今日のテーマは先日ある奏者が楽屋で話していたこと。
誤解されないようにまず書きますが、
「一流の人の演奏を聴くのはもちろん大事。でも身近な先輩や同世代の演奏を聴くと一流の人の演奏よりも多くのものを学べる時もある。」
ということです。
なんでこの話になったかと言うと
「最近の学生は先輩の演奏を聴きに来ない」
って話題から。
確かに私の学生時代を思い出しても先輩の試験の演奏は全部聴いたし、録音もしたし、日にちが違う卒試ともなれば研究室全員で応援に行ったものです。
それが最近の学生はそう言うことがなくなってきていると。
現役の学生さん、実際どうなんでしょう?まあ、もちろん大学によっても違うだろうし、それぞれの楽器によって違うし、もちろん個人によっても違うんですけど全体の傾向としてそうなのかな?正直、私は知りません。
ただ、世界の一流の演奏を聴くより自分のレベルに近い演奏を聴くほうが学べることもあると言うのは正しいと思うんです。
ちょっと考えてみたいと思います。
1、何をしているかわかる
自分のレベルに近い人の演奏を聴くとその人が何をしているのかがわかります。どう表現をしているのか、何が自分と違うのか、何が自分より優れているかが見えやすいのです。同じ先生に習っているなら同じ教育を受けているわけですからより自分との違いがわかりやすいはず。ちょっとでも自分より良いと思うところは盗みましょう。
2、失敗から学べる
その人が失敗したなら、自分も同じ失敗をする可能性があります。「あー、やっちゃった」って思うだけでなく、なぜその人が失敗したのかを分析しましょう。失敗には何かしら原因があります。自分が同じ失敗を本番でしないように分析しましょう。
3、すぐ話を聞ける
世界一流の演奏家に話を聞く機会はなかなか訪れるものではありません。また、ゆっくり話す環境でなければ答えられないこともあります。ですが身近な先輩などなら聞く機会はたくさんあるはずです。ちょっとした時に質問できるし、学校で楽器をお互いに持っている時は特に狙い目です。色々聴き込みましょう。
4、近いレベルで話ができる
自分と近いレベルの人であれば話も通じやすいものです。例えば遠く離れた一流と話しても、色々な経験や感覚を複合している一流演奏家ですから、的を得ない話になるかもしれません。また、優しく説明してくれても抽象的すぎたり、質問した本人の知りたい部分ではないかもしれません。もちろん、それらを頭に残して蓄積していくことも大事です(後から理解できることも多々あります)。逆に近いレベルの人だと近いところで考えていることが多いので自分が今欲しい答えがダイレクトに返ってくることがあるかもしれません。
ちなみに私はシャイな性格ですが、今でも疑問に思ったことは質問しています。仕事で会えば年下でも興味あることは聞くし、聞かれれば答えるし。たま〜に会う世界の一流奏者にも機会があれば質問します。
音楽に直接関わらなくても色々な話をすることで音楽の糧になることもあります。その人の人生、恋愛、酒の好み、様々なことから音楽に通じてきます。
音楽は人生だ せるじお
ということで、まずは身近な人から色々学びましょうという話でした。本番だけでなく、人のレッスンを聴くのもとても勉強になりますよね。ただ、自分の演奏技術のためだけでなく、指導技術も学べます。その先生がどう教えているかだけでなく、もし理解していないで言われることができない生徒がいたら「どうやって教えたらこの人はわかるんだろう?」と考えることもできます。
また、プロのコンサートの後でも出待ちしたりして話しかけるのは全然悪いことではありません。学生もアマチュアもファンも関係ないのでどんどん演奏者に話しかけてみましょう!(もちろん一般常識を踏まえてね)
そして、疑問に思ったことは「ちょっとバカバカしいかな?」って思うくらい簡単なことでも聞いてみましょう!
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