最近、Facebookの勢いがすごいですね。ユーザー数は5億人を超えて、位置情報サービスなどの新機能リリースや、ソーシャルグラフをベースにしたQ&A・検索サービスなどの提供など、人間関係のプラットフォームになりつつあります。現在、111ヶ国でトップシェアを占めているそうです。(2009/12は100ヶ国でトップシェア)
一方、Googleは、ソーシャル領域において精彩を欠いているように見えます。今後、FacebookはGoogleを凌駕できるのでしょうか?現時点でGoogleよりもFacebookが有利だと考えられる点を以下に挙げます。
■Googleが保持・検索できないデジタル情報が増加
すべての情報をデジタル化するという理念を掲げるGoogleですが、Facebookの台頭により、Googleが検索できないデジタル情報が増加しています。リアルタイム情報は、Twitter社に年間数十億円のライセンスフィーを支払うことにより、Googleの検索に表示できるようになりましたが、ソーシャル領域を中心に、カバーできない情報が増加しつつあります。
①ソーシャルグラフ(人間関係情報)
GoogleもOrkutというSNSサービスを提供していますが、ブラジルぐらいでしかトップを取れていません。※下記の「World map of social networksの青色部分」
出典:World map of social networks
http://www.vincos.it/world-map-of-social-networks/
Facebookは、中国・韓国・日本・ロシア等いくつかの国ではトップになっていませんが、北米・ブラジル以外の南米・ヨーロッパ・オセアニアの多くの国でトップシェアを取っています。(上記「World map of social networksの黄土色部分」
このように、Facebookは主要国のソーシャルグラフ(人間関係)を抑えつつあり、Googleにはできない、ソーシャルグラフをベースにしたサービスを提供することで、Googleに差をつけつつあります。
②Likeボタン連動検索
その一例が、Likeボタン連動検索です。Facebookには、自分の興味を示すLikeボタンや、友人と情報を共有するShareボタンがありますが、こういったユーザーの好みを直接的にとらえたデータを基にして、検索結果の精度を向上させつつあります。
Googleはキーワード連動検索によって、ユーザーの好みを間接的に捉えていますが、自分自身の嗜好や、友人や識者・専門家のお勧め・嗜好を基にした方が、検索結果の精度が上がると考えられます。
③Facebook Q&Aサービス
Facebookが提供する、OkwaveやおしえてgooのようなサービスがFacebook Q&Aサービスですが、Google等の外部サーチエンジンが、内容を検索できないようになっています。
■Googleの広告ビジネスは盤石か?
上記のように、Googleが把握できないデジタル情報が増加し、人々がネット上で情報を探しに行く際に、Google等のサーチエンジンではなく、Facebook上で検索を完結できてしまう比率が増加することが考えられます。ネット上の人々の情報検索行動が、能動的なキーワードサーチから、ソーシャルグラフやLikeボタン等からのレコメンド情報に基づく情報取得に変化してしまうわけです。
そうすると、GoogleではなくFacebookへの広告出稿が増えてくるわけで、広告を一番の収益源とするGoogleのビジネスモデルが揺らぐことになります。
Microsoftは、ネットはGoogleに抑えられましたが、Office等のアプリケーション販売やサーバー製品等の企業向けビジネスが大きいため、簡単に衰退することはありませんでした。しかし、広告という、ユーザーにとって切り替え障壁が相対的に低いビジネスをメインの収益源にしているGoogleは、Microsoftよりも急激に業績が落ち込むことも考えられます。
ネットの世界は、変化が急激ですね。少し前は、Googleの支配が揺らぐなんて、想像していませんでした。
一方、Googleは、ソーシャル領域において精彩を欠いているように見えます。今後、FacebookはGoogleを凌駕できるのでしょうか?現時点でGoogleよりもFacebookが有利だと考えられる点を以下に挙げます。
■Googleが保持・検索できないデジタル情報が増加
すべての情報をデジタル化するという理念を掲げるGoogleですが、Facebookの台頭により、Googleが検索できないデジタル情報が増加しています。リアルタイム情報は、Twitter社に年間数十億円のライセンスフィーを支払うことにより、Googleの検索に表示できるようになりましたが、ソーシャル領域を中心に、カバーできない情報が増加しつつあります。
①ソーシャルグラフ(人間関係情報)
GoogleもOrkutというSNSサービスを提供していますが、ブラジルぐらいでしかトップを取れていません。※下記の「World map of social networksの青色部分」
出典:World map of social networks
http://www.vincos.it/world-map-of-social-networks/
Facebookは、中国・韓国・日本・ロシア等いくつかの国ではトップになっていませんが、北米・ブラジル以外の南米・ヨーロッパ・オセアニアの多くの国でトップシェアを取っています。(上記「World map of social networksの黄土色部分」
このように、Facebookは主要国のソーシャルグラフ(人間関係)を抑えつつあり、Googleにはできない、ソーシャルグラフをベースにしたサービスを提供することで、Googleに差をつけつつあります。
②Likeボタン連動検索
その一例が、Likeボタン連動検索です。Facebookには、自分の興味を示すLikeボタンや、友人と情報を共有するShareボタンがありますが、こういったユーザーの好みを直接的にとらえたデータを基にして、検索結果の精度を向上させつつあります。
Googleはキーワード連動検索によって、ユーザーの好みを間接的に捉えていますが、自分自身の嗜好や、友人や識者・専門家のお勧め・嗜好を基にした方が、検索結果の精度が上がると考えられます。
③Facebook Q&Aサービス
Facebookが提供する、OkwaveやおしえてgooのようなサービスがFacebook Q&Aサービスですが、Google等の外部サーチエンジンが、内容を検索できないようになっています。
■Googleの広告ビジネスは盤石か?
上記のように、Googleが把握できないデジタル情報が増加し、人々がネット上で情報を探しに行く際に、Google等のサーチエンジンではなく、Facebook上で検索を完結できてしまう比率が増加することが考えられます。ネット上の人々の情報検索行動が、能動的なキーワードサーチから、ソーシャルグラフやLikeボタン等からのレコメンド情報に基づく情報取得に変化してしまうわけです。
そうすると、GoogleではなくFacebookへの広告出稿が増えてくるわけで、広告を一番の収益源とするGoogleのビジネスモデルが揺らぐことになります。
Microsoftは、ネットはGoogleに抑えられましたが、Office等のアプリケーション販売やサーバー製品等の企業向けビジネスが大きいため、簡単に衰退することはありませんでした。しかし、広告という、ユーザーにとって切り替え障壁が相対的に低いビジネスをメインの収益源にしているGoogleは、Microsoftよりも急激に業績が落ち込むことも考えられます。
ネットの世界は、変化が急激ですね。少し前は、Googleの支配が揺らぐなんて、想像していませんでした。