同情や説教なんていらない。 | 泡姫日記~風俗嬢の戯言~in Ameblo

同情や説教なんていらない。

「どうして君みたいな人がこんなところにいるの?」

だとか、

「目標を達成したら早くこんな仕事はやめてね」

だとか、

「いつまでも続けられる仕事じゃないんだよ」

だとか・・・。

そんなにお気をつかって頂かなくても全然結構なのにね。

お愛想とか説教染みたこととか・・・。

いつからかあたしの身内にでもなった気分なんだろうか。

ま、言うだけだったらただだからね。


風俗嬢は、何かしら深い問題を抱えているものだと

信じ込んでいる客は多い。

いや、そう思いたいだけなのかもしれない。

別に悩みや不安を抱えているのは風俗嬢ばかりではないのに、

まるで、社会の底辺の人間に同情したつもりになって、

そうして自己満足の悦に入ったりしてる。

そんな感傷に浸ることで何かを得ているのだとしたら、

あたしは充分役割を果たしたような気にもなれる。


同情されたり、心配されたり、いろんなものを押し付けられたり。

オシゴトしてる中で、一番排除したい事柄なのに、

とってもとっても人のいい勘違いで、ほじくり返して露呈させてる。

なのに、それに全く気付いてないというのはどういうことだ。

 

 

「どのくらい必要なのかわからないけれど、

僕が用意できる金額だったら

今すぐにでもやめさせてあげられるのに」

と泣きながら言った客がいた。

心底鬱陶しくて、今すぐ箱から叩き出したい気分だったけど、

あたしは優しいからそんなことしない。

「大丈夫よ。あたしこの仕事そんなに嫌いじゃないから」

なんて心にもないこと言って強がって見せて、

「僕は僕の出来る限りで、ずっと君のことを応援するよ」

なんてことを言わせてしまうのだ。


人は

自分より可哀想な人を見ると幸せを得た気になったりするからね。

彼には、あたしの心の中なんて推し量ることは出来ないだろう。一生。

あたしはあたしという人間を可哀想だなんて思っちゃいないのだから。

少なくとも、お前よりは可哀想ではないと思っちゃってるわけだから。