さ」やら「料金」やらで客の獲得を図ろうとしているのでしょうが、そういう一般的なサービスを行わない風変わりなクリーニング店を私は知っています。


ガラスの引き戸が目に付く外観。

その格子には日焼けしてボロボロになった手書きの張り紙。

「生卵20コ 120円」


店内を覗いてみると、すぐに小上がりが。

ガラクタが積み上げられていて、煩雑な印象。

その奥には和室でもあるのでしょうか。

小汚いじいさんが小さな炬燵に包まって、こちらに視線を寄越しています。

怖いです。ただひたすらに怖いです。


怖いので店内から外観へ視線を戻します。

アスファルトに雪が・・・と思いきや残飯が。

はい。残飯がぶちまけられています。

呆然と立ちすくんでいると、何処からともなく雀が降り立ってきました。

残飯に集ってます。かなり必死についばんでいます。

そうです。じいさんはこうやって餌付けしているのです。(公道なのに・・・

残飯の目の前には街路樹。

周りの街路樹はすっかり秋色に染まっているというのに、じいさん宅の前の街路樹だけは明らかに様子がおかしい。

何故、蛍光ピンクやイエローの造花が絡まっているのですか。

・・・その様子は極楽鳥の如く。


装飾した造花は雨風に晒され、かつての色を失い。

残飯がキャアキャアと雀に荒らされて。

小汚い張り紙が秋風に靡き。

極め付けには生卵の販売。


そんな状態で、




「クリーニング請け負います」




と言われても、絶対ノーサンキューです。


ウチの母はこの有様を目にする度に




「正気の沙汰ではない」




と言いますが、これ程までにその言葉が的確に使用されたシチュエーションを、私は他に見聞きしたことはありません。





でもまあ、そういうのは特例。

大抵はカウンターにオバサンがひとり、鎮座していますよね。


その背には既にクリーニング済みの衣類が垂れ下がり、妙な威圧感を醸し出す店番のオバサン。

「クリーニング屋」という特殊な空間に於いて、彼女がルールブックなのです。


ここで私は皆さんに注意を促したい。


軽い気持ちで出した旦那の背広。

息子の学ランやジャケット。

・・・・ちゃんとポケットを確かめましたか?


私は「クリーニング屋のオバサンは町の情報ツウ」だと踏んでいるのです。


女の名前が書かれた小さな紙が、旦那のポケットから!

女性への配慮が伺われる小さな袋が、息子の学ランのポケットから!



もしもそんな家族の裏事情がオバサンの口から漏れ、明るみに出たら大問題です。

「社外接待秋の陣!××氏のキャバクラ潜入ルポ!」「スクープ!房事に狂う放蕩息子~大学受験失敗確実か?~」などと、尾ひれ背びれが付き、悠々と町内を流れ行くことになるでしょう。

あな恐ろしや。


だからクリーニングに出す際はありとあらゆるポケットを確認し、更にオバサンに愛想を振り撒いておかなければならない。


彼女はいつだって目を光らせているのだから。








クリーニング屋【くりーにんぐや】

平均時給:750円前後


クリーニングの受付は、預かった衣類のボタンが取れていないか、シミはついていないか等を入念にチェックする「検品」から始まります。ポケットも念入りにチェックし、物がないかを確かめられますので、皆さんポケットには注意ですよ!その後「タック」と呼ばれる帯と、衣類の状態を記した用紙を付けて衣類を管理し、クリーニングするために工場へ回します。

衣類の傷の無有を事前にしっかり把握しておかないと、後々お客さんと揉めることになります。入念にチェックしながらも、手際よく捌いていくことが求められます。




『平成お仕事広辞苑』 第8回【クリーニング屋】

―終―


writing by 小娘



クリーニング屋











こないだupした「平成お仕事広辞苑」の“きのこ農家”なんですが、


滅菌する作業は榎が生えてくる前に行うそうです。


従って、「店頭に並んでいるのは加工品」と云う表現は誤りでした。


すみまそん……


K氏がですね、日曜の早朝に


「あれ誤解だから!加工品じゃないから!


 いくら“きのこども”の風上にも置けなくとも、  


 そこはきちんと誤解を解いておきたい!!  


 記事を読んだのは夜中の2時で “違うよ! 間違ってるよ小娘!” と  


 速攻でTelしたかったんだけどね・・・!!」



と、熱く語られました。


えぇ、えぇ。そりゃあもう暑苦しく。


なので改めて訂正します。







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昨日、シュールな夢を見ました。




ファラオと婚姻し、ダイソーでマグカップを購入する夢です。








ああ、もう。




一体どこから突っ込んだらいいのやら。







何故エジプトなのか。



何故富豪な筈なのに、百均へ行くのか。



何故よりにもよってマグカップなのか。






半日ほど、そんな夢のことなど忘れていたのですが、



帰宅時にハッと思い出し、



居ても立ってもいられなくなったので此処に記します。



ちなみにファラオは仮面をつけておらず、



ハムナプトラに出てくる殿方みたいでした。(適当過ぎる説明w)





writting by 小娘