お仕事は、ゲーム? | 泡姫日記~風俗嬢の戯言~in Ameblo

お仕事は、ゲーム?

客をあたしに夢中にすることに、あたしは夢中だった。

相反するけれど、

目の前の見ず知らずの男に夢中になることにあたしは夢中だった。

落ちない客ほど面白い。つかめない客ほど面白い。

ある意味ゲーム。

あたしったらもうそんなゲームに無我夢中。


人の好みっていろいろあるから、外見で客のストライクゾーンに

入ることが出来なければ、とにかく客の求めるものを模索するわけだ。


甘えてみて反応の悪い客には、凛とした姿勢で向き直る。

気取ってみて引く客には、気さくに話しかけてゆく。

ソープにロマンを求める客(たまにいる)には、

寒い笑いは隠しつつ、

ワイングラスを手にロマンティックを演出する。

長嶋さんフリーク(ひとりいた)には、全く知らない野球の話に

退屈さなんてみせずに、興味津々な反応をしてあげる。

どうしてもつかめない客には、いろんな引き出しを引っ張り出して、

とにかく、相手を知る努力をする。


相手を知ろうと試行錯誤してゆくうちに、

ついにM男くんであることに行き着いたり、

ついさっきまで、いかつい顔をしていた会社社長が、

「あたしももちゃん。一緒に下着買いにいこ」

なんて言い出したことすらあった。帰り際に

「こんなところで本当の自分出すこと出来るなんて思わなかった」

なんて言われて、最高点でゲームクリアしたあたしは、

有頂天になったりしたもんだ。


たった2時間で手ごたえを掴むことは難しい。

けれど、難しければ難しいほど、クリアしたくて仕方ない。

あたしのお仕事は、対人リアルゲーム?