贈り物の罠。
あたしは贈り物をされるのが苦手だ。
贈り物を貰っちゃうと『お返しをしなければならない』という 義務的なことが発生する。
逆もしかり。贈り物をしちゃうと『お返しをしなければ』という 義務感を相手に与えてしまう。
本音をいうとそれが苦手。非常に。
されたら返す。だからまた贈られる。また義務が湧く。エンドレス。
そんな風習が続いてるのが、お中元とかお歳暮とか年賀状とかだったりするんでしょ。
あたしは、どれもしない。敢えてしない。
いっそ、盆や正月やクリスマスやバレンタインデーや
誕生日を祝う風習なんて無くなってしまえばいいと思うほど。
とりわけて、そういうイベント時に贈り物をしなくても、
感謝してる人には時期に関わらずお礼をすればいいし、
誕生日の直前になってプレゼントを探し回るなんて非効率なことはしたくない。
たまたま見つけた相手の負担にならないくらいのいい物を、あの人に贈りたいなと購入して、
誕生日でもなんでもない時に、いつもありがとう的に渡すくらいのスタンスがよい。
先日書いたヴーヴ・クリコ トラヴェラー
も、そんな風に選んだものだったりする。
ヘルスにいた頃のバレンタインデー。
姫たちはこぞって、オーナーや専務、常務、店長などに贈り物をした。
ブランド物のシャツやらネクタイやら香水やらアクセやらだったりした。
何かの用事で彼らの部屋に行ったら、それらの箱や袋が無造作に積み上げられてて、
感謝すらもしていない人たちに、何故こんな馬鹿らしいことをするのかと不思議に思った。
ホワイトデーに姫たちすべてにお返しが配られた。香水だったように記憶するけど。
それは、何もあげていないあたしにもちゃんと配られたんだよね。
上の方は、誰に何をもらったかすら、覚えちゃいない。そんなもんだったよ。
次に移った別の店には、バレンタインデーの数週間前からこんな張り紙がロッカー室に貼られてた。
『当店では従業員間の贈り物の受け渡しは禁止しております』
いい店に入ったな。と自分の選択を褒めた瞬間だった。